オルラヤ(オルレア)とは?
オルラヤの基本情報
科名属名 | セリ科オルレア属 |
原産地 | ヨーロッパ |
分類 | 多年(宿根)草、耐寒性、草本 |
樹高 | 草丈(50㎝前後) |
繊細さを感じさせるオルラヤは、見た目に反して丈夫です。草丈が高めで、すらりとした立ち姿が花の可憐さをより一層引き立てています。害虫が付きにくく手入れもしやすいため、初心者の方にも育てやすい種類です。育てやすさとかわいらしい姿から、近年人気が急増傾向で、切り花としても注目を集めています。庭植えはもちろん、鉢やプランターで育てることも可能です。
オルラヤは寒さに強い
オルラヤは、冬の寒さに非常に強い種類のお花です。霜が降りても葉が枯れにくく、庭に植えっぱなしにしていても、暖かくなると徐々につぼむを作って花を咲かせていきます。しかし、寒さに強い反面暑さには弱いため、夏になると枯れていくことがほとんどです。
オルラヤの種類
オルラヤには、ホワイトレースとグランディフローラという二つの種類があります。ここでは、ホワイトレースとグランディフローラの違いについてご紹介します。また、オルレアとよく似たホワイトレースフラワーについても、違いを把握しておきましょう。それぞれのお花の特徴を捉えて、栽培にチャレンジしてください。
ホワイトレース
オルラヤ・ホワイトレースは、オルラヤ・グランディフローラを園芸用に品種改良した種類です。小さな花の周りに円を描くように大きな花が取り囲み、円形のレースのようなかわいらしい花を咲かせます。グランディフローラを改良したものではありますが、花弁や草丈が大きく変化しているというわけではありません。
グランディフローラ
オルラヤ・グランディフローラは、ホワイトレースの原種です。グランディフローラは、もともとは地中海地方に自生していて、乾燥した草地を好む傾向があります。オリーブやブドウなどの畑でたくさん見かけるお花でしたが、徐々に減少し始めて近年では絶滅の状態に近くなってしまっているようです。
オルラヤによく似た花
オルラヤによく似た花として、ホワイトレースフラワーが挙げられます。基本情報は以下の通りです。
ホワイトレースフラワーの基本情報
科名属名 | セリ科 / ドクゼリモドキ属 |
原産地 | 地中海沿岸地方~西アジア |
分類 | 草花 |
草丈 | 50~200cm |
オルラヤとホワイトレースフラワーは、一見よく似ている姿かたちをしています。双方ともに花の形やかわいらしい雰囲気など、非常によく似ている点も多く見られます。しかし、草丈はホワイトレースフラワーの方が高く、同じセリ科であっても全く別の種類のお花です。オルラヤよりもホワイトレースフラワーの方が開花時期が長く、育てる難易度も若干高めといえます。
オスラヤの上手な育て方
庭の一角にオルラヤを植えるのであれば、きれいに花開いてほしいものでしょう。ガーデニング初心者の方でも、育て方をしっかりと確認すれば、きれいなオルラヤのお花を咲かせられます。ここでは、種からの育て方と苗からの育て方のポイントをご紹介します。ポイントを押さえて、楽しくオルレアを育てましょう。
種から育てる場合
種からオルラヤを育てる場合、直接庭の土に植えても発芽させることが可能です。発芽率は特に高くありませんが、低いわけでもありません。いきなり庭に種を植えるのは不安であれば、ポットに種をまいて育て、本葉は数枚出てきてから庭に移植しましょう。育ち始めれば、手間を取らずにすくすくと成長します。庭に咲いているオルラヤから、種を取ることも可能です。種は触るとチクチクイガイガしています。
準備するものと種まきの時期
オルレアは、比較的背が高くなりやすい植物です。肥料を与えすぎるとぐんぐん成長し、背が高くなる傾向があります。大きく育つのは悪いことではありませんが、背が高くなると倒れやすくなってしまうのため、支柱と茎を縛る紐を購入しておくと安心です。種まきは、9月~10月の22~24℃くらいの温度の時期がおすすめです。種まき後、約10日前後で発芽します。目安のため、気温の状態によって若干変化します。
発芽時の様子と肥料や水の与え方
発芽時の葉っぱの形状は、比較的細くてピョコンとした印象です。病気などにも強い種類ですが、湿気に弱いため水の与えすぎに注意しましょう。本葉はニンジンの葉っぱによく似ています。お庭に植えた場合、自然に降る雨で成長しますが、何日も雨が降っていない期間が長い場合は水やりをしましょう。過度な乾燥や加湿はオルレアの天敵です。肥料に関しては、元肥を仕込んでいれば追肥は特に必要ありません。
こぼれ種からも発芽
水はけがよく太陽光がたっぷりと降り注ぐ好条件がそろっている場合、種を取るときにこぼれて地面に落ちた「こぼれ種」からも発芽します。植えていないはずの場所からオルラヤが育っているというときは、こぼれ種が成長したものと思ってよいでしょう。病気や害虫にも強く発芽して定着すれば育っていくため、生態系に影響を及ぼさないためにも、種を持ち運ぶ場合は敷地外に落とさないように注意しましょう。
苗から育てる場合
オルラヤの苗を購入して育てる場合は、育てる環境を整えてから苗を迎え入れましょう。ポットに入っているからといって、育てる環境が整っていない状態で苗を購入してしまうのは危険です。気がついたときには苗が枯れてしまっているということもあります。苗から育てるのであれば、十分な広さや良質な土も揃えやすいでしょう。育てる数が決まっているからこそ、環境整備をしっかりと行ってください。
苗の取り扱いで注意すべき点
苗からオルラヤを育てる場合、お庭や鉢植えなどに移植するときに特に注意が必要です。オルラヤは根が傷つくことが苦手な種類のため、以下の点に注意しましょう。
- ポットからオルラヤを取り出すとき
- 手に取ったオルラヤの苗についている土をほぐすとき
- 移植場所の土に植えるとき
ほんのわずかな傷であれば持ち直せますが、根を大きく傷つけてしまったら枯れてしまうかもしれません。移植の際は細心の注意を払って、手で優しく取り扱いましょう。
種から育てた場合と苗から育てた場合の違い
種からオルラヤを育てたときと、苗からオルラヤを育てたとき、育成状態は大きく変わらないことがほとんどです。水はけがよく日の当たる場所に種まきや植え付けを行うことで、オルレアは自らの力で育っていきます。追肥に関しても、双方ともに特に行う必要はありません。
肥料の与えすぎに注意
もし追肥を考えているのであれば、少量与えましょう。肥料が多すぎると葉ばかりが茂り、花ができにくくなってしまいます。花ができにくくなると、種も少なくなってしまうでしょう。オルレアの花を楽しむのであれば、極力追肥はしないことをおすすめします。
育てるうえでの注意点
オルラヤは育てやすいお花ですが、冬を越すときに本当に枯れてしまわないかと不安を感じる方もいるのではないでしょうか?冬もお庭でオルレアを育てることが不安な場合は、どのようにすべきかご紹介します。上手に冬を越して、たくさんオルラヤの花を咲かせましょう!
オルラヤの越冬方法
オルラヤは、基本的に特別な冬支度をする必要はありません。ある程度成長していれば、霜が降りても枯れることはないため、過度に心配しなくても大丈夫です。しかし、種まきの時期が少しずれたり、寒さの到来が早かったりして発芽から間もない状態であれば、鉢植えなどに移動させて霜の下りない場所で育ててあげる方法も一案です。どうしても枯らしたくない場合は、時季を見て鉢植えなどにオルレアを移動させて、室内に移しましょう。
まとめ
オルレアは初心者の方でも育てやすく、病気や害虫にも強い可憐なお花です。ガーデニング初心者の方はもちろん、お子さんとの園芸にもぴったりの種類といえます。水やりの手間もあまりかかりませんが、乾燥のし過ぎには気を付けましょう。肥料の与えすぎには、要注意です。かわいらしい花を咲かせて、切り花やフラワーアレンジメントなどにも活用しましょう。
出典:BOTANICA