マリーゴールドで虫除け効果がある品種は?家庭菜園での上手な植え方!

マリーゴールドで虫除け効果がある品種は?家庭菜園での上手な植え方!

花が咲く期間が長く、明るい花色で庭を彩ってくれるマリーゴールドは、野菜と一緒に植えると、センチュウなどの虫除け効果が期待できる植物です。農薬を使わずに虫除けできたらうれしいですね。マリーゴールドの植え方を工夫して、家庭菜園の強い味方にしましょう。

記事の目次

  1. 1.マリーゴールドの概要
  2. 2.マリーゴールドの虫除け効果
  3. 3.マリーゴールドの種類・品種
  4. 4.虫除け効果のあるマリーゴールドの品種
  5. 5.家庭菜園でのマリーゴールドの植え方
  6. 6.マリーゴールドの基本的な育て方
  7. 7.マリーゴールドを家庭菜園に生かそう

マリーゴールドの概要

出典:写真AC

マリーゴールドの基本情報

学名 Tagetes
科・属名 キク科・マンジュギク属(タゲテス属)
原産地 主にメキシコ
草丈 15cm~1m
花色 オレンジ色、黄色、赤、白、複色など
開花時期 4月~11月
耐寒性/耐暑性 耐寒性:やや弱い/耐暑性:強い

マリーゴールドは、春~秋まで開花期が長く、独特の匂いがあるキク科の植物です。咲き方は一重咲きから八重咲き、ポンポン咲き風もあり、花色も鮮やかなオレンジ色を中心に白や赤など豊富です。ほとんどは一年草で晩秋には枯れますが、育てやすくこぼれ種からでも増えます。

優秀なコンパニオンプランツ

出典:写真AC

コンパニオンプランツとは、共に植えると有益な植物のことです。一緒に植えることで生育がよくなる、昆虫をおびき寄せて受粉しやすくなる、おとりとして害虫を引き受けてもらう、害虫を追い払ってもらうなどのメリットがあります。マリーゴールドは特に害虫除けのコンパニオンプランツとして、家庭菜園で頼りになる存在です。

対抗植物

一緒に植えることで害虫の忌避や増殖の抑制、撃滅させる効果の著しい植物は、対抗植物とも呼ばれます。マリーゴールドは独特の匂いや成分から、センチュウの撃滅やコナジラミ・蚊などの害虫を追い払う効果が期待できる対抗植物としても有能です。

マリーゴールドの虫除け効果

Photo by_Alicja_

マリーゴールドの根から分泌するα-ターチニエールという成分は、センチュウには毒性となり、激減させる効果があるとの実験報告があります。また、マリーゴールドの独特の匂いを蚊やコナジラミが嫌うため、忌避させる効果が期待できます。

虫除け効果①ネコブセンチュウ

マリーゴールドは、ネコブセンチュウの撃退に効果があります。センチュウは土の中に住み着き、植物の根に寄生する1m程度の無色透明の害虫です。ネコブセンチュウもその一種で、口針から出した液で根に数珠状のこぶを作り、植物の生育を衰えさせ、葉や果実の品質・収穫量に悪影響を及ぼします。被害にあいやすい作物は、ナス、トマト、ピーマン、ニンジン、キュウリ、メロン、スイカ、カボチャなどです。

虫除け効果②ネグサレセンチュウ

Photo by Oregon State University

マリーゴールドはネグサレセンチュウにも撃退効果的です。ネグサレセンチュウもセンチュウの一種で、根に寄生すると、根腐れを起こして葉が黄色くなったり萎れたりすることがあります。ダイコンなどの根菜類は小さなぶつぶつした黒い斑点があちこちにできてしまい、被害部分が少なければ食べられますが見た目が悪くなります。被害にあいやすい野菜は、ゴボウ、ニンジン、ミツバ、レタス、ネギ、ダイコンなどです。

虫除け効果③コナジラミ

コナジラミは、細長い白い羽をもった小さな虫で、トマトの葉などに寄生します。コナジラミが大量に発生すると、作物の生育が悪くなったり色づきが悪くなったりします。また、コナジラミの出す排せつ物が原因ですす病などを発症することもあるため、早めの駆除が肝心です。マリーゴールドの香りに含まれるリモネンが、コナジラミを追い払う効果があることは、ニューカッスル大学自然環境科学部の実験で実証されています。

Newcastle University (ニューカッスル大学/英語)

虫除け効果④蚊など

マリーゴールドの独特の匂いは蚊なども嫌うため、蚊の忌避効果が期待できます。ただし遠ざけるだけで、蚊を死滅させるほどではありません。

マリーゴールドの種類・品種

アフリカン・マリーゴールド系

出典:写真AC

アフリカン・マリーゴールドは、メキシコ原産のマリーゴールド・エレクタ(学名:Tagetes erecta)を原種とする種類で、和名は千寿菊(センジュギク)です。ヨーロッパ経由でアフリカに広がったことからアフリカン・マリーゴールドと呼ばれています。ポンポン咲きのように花が大きく、草丈も高く育つのが特徴です。優雅な白花の「バニラ」、矮性種の「タイザン」シリーズなどがあります。

フレンチ・マリーゴールド系

Photo bysarangib

フレンチ・マリーゴールドは、メキシコ原産のマリーゴールド・パツラ(学名:Tagetes patula)を原種とする種類で、和名は万寿菊(マンジュギク)です。フランスの庭園から普及したため、フレンチ・マリーゴールドと呼ばれています。アフリカンより小柄でよく分枝して横に広がり、大輪種の「デュランゴ」シリーズ、中輪種の「ボーイ」シリーズなど多くの園芸品種があります。

メキシカン・マリーゴールド系

メキシカンマリーゴールドは、メキシコ原産のマリーゴールド・テヌイフォリア(学名:Tagetes tenuifolia)を原種とする品種です。ホソバクジャクソウ(細葉孔雀草)という和名があるように、葉が繊細で全体的に小柄な種類です。一重咲きが多いのが特徴で、ほかの種類より冷涼な環境を好みます。一重咲きのレモンジェムは柑橘系の香りで、小さな花が多く付きます。

宿根マリーゴールド

ほどんどのマリーゴールドは一年草ですが、柑橘系の香りのレモンマリーゴールド(学名:Tagetes lemmonii)や、タラゴンのような香りのミントマリーゴールド(学名:Tagetes lucida)は、多年草です。開花時期は遅めで、霜に当たる程度なら冬越しできます。

虫除け効果のあるマリーゴールドの品種

Photo by Ursus sapien

国立研究開発法人「農研機構」が行った実験で、マリーゴールドを植えた土地は、フレンチ系・アフリカン系・メキシカン系いずれも2年間センチュウの撃滅効果があることが実証されています。家庭菜園で一緒に植える場合は、効果の強弱はあるものの、ほとんどの品種にセンチュウ防除の効き目があると考えてよいでしょう。ここでは、特に効果の認められた品種をご紹介します。

対抗植物、天敵微生物等を利用した線虫防除技術|農研機構

アフリカントール

アフリカントールは、アフリカン系の品種で、いくつかの農業試験場や大学などの実験でもセンチュウ激減の効果が実証されています。花色は黄色やオレンジ色で、花径8cm程度の大輪の花が咲き、草丈は60cm~1m以上に伸びます。庭を明るく彩り、畝に透きこむ緑肥としてもセンチュウの対抗植物としても有効です。大きく育つため、蚊などの忌避効果も期待できるでしょう。

グランドコントロール

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フレンチ系のマリーゴールドは、ほとんどの品種がセンチュウ撃滅に効果があるといわれています。その中でもグランドコントロールは、センチュウ駆除効果を謳っている品種です。よく分枝して広がり、可憐なオレンジ色(濃い黄色)の花が咲きます。

フィールドキーパー

フィールドキーパーは、カネコ育苗がセンチュウ防除用に改良した品種で、とくにサツマイモネコブセンチュウやキタネグサレセンチュウに対する高い効果が期待できます。フレンチ系で、花が咲き始めるのが比較的遅い種類です。

エバーグリーン

エバーグリーンは、花が咲かないように改良されたフレンチ系の品種で、センチュウ対策に有効です。花がほとんど咲かないため、マリーゴールドの花が好きなオオタバコガが寄って来きません。また花が少ない分、株の衰えが緩やかです。

そのほかの品種

ここにあげなかった品種にも、センチュウ撃滅やコナジラミ忌避の効果はあります。蚊除けに植える場合は、どの品種でもできるだけ匂いの強い苗を選び、多めに植えるとより効果が期待できるでしょう。

ボタニ子

ボタニ子

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家庭菜園でのマリーゴールドの植え方

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