ポタジェガーデンのコツやアイデア
従来の野菜作りでは、畑に畝を作る場合がほとんどです。盛り上げた土部分は水はけがよくなり、植えつけに必要な土の深さを確保できるなどのメリットがありますが、これらの問題をクリアしているのならば畝を作る必要は必ずしもありません。ポタジェガーデンでは、基本的に畝を作らずに区画を決めて栽培環境を整えます。おしゃれな雰囲気を保ったまま、野菜や花を育てられます。
コツ・アイデア①栽培区画を取り分ける
ポタジェガーデンを実現させるのに欠かせないのは、植物を植えるテリトリーと、道や作業をするスペースを、きっちり区切ることです。この境目が曖昧だと、雑然とした畑のような外観になるうえ、野菜や花の手入れもしにくくなります。野菜や花は、地植えでもコンテナ植えでも、四角形や円形などのスペースにおさめ区画整理して栽培するのがおすすめです。
連作障害を回避しやすい
区画整理して野菜や花を育てるポタジェガーデンでは、連作障害の問題を避けやすくなるメリットもあります。連作障害は、同じ科の野菜を同じ土壌で続けて育てることで起こる問題です。栽培区画に、毎年各ブロックの野菜をローテーションして植えつけると連作障害は起こりにくくなります。また、ブロック分けしていると、土の入れ替えや土壌改良もスムーズです。
コツ・アイデア②花壇を活用する
家にすでに花壇があるのならば、そこを活用しない手はありません。春の一年草を抜いたあたりに、夏野菜の苗とお好みの花苗やハーブを植えてポタジェガーデンにチェンジするのがおすすめです。春の花で色とりどりだった花壇を、ハーブや野菜や夏の花が混在する菜園スタイルに切り替えて楽しみましょう。
ブロックやレンガで花壇作り
レンガやブロックを使い、栽培区画をデザインできます。可能な限り日当たりと水はけのよいところを選びましょう。花壇を大きくしすぎたり、花壇周りに道を作らなかったりすると、植えつけも植物の世話も難しくなります。
レイズドベッドを取り入れてみよう
レイズドベッドは花壇の一種です。木製のものが多く、好きな場所に設置できて便利です。設置後は土を入れる前に軽石などを敷き、排水をよくします。レイズドベッドは高さもさまざまですが、地面より高い場所に野菜や花苗を植えつけるため、管理や世話がしやすくなります。一気にポタジェガーデンらしくなる、おすすめのアイテムです。
コツ・アイデア③コンテナやプランターを活用する
寄せ植えのコツ
ベランダや、庭の限られたスペースでも、寄せ植えによりポタジェガーデンを楽しめます。ハーブや野菜や花の寄せ植えは、各植物の生育の特徴や混植の相性を確かめると安心です。また、野菜や果樹は花苗よりも大きく成長するため、土の量や深さも必要になります。花と野菜を混植する場合も、野菜に合わせた大きく深いコンテナや植木鉢を準備しましょう。
寄せ鉢のコツ
寄せ植えに対し寄せ鉢は、ベランダや玄関先でよりお手軽にポタジェガーデンを楽しめる方法です。すべて野菜とハーブのベランダは少し寂しく感じるかもしれませんね。野菜や花をそれぞれ鉢植えにして、バランスよく寄せて配置します。狭いスペースに鉢やプランターがひしめき合うと雑然としがちです。花やカラーリーフで色味を足すときは色数を抑えるなら、狭いスペースに複数の植物が混在してもすっきりとおしゃれに見えますよ。
高低差をつける
鉢やプランターの置き方に高低差をつけると、ベランダに小さな菜園のような景色をつくり出せます。台や椅子、レンガの上にハーブの鉢を置いて高さを出したり、オベリスクを使って野菜を育てたりして、変化に富んだ栽培を楽しみましょう。
ベリー類やパッションフルーツなどの果樹を大きめの鉢やプランターで育てても、景色に高低差をつけられます。ベランダに活気が生まれておすすめです。まるで小さなシンボルツリーのようにベランダの中心的存在になるうえ、開花や結実も楽しめますよ。
ベランダの高温に注意する
ベランダに鉢やプランターを置く場合、反射熱で高温になりやすいため対策が必要です。テラコッタや素焼き、木製の鉢は見た目がおしゃれなだけでなく、吸水性、排水性、通気性に優れ、高温になりがちなベランダで野菜や花を守ってくれます。また、熱いコンクリートの床に植物を直置きせずすのこなどを敷いたり、ガーデニング用の椅子や棚に鉢を置いたりするのもよい方法です。
ハンギングする
フックを使ってベランダの壁面やラティスにハンギングをかけると、植物を高温の床から守れるうえに、スペースも有効活用できます。根の浅いタイプのハーブなど、土が少なくてすみ通気性を好む植物の栽培には特に適しています。また、床にかがみこむより植物の世話もしやすく、掃除も簡単です。ハンギングは土が乾燥しやすくなるため、こまめな水やりや土の表面をマルチングするなどの対策が必要かもしれません。
通路や、草花や野菜を世話するスペースは必ず確保しましょう。出典:筆者撮影