イチジクの概要
イチジクはアラビア半島南部原産のクワ科植物で、亜熱帯地方に属する果樹です。果樹のなかでも生育がはやく初心者でも育てやすいため、庭木としている家庭も多いです。夏が旬の甘い果物で、生食はもちろん、加熱して料理に用いたり乾燥させてドライフルーツにしたりといろいろな用途で使えます。
基本情報
学名 | Ficus carica |
英名 | Fig tree |
科・属 | クワ科・イチジク属 |
形態 | 高木性落葉樹 |
原産国 | アラビア半島南部 |
イチジクの特徴
特徴①鉢植えでも栽培が簡単
イチジクは鉢植えで育てやすく、マンションのベランダでも栽培できます。通常の果物であれば、実をつけるのに違う樹の花粉が必要なため、2本以上育てる場合も少なくありません。しかし、イチジクは1本だけで実をつけます。そのため、イチジクは鉢植えで育ててもコンパクトなスペースですみます。
特徴②虫が寄り付きにくい
果樹栽培にはダニやコナジラミなど小さな虫が飛び交うことがよくあります。イチジクは比較的害虫に強く、ほかの果物栽培に比べると虫が少ないのもうれしいポイントです。虫が苦手な人でも家庭で果樹収穫を楽しめます。
特徴③すぐ収穫できる
イチジクは苗木を植えた翌年に実をつけるほど生育が早いため、初心者でも育てやすい果樹といわれています。イチジクを植えたあとは、春に枝の先端や節々から芽がふきだし葉を次々と成長させます。この葉の付け根にイチジクの実になる花芽(はなめ)がついており、枝が伸びるたびにどんどん実をつけます。
特徴④早く熟す
イチジクの名前の由来には諸説ありますが、1日に1つ果実が熟すことが由来といわれています。由来のとおり実が急な早さで熟していくため、1日収穫がずれるだけで甘さや食感が異なります。鮮度が落ちやすい理由から、スーパーで販売されるイチジクは熟す前だったり味より保存性が高い種類だったりすることが多いです。
ボタニ子
ボタ爺
高い糖度の珍しい種類は保存がきかないから市場流通はしておらんのじゃよ。でも庭先栽培であれば簡単に生食できるぞい!
イチジクの品種タイプ
イチジクの苗木を選ぶ前に大まかな品種タイプをおさえておきましょう。イチジクには大きく4つの種類がありますが、このうち2つは日本に生息していない昆虫が受粉に必要であり、栽培しても結実しません。残りの2つは普通種とサンペドロ種という種類で、それぞれイチジクの収穫期間が異なります。
普通種(コモン種)
普通種(コモン種)は夏から秋にかけてイチジクが収穫できる種類で、収穫できる時期から夏秋果兼用種とも呼ばれています。普通種の中には秋にのみ収穫できる秋果専用種と呼ばれる種類も含まれますが、通販では夏秋果兼用種との混同も多いため、この記事では普通種を夏秋果兼用種として解説します。
サンペドロ種
サンペドロ種は夏にのみ収穫できるため夏果専用種と呼ばれています。サンペドロ種は、夏は受粉なしに結実できますが、秋の結実には受粉が必要な品種です。日本にはイチジクを受粉させる昆虫が存在しないため、夏にしか収穫できない珍しい品種です。
イチジクの品種タイプ
- 普通種:夏秋果兼用種と呼ばれて8月~11月ごろと長い期間収穫できる品種
- サンペドロ種:夏果専用種と呼ばれて6月と早い時期から収穫できる品種
ボタ爺
残りの2つの品種タイプはカプリ種とスミルナ種と呼ぶぞ。
ボタニ子
いずれも受粉が必要なため海外でしか栽培されてないの。中にタネがあるのが特徴のイチジクだよ。
家で栽培してるなら、店で買うよりも甘い段階まで熟したものが食べられるわけね。日々1つずつ熟していくし、毎日甘い実が収穫できるね。