グレコマの栽培方法
栽培環境
グレコマはとても丈夫で栽培しやすい植物です。日向でも日陰でも育ち、枯れる心配はほとんどありません。ただし、夏の強い日差しに当たり続けると、葉焼けを起こして枯れることがあります。水分を好むため、夏の乾燥にも注意が必要です。強い西日が当たらない、午前中のみ日が当たるような「明るい日陰」が最適な栽培場所です。耐寒性が高く、-10℃ぐらいまでは耐えられます。冬の間に地上部が枯れる場合がありますが、春には芽を出して復活するでしょう。
植える時期
グレコマを植える時期ですが、真夏や真冬以外いつでもOKです。地植えの場合は用土も選びません。適度に湿り気があれば、どこに植えてもよく育ちます。鉢植えの場合は、赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたものか、草花用培養土を使います。増えすぎるのを抑えたい場合は、軽石や鹿沼土の多い用土に植えるのもおすすめです。
水やり
地植えの場合は、特に水やりは必要ありません。夏の時期など、日照りが続いて乾燥するときには水をやりましょう。鉢植えの場合は、土の表面が乾きはじめたら、たっぷりと水をあげるのがポイントです。
肥料
地植えの場合は、肥料はほとんど必要ありません。鉢植えの場合で、生育が悪く葉の色が薄くなった場合のみ、緩効性化成肥料や液体肥料などを少し与えます。たくさん肥料を与えると、増えすぎの原因になるので注意しましょう。
病害虫
特に病気や害虫の心配はありませんが、たまにアブラムシやヨトウムシがつくことがあります。見つけた場合は駆除しましょう。
グレコマ栽培のポイント
栽培のポイント①切り戻し
グレコマは、ランナーという茎を伸ばして地面を覆うように増えていきます。伸びすぎた茎は時々切り戻しをして増えすぎないよう管理します。また、茂りすぎると蒸れて葉が枯れることがあります。これを防ぐためにも切り戻しは重要です。切り戻した茎は挿し木に使えます。
栽培のポイント②植え替え
地植えの場合は、植えっぱなしにしていると中心部分の生育が悪くなります。数年に1回は植え直しをしたほうがよいでしょう。鉢植えの場合は、根詰まりを起こすと枯れる原因につながるため、年に1回ぐらいは植え替えをします。
栽培のポイント③斑入りの場合の先祖返り
斑入りの品種「バリエガータ」は、育てていると先祖返りの緑葉のランナーが伸びることがあります。斑入りの葉より大きく目立ちます。見つけ次第、刈り取りましょう!そのままにしておくと、緑葉ばかりが繁殖してしまいます。
グレコマの増やし方
植えるだけでどんどん繁殖するグレコマですが、「庭のグレコマをハンギングにも使いたい!」などというときのために増やし方を知っておくと便利です。グレコマの増やし方をご紹介します。
挿し木
伸びたランナーの節から発根するので簡単に増やせます。伸びすぎた茎を切り戻して、葉の出ている節を中心にして切り分けて挿し穂にします。節が土に入るように挿し、節からランナーが伸びてきたら摘心して脇芽を増やしましょう。挿し木に適している時期は、4月~6月頃と9月下旬~10月上旬頃です。
<長い茎をそのまま挿してみました>
3節目4節目は根が出ていますが、葉が大きくなったぐらいで、葉が増えたりランナーが出たりすることはありませんでした。茎を切って分けて挿したほうがそれぞれ成長したかもしれません。今回、石を置いて動かないようにしましたが、思ったような効果はありませんでした…。ただし、地植えのランナーを伸ばしたい方向へ誘引する場合には有効な方法です。
株分け
グレコマを増やさない方法
ガーデニングでいろいろな使い方ができて人気のグレコマですが、「増えすぎて困る!」という声もよく聞きます。関東以南の暖地では、特によく増えるようです。地植えの場合と、鉢植えの場合に分けて増やさないコツをご紹介します。
地植えの場合
グランドカバーのグレコマが自然に広がっていて、ナチュラルガーデンとしてとても魅力的です。しかし、このままにしているとタイルもグレコマが覆ってしまいます…。庭中にグレコマだらけということにならないためにも、こまめに切り戻しをすることが大切です。地植えのグレコマは植えっぱなしにしないようにしましょう。
鉢植えの場合
鉢からランナーがたくさん伸びていて、元気いっぱいのグレコマですね!鉢を高くするためにレンガを積んであるのも素敵です。ランナーが下までとどいていますが、土の上ではないのがポイントでしょう。ランナーが土についてしまうと、発根してどんどん増えてしまいます。グレコマを増やしたくない場合は、鉢はできるだけ高い位置に置き、ランナーが地面にとどく前にこまめに切り戻すことが大切です。
グレコマを増やさないコツ
- 地植えは植えっぱなしにせず、こまめに切り戻す
- 鉢植えは垂れたランナーが地面につく前に切り戻す
まとめ
グレコマは寄せ植え・ハンギング・グランドカバーなど、さまざまな植え方や使い方ができる人気のガーデニング植物です。耐寒性・耐陰性があるため、冬の時期や室内でも楽しめますよ。丈夫で育てやすい反面、増えすぎて雑草化することがあります。鉢植えだけで楽しむようにするか、地植えの場合は切り戻しをこまめにして増やしすぎないように注意しましょう!
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出典:筆者撮影