キツネノボタン(狐の牡丹)とは?植物としての特徴や開花時期をご紹介!

キツネノボタン(狐の牡丹)とは?植物としての特徴や開花時期をご紹介!

キツネノボタン(狐の牡丹)という植物をご存じですか?名前がわからなくても、田んぼのあぜ道や湿った草地に咲く黄色い小さな花をみたことがあるかもしれませんね。愛らしい花の咲く時期や特徴、キツネノボタンという風変わりな名前の由来などをご紹介します。

記事の目次

  1. 1.キツネノボタンの特徴
  2. 2.キツネノボタンの名の由来
  3. 3.キツネノボタンの仲間
  4. 4.キツネノボタンの花言葉
  5. 5.キツネノボタンを楽しもう!

キツネノボタンの仲間

ケキツネノボタン

名前 ケキツネノボタン(毛狐の牡丹)
学名 Ranunculus cantoniensis
分類 キンポウゲ科キンポウゲ属
分布 中国南東部、台湾、日本、韓国
花期 3月~7月頃
  在来種、多年草

ケキツネノボタンは、中国から日本、韓国に生育するキツネノ牡丹の仲間です。学名のcantoniensisは中国の「広東地方の」という意味になります。花期はキツネノボタンとほぼ同じで、花びらはキツネノボタンにそっくりです。秋に茎が枯れ、冬を越します。

ケキツネノボタンの方が多毛

ケキツネノボタンは「毛狐の牡丹」と書き、茎や葉の裏が毛羽立っています。キツネノボタンのの違いは、毛深さです。茎や葉の裏の毛羽立ちが目立っていればケキツネノボタンです。ですが、毛のあるキツネノボタンもあり、個体差もあって毛で見分けにくいこともあります。

葉っぱの形に違いがある

キツネノボタンとケツネノボタンの違いを見分けるには葉っぱに注目です。どちらも三出複葉ですが、細長い切れ込みになっている葉がケキツネノボタンで、広がりのある葉っぱがキツネノボタンです。

実が反らない

ケキツネノボタンとキツネボタンの違いは、集合果の痩果(そうか)の先に認められます。キツネノボタンのそう果の一つ一つが反り返るのに対し、ケキツネボタンのそう果は反りません。

ウマノアシガタ(キンポウゲ)

 出典:写真AC       

名前 ウマノアシガタ(キンポウゲ、金鳳花)
学名 Ranunculus japonicus
分類 キンポウゲ科キンポウゲ属
分布 中国、台湾、日本、韓国
花期 4月~6月頃
  在来種、多年草

ウマノアシガタは、キンポウゲのことです。中国から日本、韓国に分布し、日当たりのよい場所で育ちます。五弁のつやのある花びらですがきつねのぼたんより大きな花を咲かせます。学名のjaponicusが示すように、日本原産です。冬はロゼット状態の常緑で冬越しする宿根草です。

名前の由来は馬の足形と金色の鳳

ウマノアシガタの名の由来は、葉っぱが馬の足形に似ているからですが、馬より鳥の足に似ていることから、馬と鳥の字を間違えたのではないかという説まであります。金鳳花(キンポウゲ)の方は、黄色い花びらがキラキラ輝くのを金色の鳥に見立てた名前です。

ウマノアシガタとは?馬の足形?その特徴や名前の由来・花言葉をご紹介!のイメージ
ウマノアシガタとは?馬の足形?その特徴や名前の由来・花言葉をご紹介!
春に咲く黄色い小さい花の名前を気にしたことはないですか。その名前が「ウマノアシガタ」と知って興味が沸きますね。不思議な名前の「ウマノアシガタ」とはどのような特徴を持つのでしょう。本記事では「ウマノアシガタ」の特徴や開花時期をご紹介します。

ミヤマキンポウゲ

名前 ミヤマキンポウゲ、深山金鳳花
学名 Ranunculus acris var. nipponicus
分類 キンポウゲ科キンポウゲ属
分布 北海道から本州中部の高山
花期 7月~8月
  在来種、多年草

ミヤマキンポウゲもきつねのボタンの仲間です。深山金鳳花は、高山の湿り気のある草原に雪解け後に開花します。花びらは、キンポウゲよりやや大き目で、地下で根茎が広がって斜面に大群落をつくることもあります。冬の眠りから覚めた初夏の高山で、黄色い花びらを輝かせて群れ咲く宿根草です。

タガラシ

 出典:写真AC       

名前 タガラシ(田辛子、田枯らし)
学名 Ranunculus sceleratus
分類 キンポウゲ科キンポウゲ属
分布 日本
花期 3月~5月
  在来種、越年草

タガラシもキツネノボタンに良く似た花が咲く、キンポウゲ属の仲間です。日本のあちこちの水田や水たまりに生育します。集合果が長細いのが、キツネノボタンとの違いです。ロゼット状の葉で冬越しをする越年草です。

名前の由来は「辛い」「田を枯らす」

名の由来は、田を枯らしてしまうから付けられた説と、かじると辛いからそう呼ばれたという説があります。タガラシも、他のキツネノボタンの仲間同様に毒性がありますので、かじらないでくださいね。なお、学名のsceleratusには「辛い」の意味があります。

トゲミノキツネノボタン

名前 トゲミノキツネノボタン(棘実の狐の牡丹)
学名 Ranunculus muricatus
分類 キンポウゲ科キンポウゲ属
原産地 西アジア~ヨーロッパ東南部
花期 4月~6月
  帰化植物、越年草

トゲミノキツネノボタン(棘実のきつねのぼたん)も、キツネノボタンに似た直径1センチほどの花を咲かせます。五弁の花びらです。冬を越しますが、2年草扱いの越年草になります。在来種のキツネノボタンと違い帰化植物で、西日本に多く見られます。

名前の由来は集合果の棘

キツネノボタンやケキツネノボタンとの違いは集合果に見られる棘です。トゲミ(棘実)と名づけられたゆえんです。学名のmuricatusは「堅く尖っている」の意味があります。英名は、spinyfruit buttercupで、spinyfruitも「棘のある実」の意味です。上の写真の2ページ目(>印をクリック)に果実のアップがあります。

ラナンキュラス

 出典:写真AC       

名前 ラナンキュラス(ハナキンポウゲ、花金鳳花)
学名 Ranunculus asiaticus
分類 キンポウゲ科キンポウゲ属
原産地 西アジア~ヨーロッパ東南部
花期 4月~5月
  半耐寒性多年草(秋植え球根)、園芸品種

学名からわかるように、ラナンキュラスもキンポウゲ科キンポウゲ属で、きつねの牡丹の仲間です。ラナンキュラスの意味は「カエル」です。ハナキンポウゲ(花金鳳花)の園芸品種がラナンキュラスです。

名前の由来はカエルがいる湿地

園芸店で見ることの多い花ですが、この学名が付けられた通りカエルがいるような湿地に生育していました。トルコなど西アジアが原産地で、十字軍がヨーロッパ全土に持ち帰り育種が始まったと伝えられています。ラナンキュラスはキツネノボタンとは違い、球根植物になります。脚のような根のような形の球根です。

キツネノボタンの花言葉

「騙しうち」

ボタニ子

ボタニ子

だ、だましうちって…

キツネノボタンの花言葉としてよく知られているのは、「騙しうち」です。有毒成分が含まれているからだと思われます。こんな可愛い花に気の毒な言葉ではありますが、いつの時代も油断禁物です。この花を見るたびに詐欺などに騙されないように気をつけよう!と思えば、可愛い花が私たちに警告を促して守ってくれていることになりますね。有毒成分にも気をつけましょう。

ボタニ子

ボタニ子

そうだね。

キツネノボタンを楽しもう!

キツネノボタンは日本の風土になじんできた愛らしい植物です。野原や里山で眺めて愛でたり、シンプルな一輪挿しにしたり、押し花にすることもできます。有毒成分がありますので、触るときには手袋などで保護しておくことが大事です。毒性のことも日常的に教え合って、この草花を楽しんでいけたらいいですね。

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Sandy
ライター

Sandy

家庭菜園など庭いじりを楽しんでいます。樹木も好きで、様々な木を植えては剪定に追われています。素敵な写真をシェアしてくださる方々に感謝です。

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