魔玉の育て方①日当たりと水やり
適した環境
日当たりと風通しがよいところに置く
まずは置く場所ですが、魔玉は日光が大好きです。基本的には一年中雨が当たらず日当たりのよいところに置いてあげましょう。日光にあてる時間が足りないと徒長を起こし、ひょろっと貧弱な状態になってしまいます。常に風通しがよい場所を選ぶことも大切です。
土は水はけがよいものを選ぶ
魔玉を育てる土は市販の多肉植物用で問題ありません。ただ、蒸れに弱いため、より水はけが良いものが適していると言えます。鉢も通気性がよい素焼き鉢がおすすめです。肥料は特に必要ありません。
冬は屋内に置いたほうが安心
比較的寒さには強く、関東地方なら屋外でも冬を越せます。その場合は霜や雪がかからないよう気をつけます。心配であれば室内で5℃以上の日当たりのよい場所に移動して冬を越しましょう。
注意点
水やりの時間と間隔は季節によって変える
春 | 土が乾いたら3日~5日に1回程度 |
夏 | ほとんど与えず1か月に2回程度 |
秋 | 土が乾いたら10日に1回程度 |
冬 | 土が乾いたら5日~7日に1回程 |
基本的には気温が下がってきた夕方以降に水やりをしますが、寒い時期は気温が下がる前にあげるようにします。梅雨明けから夏場は蒸れで枯れる可能性が高くなるため、水やりは極限まで控えます。秋になり最低気温が20℃を下回るようになったら、また少しずつ水やりを始めましょう。
腐らせやすい夏は特に注意する
冬型で暑さに弱い魔玉にとって、夏の高い気温や湿度は腐る原因になりやすく、特に注意が必要です。育成の失敗談も夏が圧倒的に多いため、次の2つのポイントをおさえておきましょう。
- 30℃を超えるような日の午前中は直射日光に当てないようにする。
- 西日はすだれなどで遮光する。
魔玉の育て方②植え替え
植え替えの時期
10月~11月の植え替えが最適
株の成長が遅くなったり、鉢に対して大きくなりすぎた時には植え替えをする必要があります。頻度は1~3年に一回程度です。最適なのは生育期初期の10月~11月で、春や夏は植え替えに耐えられる十分な体力がないので避けましょう。
植え替えの注意点
根の切り口はしっかり乾かす
花が終わったら株を取り出し、やさしく土を落とします。根が黒くなっていたり弱っていたら、切れ味のよいハサミやカミソリで切りおとし、切り口が乾くまで乾燥させます。腐る原因となる菌の繁殖を抑えられるのでしっかり乾かしましょう。
植え替えてすぐの水やりは禁止
切った根が十分に乾いたら、新しく用意した土に植え替えます。植え替えの後すぐに水を与えると急な変化が負担になり、枯れる原因となります。新しい土に1週間ほどなじませてから水を与えるようにしましょう。
魔玉の育て方③増やし方
増やし方①株分けする
株分け時期は10月~12月
数が増えた株を根ごと切り離し、いくつかの苗に分けて増やす方法を株分けといいます。株分けに適した時期は10月~12月です。植え替えの時期とほぼ同じなので、同時にしてしまってもいいでしょう。カットした根が伸びてくるまではある程度時間がかかるので、早めに済ませておきます。
根元から株ごとに分ける
生長して密集した株を土から出すと、根元の分かれている部分が見えます。そこを割って株ごとに分けます。根はどちらの株にも残るようにしましょう。この時傷んでいる根があればカットしておきます。あとは日陰で切り口を乾かしてから鉢に植え替えて完了です。それぞれの株が生長すればまた株分けして増やすこともできます。
植え替えと同じで、新しい土に慣れてきた1週間後くらいから水やりを始めます。
増やし方②種から育てる
種の入手方法①ネット通販で購入する
種から増やすためにはまず種を入手しないといけません。おすすめなのは通販で購入する方法です。魔玉の種はネット上でもたくさん流通しているので、比較的簡単に手に入れることができます。
種の入手方法②交配させて果実から採集する
魔玉を交配させると花が咲いた後に果実をつけることがあります。その果実から種を直接採集する方法もありますが、まずは交配を成功させる必要があるため難易度は少し高めです。自力で採集した種から増やすことに興味があるなら下記の3ステップで種の採集に挑戦してみましょう。
- 花の後の果実が、熟し乾燥するまで待つ
- 乾燥したらコーヒーフィルターに入れ、水中で種をやさしくもみだす
- 種が底にたまったら水を切り、風通しの良いところに吊るして乾燥させる
ボタニ子
種は密閉容器に入れれば冷蔵庫で5年位は保存できるよ!
種は9月~10月頃にまく
種まきは9月~10月頃に行います。土は多肉植物用の土と、もしあればその上に種まき用の土をかぶせます。種を鉢に均等にまき、種が動いてしまわないよう、腰水で水を鉢の底から吸わせます。水が多すぎると腐ることもあるので、土全体にやや湿り気がある状態をキープしましょう。
芽が出たら乾燥に慣らしていく
種をまいて2週間ほど経ったら腰水をさらに減らしていきます。芽が出たら腰水もやめて乾燥に慣らしていきます。その後1年程は霧吹きで水やりを続け、市販の小さな苗くらいになった頃、鉢が小さいと感じるようであれば植え替えをします。
魔玉の育て方④こんな症状が出たら
二重脱皮は水のやりすぎが原因
脱皮の時期に水を与えすぎると二重で脱皮することがあります。これは脱皮中に新芽が古い葉だけでなく根からも水分を吸収することで起こりやすくなるようです。二重脱皮をすると株がひとまわり小さくなってしまうため脱皮中の水やりは控えましょう。
いつもと様子が違っていたら身割れのサインかも
多肉植物の葉に亀裂が入ることを身割れといいます。小さな傷を見つけたり、葉がパンパンだったら身割れを疑い水やりはやめましょう。反対に葉がしわしわの時でも、身割れする可能性があるため水やりは逆効果です。根が腐ることにつながり、枯れる原因になりかねません。
ボタニ子
枯れる前に不調に気づいてあげられるよう、ときどき様子を見てあげてね!
まとめ
魔玉の特徴や育て方をまとめてみましたが、いかがでしょうか?過酷な環境でも生き抜いてきた生命力に、見ているだけで元気をもらえそうですよね。水やりに気を付けて大切に育てたら、素敵な花を咲かせてくれるはずです。ぜひご家庭でも魔玉を育ててみませんか。
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出典:写真AC