ラナンキュラスの育て方【日常管理】
栽培環境
鉢植えもプランターも地植えも、日当たりがよくて北風の当たらない場所が絶対条件です。冷たい風や霜に当たると葉が傷んでしまいます。最悪株自体がダメになってしまう恐れもあるため、冬の時期は寒さ対策が必要です。鉢植えなら、室内の日当たりのよい場所への移動をおすすめします。特に寒冷地での栽培なら、室内の明るい窓辺などで栽培するのがよいでしょう。
寒過ぎる場所はダメだけど、かといって冬場にずっと暖かい場所に置いても、株が間延びしてしまうんだ。だから、ある程度寒気で締めることも必要なんだよ。
初心者は室内栽培がおすすめ
園芸初心者や初めてラナンキュラスを育てる方の場合は、室内栽培がおすすめです。冬の寒さ対策もありますが、球根からの栽培は雨にも注意する必要があります。ずっと雨に当たっていると、球根が腐って枯れてしまう恐れがあるからです。また、開花時期に雨に当たると、花が傷んできれいに咲けません。そのためできるだけ雨に当てないことも必要なのです。
室内栽培の場合も、明るい窓辺など日当たりのよい場所を選んでくださいね。
用土
水はけがよくて有機質をたっぷり含んだ肥沃な土が、ラナンキュラスの好みです。自分で作る場合は、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:バーミキュライト2の配合で作りましょう。市販の土を使う場合は草花用の培養土でOKです。
球根の準備
球根で植え付けを行う場合、植え付け前の必須作業があります。それは球根の吸水処理です。鉢植え、プランター栽培、地植え、どの植え方にも共通している作業のため、必ず行いましょう。市販の球根、または掘り上げた後、しばらくの間貯蔵していた球根は、そのまま植え付けると急激に水を吸って腐ってしまいます。それを防ぐため、吸水処理をしておくことが必要です。
球根の吸水処理作業
- 乾燥した球根を、湿らせたバーミキュライトやキッチンペーパーなどと一緒にラップでくるむ、もしくはビニール袋に入れて3日ほど置き、ゆっくりと吸水させていく
- 吸水中は日陰の涼しい場所に置いて管理する。ゆっくりと時間をかけて吸水させるのがポイント。このとき、球根が黒く腐ってしまったら廃棄する。吸水処理が終わったら、植え付け作業に入る
ラナンキュラスの球根を植え付けるときは、尖っているほうを下にして植え付けてくださいね。
植え付け・植え替え
ラナンキュラスの植え付けの適期は10~12月です。特に10月頃が最も適しています。
鉢植えの植え付け
鉢への植え方を紹介しましょう。まずは5号(直径15cm)鉢と土、十分に吸水させた球根を用意します。植え付ける球根の数は、5号鉢1つにつき、3~5球ほどが目安ですよ。
- 鉢底に鉢底ネットと鉢底石を敷き、土を鉢に入れていく
- 球根を植え付ける。球根は尖っているほうを下にする。深さは球根の上に、土が2~3cmかかるくらいでOK。このとき、土の表面が鉢の縁から2~3cm下になるようにして、ウォータースペースを取っておく
- 水やりをして土を落ち着かせたら作業完了
ウォータースペースは、水やりの際に鉢から水があふれ出ないようにするためのものだよ。これをしないと鉢底まで水が行き渡らないから、必ず確保しようね。
地植えの植え付け
地植えの植え方の紹介です。まずは日当たりがよい場所を確保します。土壌改良はラナンキュラスを植え付ける2週間前から行いましょう。ラナンキュラスは水はけのよい、弱酸性から弱アルカリ性の土を好みます。使う土に酸性土を中和する苦土石灰と、堆肥あるいは緩効性化成肥料を混ぜ込んで寝かせておきます。
- 15~20cmの間隔で植え穴を掘る。穴の深さは、球根が地表から2~3cmくらいの位置に埋まる程度が目安
- 各穴に球根を1つずつ植えていく。植え終わったら、土が乾燥しない程度に水やりをする。品種名や植え付け日を書いたラベルを挿しておくとわかりやすい
苗を植え付ける場合は、根を傷めないように根鉢を崩さずに植え付けてくださいね。次のページでさらに詳しい育て方を見ていきましょう。
水やり
鉢植えも地植えも、土の表面が乾いたら水やりするのが基本です。ラナンキュラスは過湿を嫌います。土が湿ったままだと根腐れを起こしてしまうため注意しましょう。ラナンキュラスは夏が休眠期です。5月下旬に入り、葉が黄色くなってきたら水やりの頻度を減らします。すべての葉が黄色くなったら水やりを止めて、土を完全に乾かしましょう。
肥料
元肥の施し方は植え方によって少し違います。地植えの場合は植え付け前に土を耕し、堆肥や緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢植え・プランター栽培の場合は、鉢やプランターの下部に緩効性化成肥料を施します。追肥は地植えも鉢・プランターも、葉が増え始めたタイミングで、株元に緩効性化成肥料を置き肥すればOKです。
緩効性化成肥料はにおいもないから、室内栽培にもおすすめだよ。施肥するときは、ちゃんと用法・用量を守ってね。
開花時期は液肥も施す
ラナンキュラスは開花時期に最もエネルギーを消費します。芽が出て花が咲き終わるまでの間、薄めの液体肥料を10日から2週間に1回のペースで施しましょう。
花がら摘み
咲き終わったら早急に花がら摘み
花が咲き終わったら、できるだけ早く花がら摘みを行いましょう。花びらの縁が枯れ始めたときが、花がら摘みのタイミングです。また、花がら摘みの際は、葉の付け根部分、つまり次の花芽の手前で切ると、次の花が咲きやすくなりますよ。花がら摘みのついでに、枯れた葉や黄色くなった葉も取り除いておきましょう。日当たりも風通しもよくなり、病気の発生も防げます。
枯れた花びらや葉を放置していると、病気の原因になってしまいます。花がら摘みや枯れた葉の除去は迅速に、丁寧に行ってくださいね。
球根の掘り上げ
開花時期が終わり、葉が枯れてきたら6月頃に球根を掘り上げます。地植えの場合は晴天が続き、土が完全に乾いたときに掘り上げましょう。掘り上げた球根は葉や土をきれいに取り除き、日陰の風通しのよい場所で1週間ほど乾燥させます。その後はネット袋などに入れて、風通しのよい日陰で保存しましょう。
掘り上げた球根は完全に乾燥させないと、夏に腐ってしまうことがあるから気をつけてね。
病害虫対策
注意すべき病気:灰色カビ病
灰色カビ病は、多湿な環境で発生しやすい病気です。まずは風通しのよい環境を確保・維持しましょう。枯れた花や葉が原因になることがあるため、花が咲き終わったら、花がら摘みを早急に行ってくださいね。発生してしまった場合は、病気にかかった箇所を除去し、殺菌剤を散布しておきましょう。
注意すべき害虫:アブラムシ
春から秋の高温期に発生するアブラムシも厄介です。新芽や葉の栄養分を吸い取るだけでなく、ウイルス病の媒介になったり、排泄物がスス病の原因になったりするなど、病気の発生原因にもなります。発見次第、殺虫剤を散布して駆除しましょう。
ラナンキュラスの育て方【増やし方】
ここではラナンキュラスの増やし方をチェックしましょう。植物の増やし方には種まき・挿し木・挿し芽・株分け・接ぎ木・分球など、いろいろな方法があります。ラナンキュラスは、主に種まきと分球が用いられています。上手に増やして、大好きな花をたくさん咲かせましょうね。
種まき
ラナンキュラスの種は、開花時期から1~2カ月後に採取できます。種まきの適期は10月です。採取した種は乾燥させてから密閉容器に入れて、適期まで冷暗所で保存しておきましょう。種をまき終わったら、発芽まで2~3週間かかるため、それまで乾燥させないように管理します。
分球
分球は大きい球根を分割して増やす方法です。適期は5~6月で、掘り上げ後に行うと効率的ですよ。ラナンキュラスの芽は、球根の付け根にある白い短毛が生えている箇所から生えます。この部分を付けて球根を分割します。後はしっかり乾燥させて、植え付けの適期まで保存しておきましょう。
まとめ
よい意味の花言葉の多いラナンキュラスは、華やかで贈り物にも最適です。鉢植えにも向いており、室内栽培もできます。お部屋に飾って自分で楽しんだり、大切な人への贈り物にしたりするなど、いろいろな楽しみ方がありますよ。美しいラナンキュラスで、日常生活をより華やかに彩ってくださいね。
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出典:写真AC