トックリヤシの育て方
ここではトックリヤシの基本的な育て方を紹介します。間違えた栽培ではうまく育たなかったり、枯れてしまうこともあります。しっかりと栽培の仕方を確認しましょう。
育て方①種まき
トックリヤシを種まきから育ててみましょう。実はトックリヤシの根元の膨らみは、実生のものだけにしかできない特徴があります。
種まきの時期
トックリヤシの種まきの時期は5月ごろが適しています。5月ごろから成長する期間に入るため、この時期に植え付けましょう。発芽には20°C以上の気温が必要です。種まきの時期は間違えないよう気をつけましょう。
種まきのやり方
種を横向きにして、腐植質に富んだ用土に種の半分ほどが埋まるようにします。種まきした日から早くて2週間ほど、長いと半年ほど発芽にかかります。ゆったりとした気持ちで発芽の日を待ちましょう。
育て方②用土
トックリヤシに適切な用土は、水はけがよく腐植質の多い土です。室内で植木鉢で栽培する場合は、ホームセンターなどで簡単に購入できる観葉植物の用土を使用するとよいでしょう。市販の観葉植物の用土は匂いも少なく室内管理に向いています。用土は植物にとって家になるため、適したものを準備しましょう。
育て方③植え替え
トックリヤシの植え替えは、根詰まりをおこしている場合や、2〜3年ごとを目安に植え替えをします。根詰まりを放っておくと枯れる原因になるため、適度に確認するようにしましょう。確認の方法は鉢底を見ることです。鉢から根が飛び出ているため、簡単に確認できます。植え替えの最適な時期は5月〜7月です。
植え替え後の管理
植え替え後はまだ根付いていない状態です。植え替えは植物にとっては大きなダメージで、根付くまでは日光にまだ耐えられません。屋外には出さず半日陰の場所で水切れに注意しながら管理してください。
育て方④病気と害虫
植物も生きているため、病気や害虫はつきものです。ときには枯らしてしまうなど、植物の生命をも脅かします。どのようなものがあるのか、予防はできるのかなどを知っておくことはとても大事です。
気をつけたい害虫
トックリヤシが気をつけたい害虫は「カイガラムシ」や「アブラムシ」などです。乾燥していると発生する害虫で、どちらも放っておくと栄養がとられ枯れてしまいます。この害虫の予防は葉水です。適度に葉水をして葉の乾燥を防ぎましょう。
気をつけたい病気
トックリヤシが気をつけたい病気は「根腐れ病」です。根腐れ病とは、その名のとおり根が腐ってしまう現象です。土が多湿の状態になるとおこりやすくなります。土が多湿になる原因としては、「水やりのしすぎ」「受け皿に溜まった水を捨てていない」「日陰で土が乾かない」といったことが考えられるため、栽培時は気をつけてください。
育て方⑤肥料
トックリヤシは大きく育つ植物です。あまり早く大きく育てたくない場合は、肥料は控えめか与えないようにしましょう。肥料を与えるなら、生育期間の5月〜10月ごろに緩効性化成肥料を2カ月に1回が目安です。肥料を与えすぎると肥料やけをしてしまうため注意しましょう。
肥料やけとは
肥料やけとは肥料の与えすぎで根が障害をおってしまい、そのため株が元気がなくなったり蒸れてしまったり、最悪枯れてしまうことです。本来は成長に欠かせない肥料も、ときには害になることもあると知っておきましょう。
枯らさないための管理方法
ここでは、トックリヤシを枯らさないための管理のポイントを紹介します。管理の仕方次第で植物の成長には大きく差が出ます。しっかりとポイントを押さえ、トックリヤシを元気に栽培しましょう。
管理方法①水やり
水やりは土が乾いてからにしましょう。トックリヤシの膨らんでる部分は水分を溜め込んでいます。乾燥には強いため、水やりのしすぎに注意してください。冬場は成長が鈍る時期です。水やりはさらに頻度を少なくしましょう。
葉水について
葉水とは、葉の乾燥を防ぐために葉に直接水を吹きかけることをいいます。葉水をすることで病害虫の予防にもなるため、適度に葉水をしてあげてください。葉水の際には、葉の裏側も忘れずにしましょう。
管理方法②日当たり
トックリヤシは日当たりのよい場所を好みます。1日をとおして日陰にならない場所で管理してください。しかし、真夏の直射日光などは葉焼けの原因になるため、室内ではレースカーテン越しに置くようにしましょう。屋外で栽培する場合も、葉焼けしないよう直接日光が当たらない場所で管理してください。
葉焼けとは
葉焼けとは直接日光が当たることによって、葉が部分的に焼けてしまったり枯れてしまったりする現象です。また、日陰の場所や室内で管理していた植物を、急に屋外に出すことでも葉焼けがおこります。日陰から日向に置き場所を変える場合は、徐々に変えていってください。
管理方法③剪定
トックリヤシは新芽を伸ばしたあと、古い葉から枯れていきます。新芽がしっかりと開いたら、古い葉を根元から3㎝のところで剪定してください。そのほかにも葉先だけが枯れていたり、葉焼けしていたりする場合は、ハサミで切りながら形を整えましょう。
出典:写真AC