アカツメクサは食用になる?
ハーブとして
アカツメクサはヨーロッパで古くからハーブ、薬草として親しまれてきました。消炎・去痰の作用があり、せき止めやうがい薬として使われてきたほか、月経不順など女性特有の症状にいいとされています。
サプリメントに
近年になって女性への効果が見直され、「赤クローバーエキス配合」と銘打ったサプリメントが続々発売されています。女性ホルモンと同じような働きをするイソフラボンやエストロゲンが含まれているため、月経不順や更年期の症状を抑えるといわれます。美容・アンチエイジング効果も期待できることから人気です。
食卓の彩りに
食用花として
パーティーの時など、食用花としてサラダに散らしてみるのはいかがでしょうか?加熱する場合は酢を入れたお湯で茹でると色が抜けにくく、あざやかな紫色が保てます。
葉や茎も食べられる!
花だけでなく、葉や茎も食用になります。おひたしやサラダにできるほか、スプラウト(カイワレ大根のように新芽を食べるもの)も最近の人気です。
妊婦や授乳中は要注意!
食用にする際、気をつけなくてはいけないのが副作用です。女性ホルモン様の作用があるため、妊娠中や授乳中には食べるのを避けたほうがいいでしょう。エサとして赤クローバーを食べ続けた家畜に不妊の傾向がみられたという報告もあります。
赤クローバー蜂蜜
クローバー蜂蜜は世界でもっともポピュラーな蜂蜜です。ただし、そのほとんどはシロツメクサの花から取れたもので、アカツメクサ由来の「赤クローバー蜂蜜」はなかなか貴重です。
赤クローバー蜜の特徴
淡色であっさりした白クローバー蜜に比べ、赤クローバー蜜は赤みがかった金色でコクがあり、花の香りも強いという特徴があります。
なぜ貴重なのか?
その理由はミツバチの大きさにあります。アカツメクサは花が大きいため、小柄なミツバチでは蜜源まで届かないことがあるからです。
特に小さいニホンミツバチではたくさん集めるのは難しく、大柄なセイヨウミツバチやマルハナバチがよく花を訪れています。赤クローバー蜂蜜のほとんどが外国産なのもうなずけますね。
牧草・緑肥としてのアカツメクサ
アカツメクサはもともと明治時代に牧草として輸入されたのがはじまりで、次第に野生化していきました。
アカツメクサが肥料になる?緑肥とは?
アカツメクサに限らず、マメ科の植物には荒れた土を豊かに改良するという特徴があり、農業の現場でつかわれています。
休耕地などで育てると、空気中のチッ素を取りこみ、根でチッ素肥料を作り出してくれます。それをそのまま土にすき込んでしまうことで、フカフカした有機質の土ができるのです。
アカツメクサの育て方は?
個人宅で育てる場合、種を購入するのがいいでしょう。牧草や緑肥用の大袋入りが主流ですが、少量でいいならスプラウト用のキットがおすすめです。
種まきの時期は?
秋に種まきをします。アカツメクサは開花するためには冬の寒さが必要です。低温を経験してはじめて開花の準備が整うのです。
冬も根は生きている
冬の間、地上部は枯れますが多年草なので根が生き残り、春に芽吹きます。寒さに強い反面、暑さには弱いので暖地では夏に枯死してしまうことがありますが、その場合もこぼれ種で繁殖する強さがあります。
育て方の注意点
アカツメクサは自分でチッ素肥料を作り出すという特徴があるため、肥料を多く与えるとかえって育ちにくくなってしまいます。ほとんど与えなくて大丈夫なくらいです。多湿に弱いので、水はけのよいところで育てましょう。
おすすめの育て方
グランドカバーに
芝生がわりのように広い範囲を埋めつくす方法です。庭が花畑のようになって素敵ですが、いくつか注意点があります。
- けっこう背が高く育つので、定期的に刈り込みをした方がいいこと。
- 繁殖力が強いので、やめたくなっても除去がむずかしいこと。
鉢植えに
地植えで繁殖しすぎるのを避けたいなら、鉢の中にとどめておくのもいいでしょう。大きめの鉢にまとまった量を群生させるときれいです。
家庭菜園で緑肥として
やせた土を改良するのにもアカツメクサが役立ちます。種をまき、しばらく花を楽しんだ後に全て土にすき込んでください。有機質の多い肥沃な土に近づけますし、連作障害の対策にもなります。
まとめ
野の草花としておなじみだったアカツメクサは、薬草や蜂蜜になるだけでなく、農業やはたまた荷物の緩衝材として昔から人間の役に立って来たんですね。今度見かけたら、四つ葉を探してみてはいかがでしょうか?
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