カノコユリとは?特徴や開花期・上手な育て方について詳しく解説!

カノコユリとは?特徴や開花期・上手な育て方について詳しく解説!

カノコユリとは、「美しい」という意味の学名を持つほど優雅で美しいユリの一種です。手間のかかりそうなイメージのあるユリですが、耐寒性や耐病性に優れ、意外にも簡単に育てられます。この記事ではカノコユリの特徴や管理の仕方、簡単な増やし方について解説していきます。

記事の目次

  1. 1.カノコユリはどんな植物?
  2. 2.カノコユリの特徴
  3. 3.カノコユリの栽培スケジュール
  4. 4.カノコユリの育て方【準備~植え付け】
  5. 5.カノコユリの育て方【日常管理】
  6. 6.カノコユリの育て方【特別な管理】
  7. 7.カノコユリを育ててみよう!

カノコユリはどんな植物?

出典:写真AC

カノコユリは漢字では「鹿ノ子百合」と表記するように、鹿ノ子模様が特徴的なユリの一種です。九州や四国、中国、台湾まで幅広く分布していますが、近年、自生数は減少しており絶滅危惧種に登録されています。花姿が非常に美しく、古くから観賞用として人々に愛されてきました。別名「土用ユリ」「七夕ユリ」とも呼ばれています。

ボタニ子

ボタニ子

カノコユリは、九州では海岸近く、四国では岩壁など地域によって自生場所が異なるんだって!

基本情報

形態 多年草
学名 Lilium speciosum
科名・属名 ユリ科・ユリ属
原産地 日本、中国、台湾
草丈 1m~1.5m
開花時期 7月~9月
耐暑性 やや強い
耐寒性 強い

歴史

カノコユリは、シーボルトが球根を国に持ち帰ったことをきっかけに、江戸時代にヨーロッパに広まりました。大正時代にはアメリカに球根が輸出されるようになり、クリスマスや復活祭に備える花として人気が高まります。その後、次第に海外での需要は減りますが、優美なカノコユリは現在でも多くの人を虜にしています。

花言葉

カノコユリは、「荘厳」「慈悲深さ」「上品」「飾らない美」「衰えることのない華やかさ」「威厳」「富と誇り」など、たくさんの花言葉を持っています。花が咲く様子が優雅で気品に満ちており、存在感があることからつけられました。開花時期が夏であることから、7/4、8/3、8/7の誕生花にもなっています。

カノコユリの特徴

特徴①花色

出典:写真AC

カノコユリの花色は濃いピンク色で、深紅の斑点模様(鹿ノ子模様)が特徴的です。花びらの外側は白っぽく、中心部に向かって次第に濃いピンク色へと移ろいます。基本的には濃いピンク色のものが多いですが、品種によっては深紅や薄ピンク、白色のものなどさまざまです。花色だけでなく花粉の色も品種によって黄色と赤褐色の2つに分かれます。

特徴②花の咲き方

出典:写真AC

カノコユリの花の大きさは約10cmで、花びらを外側へ反り返らせて咲きます。1輪でも華やかなカノコユリですが、1枝に10~20輪の花をつける姿は圧巻です。花の中心部から伸ばす6本の雄しべは、花火のように放射状に広がり、見る人の目を楽しませてくれます。下向きに咲くのが一般的ですが、品種によっては上向きに咲くものもあります。

特徴③開花時期が遅い

カノコユリの開花時期は品種にもよりますが、7月~9月です。ほかのユリが5月ごろから咲き始めることを考えると、遅咲きタイプといえます。庭や花壇に開花時期の異なるほかのユリとともにカノコユリを植えることで、一年を通して長くユリを楽しめます。

カノコユリの開花時期を早める方法があるって本当ですか?

カノコユリの開花時期は7~8月ですが、促成栽培することによって6月に早められます。カノコユリの促成栽培とは、10月以降に掘り上げた球根を8週間5℃に保つ低温処理をしてから植え付ける方法です。本来の開花時期よりも気温の低い時期に花をさかせることで、花色よく大きく育てられるのが促成栽培の利点です。

特徴④品種改良に使われる

カノコユリは宝石に例えられるほど海外でも人気があり、品種改良に好んでよく使われています。ヤマユリとカノコユリの交配で生まれた「オリエンタルハイブリッド」が素晴らしく高評価を受けたことから、現在でもユリの品種改良の「親」として選ばれることが多いです。

特徴⑤食用になる

カノコユリの球根は食用にも使われます。球根は赤紫や淡いピンク、黄緑色など品種によって色が異なりますが、色の淡いものほど苦みが少なく、食用として好まれます。滋養強壮、咳止め、利尿作用、解熱、炎症の抑制効果が期待できることから、味わうというよりは薬用としての人気が高いです。

カノコユリの栽培スケジュール

出典:写真AC

スケジュールカレンダー
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
植え替え
開花時期
肥料

カノコユリの栽培開始時期は秋です。10月~11月上旬に植え付けし、春に肥料を与えると、夏にはきれいな花を咲かせます。種子を採るか球根を育てるかによって花後の管理などの細かい手入れ方法が変わりますが、一年を通して基本的に手がかかりません。

カノコユリの育て方【準備~植え付け】

出典:写真AC

準備

必要なもの

  • カノコユリの球根
  • 植木鉢(地植えの場合は必要なし)
  • 用土
  • 肥料
  • 鉢底石(地植えの場合は必要なし)

カノコユリの球根は、園芸センターや通販で購入できます。大きな球根は花数が多く、小さな球根は少ない傾向があります。庭づくりのイメージや好みにあわせて選びましょう。カノコユリは、球根から伸びてくる根が栄養分を吸収するため、植木鉢は大きめで深いものが向いています。小さめに育てたい場合でも、ある程度の深さのあるものがおすすめです。

ボタニ子

ボタニ子

カノコユリは野生種だから、植木鉢は素焼きのもののほうがいいかも!素焼きは通気性もよくて扱いやすくておすすめだよ!

土作り

鉢植えの場合

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カノコユリは水はけのよい土壌を好みます。赤玉土(中粒)3:赤玉土(小粒)3:腐葉土4か、赤玉土(中粒)5:川砂1:腐葉土4の割合で準備しましょう。緩効性化成肥料を用土1Lあたり約5g混ぜ込んだら完成です。自作するのが難しい場合や初心者の方は、市販の「球根用の土」「ユリ用培養土」が便利でおすすめです。

地植えの場合

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植え付けの1週間前までに、植え付けたい場所に1㎡あたり約100gの苦土石灰をまいて耕しておきましょう。植え付け直前になったら、30~40cmほどの深さまで土を掘り起こします。掘り起こした土に、1㎡あたり約10Lの腐葉土と1㎡あたり約100gの緩効性化成肥料を混ぜ込んだら完成です。

植え付け方

鉢植えの場合

植木鉢の底に鉢底ネットを敷き、植木鉢の上から球根2~3個分の深さまで土を入れます。球根の上下を間違わないように置いたら、さらに上から土をかぶせます。球根1個~1.5個分の深さに球根が収まるように土の量を調整してください。植え付け終わったら、軽く土表面をならしましょう。

ボタニ子

ボタニ子

先端がとがっているほうが上ね!

地植えの場合

30cm~40cm掘り返した場所に球根を置きましょう。何個か一緒に植える場合は、株間を球根2個分空けてください。カノコユリは耐寒性に優れており冬の寒さの影響を受けにくいですが、真夏の加湿状態は苦手です。地植えの場合は特に高温多湿状態を避けるのが難しいため、なるべく深く植えることをおすすめします。

ボタ爺

ボタ爺

次は、カノコユリの日常管理について紹介するぞ!

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カノコユリの育て方【日常管理】

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