ヒスイカズラの育て方②水やり
ヒスイカズラは乾燥に強くない植物といわれますが、水やりをし過ぎて常に土が湿ったままの状態だと、根腐れを起こし枯れてしまいます。そこでヒスイカズラの水やりのポイントを季節ごとにまとめました。
ヒスイカズラの春の水やり
春は、ヒスイカズラの生命力が最も発揮される季節です。この季節は日中の気温も高いですし空気も適度に乾燥しているので、土の表面が乾いていると感じたら朝に1回、たっぷりと水やりをするのがおすすめです。
ヒスイカズラの夏の水やり
夏は、水やりの調整が難しい季節です。梅雨の時期には湿度も高く雨量も多いので、ひんぱんに水やりをすると根腐れやカビの原因になります。ただし梅雨が明けると一気に気温が上がり土も乾燥してしまうので、この時期は朝・夕の2回を目安にしっかりと水やりをするのがおすすめです。
ヒスイカズラの秋の水やり
衣替えの季節になると、日中の気温が一気に下がってきます。また朝夕の温度差も大きくなる季節なので、水やりは土の表面の状態をよく見て行うようにします。乾燥している場合は朝に1回、土が湿る程度に水やりをします。ただし春のようにたっぷりと水やりをすると、土の温度を下げる原因になってしまうので注意しましょう。
ヒスイカズラの冬の水やり
冬の季節の水やりは「がまん」が大事です。毎日水やりをする必要もありませんので、水やりは土の表面の乾燥具合で判断します。ただし冬の場合は、乾燥していると感じてから2日ほど期間を空けて水やりをします。この2日をがまんすることで、土の温度が下がるのを避け、越冬できる強さが育っていきます。
ヒスイカズラの育て方③肥料
ヒスイカズラの花を咲かせるためには、栄養をたっぷり含んだ用土で育ててあげることが大事なポイントです。そこで肥料を入れるタイミングや気を付けるべきポイントをまとめてみました。
肥料を入れるタイミング
肥料を入れるタイミングは3つあります。まず植え付けの前の用土に肥料を入れます。肥料が土にまんべんなく混ざることで、根が張りやすくなり成長が早くなります。6月~8月も肥料を入れるのに適しています。この時期の気候は原産地の環境によく似ているため、ヒスイカズラが成長しやすく、肥料も1か月に1回のペースで入れます。それ以外の時期は2か月に1回を目安に肥料を入れます。ただし肥料の入れ過ぎも成長にはよくありませんから、苗や葉の状態を見て判断するようにしましょう。
ゆっくり効果がでる肥料がおすすめ
ヒスイカズラの肥料は、即効性のある肥料よりもゆっくりと効果が表れる肥料の方がおすすめです。また肥料を入れる際に根を傷つけてしまうことを避けるためにも、効果が長期間持続する肥料を選ぶとよいでしょう。
根を傷つけないように肥料用の穴を掘る
肥料を入れるために土に穴を掘るときには、根っこを傷つけないようにするようにしましょう。せっかく成長を促すために肥料を入れても、肝心の根っこが傷ついてしまうとヒスイカズラは枯れてしまいます。露地栽培の場合は枝から少し離れたところに穴を掘り、時間をかけて肥料の栄養分が土にいきわたるようにしましょう。
ヒスイカズラの育て方④剪定
剪定は、ヒスイカズラを育てるうえでとても重要な作業です。好きな形にアレンジするための剪定もありますが、ヒスイカズラの場合は「結実」「開花」「増やし方」の3つに選定が深く関係するため、育てるうえでは避けることができない重要な作業です。
剪定では茎の太さに注目
ヒスイカズラの花が咲くためには、太い茎であることが条件にあります。ヒスイカズラの花は小さな花が房のようにぶら下がって咲くため、成長したヒスイカズラの花だと全体の大きさが1mになることもあります。それだけ大きな花を咲かせるためには、土の栄養分を十分に吸い上げるだけの太い茎が必要になります。ただし茎を太くするためには栄養分を茎に集中させなければいけないので、適度に剪定を行う必要があります。
最初の3年~5年はこまめに剪定
生命力にあふれたヒスイカズラでも、植え付けたばかりの頃はなかなか成長しません。でも季節の変化に慣れ、根がしっかりと張り始めるとつるを伸ばし始めます。さらに生育に最も適した季節になると、わずかな間に背の高さが1mを超えることもあります。この時に剪定をしないままにすると、茎が育たず花が咲きにくくなります。ですからつぼみがつく季節を迎えるまでは、高さ1mをキープするように剪定するのがおすすめです。
増やすためにも選定は必要
受粉によって実から種子を採ることがとても難しいヒスイカズラでは、増やすことを目的に剪定をすることもあります。それは「挿し木」という方法なのですが、ヒスイカズラの増やし方としてはとてもポピュラーな方法なので、計画通りに増やすためにも剪定作業は欠かせません。
ヒスイカズラの育て方⑤増やし方
ヒスイカズラの増やし方には、3つの方法があります。それぞれの増やし方の特徴とポイントをタイプ別に解説します。
種子から増やす方法
ヒスイカズラの実から種子を取り出し、1つずつ鉢に植えます。鉢植えで育てるのが基本になりますが、温度の管理を注意すれば発芽します。ただし日本でヒスイカズラの種子を販売しているところはほとんどありませんし、ヒスイカズラを栽培している植物園でも、種子から育てることはほとんどありません。ですから種子から育てる方法は、ヒスイカズラの増やし方としてあまり一般的な方法ではありません。
苗から増やす方法
初心者の場合は、苗で増やすのが一番おすすめです。植物園でヒスイカズラを育てる場合も植え方の基本は苗ですし、販売されているものも苗がほとんどです。苗の植え方に特別な注意はありませんが、植えた後には陽が当たりやすい場所においてあげるようにすればうまく増やすことができます。
挿し木で増やす方法
ヒスイカズラの実から種子を採りだして増やす方法が難しい日本では、挿し木による増やし方が一般的です。初めは苗から育てる人が多いですが、挿し木による増やし方の方がお金もかからず成功率も高いのです。ちなみに植物園でも挿し木で増やしているケースが多いです。
挿し木での増やし方
挿し木をする前に、まずは挿し木用のポットと土を準備します。土は植え方や用土で説明した通り、植え付ける前に土を完成させておくことがポイントです。ですからヒスイカズラを剪定する前に土を準備し、挿し木用のポットに入れて土を休ませておきましょう。
挿し木の選び方
挿し木は、剪定と併せて行うのが一般的です。ただし茎が太く育つためには、挿し木からたくさんの根が生える必要があります。ですから挿し木をするときには、茎が太い部分を剪定するようにします。
挿し木の後の温度管理が増やし方のコツ
挿し木は、ヒスイカズラの増やし方としては一般的な方法ですが、うまく増やすには挿し木の後の土の温度管理がポイントです。外気温が高くても土の中の温度が10℃以下になると、挿し木から根が生えることはありません。そのため初心者の場合は、土の温度を管理しやすい4月~6月の期間に剪定をし、挿し木にするのがおすすめです。
ヒスイカズラの育て方⑥鉢植え
ヒスイカズラは季節に関係なく生育に適した温度を保たなければいけないので、基本は温室での栽培になります。もちろん温室がなくても、温度の管理がしやすい屋内であれば寒さ対策になりますが、移動のためには鉢植えにする必要があります。ではヒスイカズラの育て方として「鉢植え」を選んでも、問題はないのでしょうか?
育て方の基本は鉢植え
ヒスイカズラの育て方の基本は「鉢植え」です。開花時期を迎えると花の房が1mに達するヒスイカズラですが、花が咲く時期を迎えるまでには数年かかります。そのため花の時期までは鉢植えで育て、花をつけるための太い茎を育てます。またヒスイカズラは温度の管理がとても重要なので、露地植えよりも鉢植えの方が手入れがやすいですし、移動させる際にも鉢植えの方が便利です。
最初は8~10号の鉢がおすすめ
ヒスイカズラはつる性の植物なので、成長するとどんどんつるを伸ばします。でも植え付けの段階では8~10号の鉢植えに植え、温度管理がしやすいようにするのがおすすめです。特に温度の変化が激しい季節には、鉢植えごと温めて土の温度を上げるようにします。そのため効率よく土の温度を管理するためにも、植え付け当初は8~10号の鉢植えがおすすめです。