とろろの効果・効能
効果・効能①疲労回復や滋養強壮
だるくて疲れやすい、やる気が出ないといった症状があるなら、薬効豊富なとろろを食べるのかおすすめです。山芋には漢方で「気」と呼ばれるエネルギーを補う働きがあり、六味丸(ろくみがん)、八味地黄丸(はちみぢおうがん)などの漢方薬に使われています。また山芋には、マンナン、カリウム、各種ビタミンやパテントン酸、コリン、サポニン、ムチン、ミネラルやアミノ酸など、元気を作る栄養がたっぷり含まれています。
効果・効能②アンチエイジング
山芋は、アンチエイジングに効果のある食材です。山芋は漢方で「山薬(さんやく)」と呼ばれ、「下焦の虚(げしょうのきょ)」を補うことが可能です。下焦の虚は老化を指し、山薬が老化の予防効果を期待して用いられます。山芋には、抗酸化作用のあるサポニン、動脈硬化や高血圧を予防するコリン、若返りホルモンと呼ばれるジオスゲニンなども含まれています。若さを保つ食材選びに、山芋がおすすめですよ。
効果・効能③免疫力向上
身体の免疫システムは、体を病気から守るのに役立っています。山芋には、リンパ球、T細胞、B細胞などの、免疫細胞を増やす働きがあり、免疫効果を高める効能が期待できるでしょう。また、ジオスゲニンには、認知力を向上させる働きもあるといわれ、脳を若々しく保つとされます。病気に負けない強い身体作りにぜひ山芋を役立てたいですね。
効果・効能④美肌とデトックス
山芋の「ムチン」は皮ふや粘膜の健康を保つ働きがあり、美肌効果を期待できます。また、排泄と解毒も美肌作りのカギですが、山芋にはデトックスを促す食物繊維が多く含まれています。山芋はビタミンも豊富で、ビタミンBによりたんぱく質や脂肪、糖類の代謝がスムーズになり、ビタミンEやビタミンCが美肌に効果的です。とろろは健康的なダイエットや美容の強い味方になってくれますね。
効果的なとろろの食べ方
すりおろしただけでも、とろろはおいしい健康食材です。シンプルなとろろご飯や、とろろに卵を割り入れる食べ方は、食欲のないときでもさらさらと食べられますね。おろし金でなくすり鉢を使うと、よりなめらかなとろろができあがります。山芋をすり鉢に軽く当てて、回すようにすりおろし、最後はすりこぎで仕上げるのがポイントです。さらに食材をプラスし食べ合わせを工夫すると、おいしく栄養抜群の一品になりますよ。
ボタニ子
おろし金やすりおろし器は、できるだけ目の細かいものを使うのがおすすめよ。ふわっとした口当たりのよいとろろができるわ。
ボタ爺
なめらかにすりおろすとろろもいいが、皮をむいたとろろをポリ袋に入れ、麺棒などで上から叩く方法もおすすめじゃ。
ボタニ子
なめらかな部分とシャキシャキした部分が混ざって、面白い食感のとろろになりそうね。ほかの食材ともからみやすくなるわね。
食べ方①梅干しとあわせる
とろろに含まれる栄養素のひとつ「ジアスターゼ」は、胃の健康を促進する消化酵素です。とろろと一緒に摂取して、さらに消化の働きを高めるおすすめ食材が梅干しです。梅干しには不足しがちな体液を増やす効能があり、また梅干しに含まれるクエン酸が胃を殺菌します。とろろと梅干しを一緒に食べると胃は活性化し、胃の老化防止を期待できますよ。
食べ方②納豆とあわせる
とろろにプラスするおすすめ食材のひとつは納豆です。納豆は非常に栄養価が高く、アミノ酸やたんぱく質、代謝を促進するビタミンB群も豊富なスタミナ食品です。血栓を予防する納豆キナーゼや食物繊維なども含まれています。たんぱく質分解酵素「ムチン」の含まれるとろろと、たんぱく質豊富な納豆を一緒に摂ることで、栄養素を効率よく摂取できます。
ボタニ子
とろろ納豆に、卵、ネギ、かつお節などを好みで入れるとさらにおいしくいろいろな栄養素が摂れるわ。
食べ方③マグロとあわせる
夏バテ防止におすすめなのが、とろろとマグロの食べ合わせです。ヘルシーなとろろに良質な動物性たんぱく質を補った、栄養満点のメニューです。マグロにとろろをあわせた「山かけ」は、どちらも滋養強壮や疲労回復に効果のある食材で、生で多くの栄養素を摂れますよ。
ボタニ子
お刺身にあう醤油や、わさび醤油を用意すると、よりおいしくいただけるわね。
とろろは日持ちするの?冷凍はできる?
すりおろしたとろろは日持ちしません。冷蔵保存で2日以内に消費しましょう。冷凍するなら栄養もおいしさも変わらず、約1カ月保存可能です。とろろはすりおろして時間が経つと変色するため、すぐに保存用のビニール袋などに入れ、平たくして冷凍します。とろろは加熱しすぎると固まり、栄養素が変わってしまいます。解凍は冷蔵庫でゆっくり自然解凍しましょう。
とろろでかゆくなるのはなぜ?
山芋をすりおろすとき、手にかゆみを感じたり、食べると口の周りがかゆくなったりする場合があります。山芋の皮の辺りに多い「シュウ酸カルシウム」という成分のためです。シュウ酸カルシウムの結晶は、トゲが束になった形状で、すりおろすことで束が解け皮ふを刺激します。シュウ酸カルシウムは酸や熱に弱いため、かゆい部分に酢をつけたり、40℃前後のお湯で洗い流したりするとかゆみは消えます。
ボタニ子
かゆみ以外に胃の痛みや蕁麻疹の症状があるときは、アレルギーの可能性もあるわ。すぐ病院に行きましょう。
とろろの栄養で元気になろう
山芋を生で食べる「とろろ」で、豊富な栄養素をダイレクトに摂取できます。山芋は、病気の予防、夏バテ防止、アンチエイジング、美肌作り、ダイエット、疲労回復など期待できる効能が盛りだくさんです。スーパーフードとして大注目の山芋をぜひ活用しましょう。
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出典:写真AC