フダンソウの栽培方法【栽培カレンダー】
フダンソウは在来種も西洋種も暑さに強いため、真冬を除いて通年栽培できます。種まきも植え付けも4月~10月の間であればいつでも構いませんが、生育適温が15℃~20℃なので、初心者の方は秋から育てるのがおすすめです。種まきから約30日~45日、植え付けからなら約20日~30日で収穫時期を迎えます。
フダンソウの簡単な栽培方法【準備~植え付け】
①準備
必要な道具
- フダンソウの種
- プランターや鉢植え
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 用土
フダンソウの種は、園芸店やネット通販で年中購入できます。苗も暖かくなった4月ごろから出回るため、種から育てるのが不安な方は苗を買って植え付けましょう。比較的大きく育つ野菜で、プランターであれば60cm以上の大型を、植木鉢であれば10号以上のものを選んでください。
【アイリスオーヤマ】ベジタブルプランター
アイリスオーヤマ プランター
参考価格: 639円
アイリスオーヤマのベジタブルプランターは、コンパクトで軽量なつくりが魅力の野菜栽培用プランターです。軽くて運びやすいため、土の入れ替え時や置き場所を変えたいときに運びやすいのも嬉しいポイントです。付属のスノコを使うと水はけがよくなり、通気性の確保や根腐れ防止に役立ちます。
サイズ | 長さ68cm×幅34cm×高さ26cm |
---|---|
容量 | 37L |
重さ | 1.12kg |
②土作り
フダンソウは酸性土壌を嫌い、水はけのよい用土を好みます。苦土石灰を用いて土をアルカリ性に傾けてから種まきや植え付けをしましょう。苦土石灰は土に馴染むのに時間がかかるため、種まきや植え付けをする2週間前までには土の準備を済ませてください。
プランターの場合
プランターで育てる場合は、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1の割合であわせ、用土10Lあたり約10gの化成肥料と苦土石灰を混ぜて準備してください。自作するのが大変な方は、市販の野菜用の培養土を使うのが簡単でおすすめです。
ボタニ子
ほとんどの市販の培養土には肥料が入っているから、新たに元肥を足す必要はないよ!パッケージをよく確認してね!
地植えの場合
地植えの場合は、まずは植え付けたいところの土を掘り起こし苦土石灰を混ぜて馴染ませます。次に、種まきや植え付けをする1週間前になったタイミングで、1㎡あたり2kgの堆肥と150gの化成肥料を混ぜ込んで完了です。
③種まき
フダンソウの種は形が独特で、1つの殻の中に数粒の種が入っているため、1カ所に植えるのは1粒だけで十分です。種の殻はとても硬く、吸水力を高めるためにも、種まきの1日前には水に浸しておくことをおすすめします。基本的には直まきで育てますが、もちろんポットまきしてから苗を植え付けても構いません。
ボタニ子
西洋種のフダンソウの種は、同じ袋にさまざまな色のものが混ざっているよ!西洋種ならではのカラフルな色合いを楽しんでね!
プランターの場合
プランターに種まきをするときは、小型プランターなら1列、大型プランターなら2列に筋まきします。3cmの間隔をとって小さな穴を開け、1粒ずつまいてください。1cmほど覆土して、土表面を軽く押さえつけて種を安定させましょう。
地植えの場合
地植えの場合は、はじめに畝を作ります。畝幅は60cm~90cm、高さは10cm~15cmを目安にしましょう。同じ畝に2列種まきしたい場合は、列の間隔を20cm空けて混みあうのを避けてください。畝ができたら3cmずつ間隔をとり、まきたい分だけ深さ1cmほどの穴を開け、1粒ずつまきましょう。軽く覆土して押さえたら完了です。
ボタ爺
種まき後は、上から優しくたっぷりと水をかけるんじゃ。強くかけると種が流れるから気をつけるんじゃよ!
④間引き
タイミング
フダンソウを大きく育てるには、間引き作業が欠かせません。在来種の場合は、本葉が2~3枚出た時点で1回目、4~5枚出た時点で2回目の間引きしましょう。スイスチャードなどの西洋種は、本葉が2~3枚の時点では茎の色がまだわかりません。いろいろな色のフダンソウを収穫したいなら、本葉が4~5枚になって色がわかるまで間引きは待ちましょう。
やり方
フダンソウは密集して生える場合があり、間違えて元気な株を抜いてしまわないためにも、間引きの際は引っこ抜かずにハサミでカットしましょう。本葉が2~3枚の時点で間引く際は、元気なものを残しつつ、株間が5~6cm空くように調整してください。本葉が4~5枚になったら、株間が15cmになるように整えながら間引きしましょう。
⑤植え付け
苗を購入した方やポットまきで苗を育てた場合は、本葉が4~5枚出たタイミングで植え付けしましょう。プランターでも地植えでもやり方は同じです。苗よりも一回り大きめの穴を掘ります。根鉢を崩さないようにポットから苗を取り出したら掘った穴にそっと苗を置き、土をかけて固定してください。株間は15cm~20cm空けましょう。
フダンソウの簡単な栽培方法【管理方法】
①置き場所
フダンソウは日光を大変好むことから、日当たりのよい場所で管理しましょう。特に種まき後に日照不足を起こすと、ヒョロヒョロと元気のない芽が出てしまうため気をつけてください。生育適温は15℃~20℃と低めではありますが、暑さに強く、真夏でも問題なく育ちます。ただし、多湿状態は苦手のため、通気性の確保に努めましょう。
②水やり
フダンソウは乾燥に強くジメジメを嫌います。種まきから発芽までは1日1回たっぷりと水やりが必要ですが、芽が出てからは根腐れ防止のためにも、土表面が乾いたタイミングで水を与えましょう。地植えの場合は、発芽後の水やりは基本的に必要ありません。晴天続きで乾燥がひどいときにのみ、水やりしてください。
③追肥
フダンソウは元肥を施しておけば、基本的には追肥の必要はありません。「葉っぱの色が悪い」「成長が遅い」など気になる症状が見られたときにのみ、化成肥料を追肥として与えてください。ひとつの株で長く収穫を楽しみたい場合は、収穫開始時から追肥するのもおすすめです。2週間に1回化成肥料を与えるか、7日~10日に1回液体肥料を施しましょう。
④病気対策
フダンソウがかかりやすい病気は、ベト病や立ち枯れ病です。いずれも土の中のカビ菌が原因です。発病部はすぐに切り取り焼却処分しましょう。「清潔な土壌を使う」「通気性をよくする」「泥はね防止にマルチングする」などで予防できますが、広範囲に症状がみられるときは薬剤散布がおすすめです。
【住友化学園芸】STダコニール1000
住友化学園芸 殺菌剤 STダコニール1000
参考価格: 777円
STダコニール1000は、野菜や果樹などさまざまな植物に起こるカビが原因の病気に対して、大きな効果を発揮する総合殺菌剤です。耐雨性に優れ、残効性があるのも魅力です。軽量容器付きなので量るのも簡単で、有効成分が微粒子なため植物に均一に付着し、高い防除効果が期待できます。
容量 | 30mL |
---|---|
有効成分 | テトラクロロインソフタロニトリル |
適用病気 | ベト病、灰色カビ病、黒葉枯病など |
⑤害虫対策
フダンソウは、ほかの野菜に比べて害虫がつきにくいですが、強いて挙げるならアブラムシやハダニ、ヨトウムシに気をつけましょう。いずれも吸汁被害や食害を受けるので、見つけ次第すぐに捕殺してください。特にヨトウムシは一度に何百という数の卵を産み付け増え続けます。気になる人はあらかじめ防虫ネットをするか、薬剤散布がおすすめです。
【住友化学園芸】STゼンターリ顆粒水和剤
住友化学園芸 殺虫剤 STゼンターリ顆粒水和剤
参考価格: 999円
STゼンターリ顆粒水和剤は、野菜や果樹、芋類、豆類などに収穫前日まで使える殺虫剤です。天然成分由来で環境への影響も少なく、オーガニック栽培にも使えます。害虫除去には少し時間がかかりますが、食害被害は素早く止まるため、被害拡大を防げます。
内容量 | 20g |
---|---|
有効成分 | バチルスチューリンゲンシス菌の生芽胞及び産生結晶毒素 |
適応害虫 | アオムシ、コナガ、ヨトウムシなど |
ボタニ子
次は、フダンソウの収穫について説明するよ!
出典:写真AC