サンスベリアの植え替え方法
水挿しした株の植え替え
今回、前年に挿し芽したサンスベリア・バキュラリスを使って、培養土で鉢植えを作ることにしました。上の画像は、ハイドロボールに挿して半年くらい経ったバキュラリスです。脇芽が増えて地上部の本数は元の2倍くらいになっています。
植え替え方法①鉢
鉢植えは、深さと重量がポイントです。今回植え替えるサンスベリアは、まだ成長途中で長さも20cm程度と短めのため、100均の素焼き鉢を準備しました。鉢底には鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れておきます。スリット鉢であれば鉢底石は必要ありませんが、鉢植えが倒れないよう、ある程度の深さと大きさのものがおすすめです。
植え替え方法②用土
サンスベリアは大変育てやすい観葉植物で、用土は赤土以外であれば何でもOKです。今回は無難に、プロトリーフさんの「室内向け観葉・多肉の土」を用意しました。サンスベリアは乾燥気味に育てるとよいので、このくらい排水性の高い用土のほうが扱いやすいでしょう。
夏の蒸れが心配なので、用土の排水性は高い方がよいですよ。
植え替え方法③株を取り出す
植え替えに耐えてくれそうな元気な白い根っこが見えます。ここから親株と子株に慎重に分けていきます。
多少根っこが取れてしまっても心配しなくて大丈夫! 子株の方は少しの間、乾燥させておきましょう。
親株の根元
発根していますが、地上部はこれ以上成長しません。植え替えのタイミングで廃棄してしまいましょう。
子株の根元
白くてハリのある根がたくさん出ています。根はほどいて1本ずつバラバラにしておきましょう。普通の用土から植え替える場合は、土が多少ついたままでも構いません。
根が緑色の部分のすぐ下から出ていますね。ですから鉢植えは、根が完全に土中に埋まるような深さが必要です。深く植えることで根が安定し、地上部が高く成長してもぐらつきにくくなります。
植え替え方法④新しい用土に植える
根が張りすぎていて植えにくい時は、少しなら根を切っても大丈夫です。子株は挿すだけでもOK。今回は、子株の間隔に余裕を持たせて植えました。バキュラリスは次の新芽が親株のすぐ横に出てきます。その際に親株が倒れやすいので、それを防ぐために多少スカスカした感じに植えています。
植え替えのポイント
- 根はほどいてバラバラにする
- 用土は赤土以外の培養土ならOK
- 植え付けの深さに注意する(白い部分は土中に隠す)
- 冬の間、11月〜3月までは植え替えをしない
植え替え後の注意点
水のやり方
植え替え後たっぷりの水をやり、用土の中の微塵をきれいに洗い流します。サンスベリアの根は空気が大好きです。水やりのタイミングは、用土の表面が乾いてから。水のやり方は、多肉植物の育て方と同様でよいでしょう。夏期の蒸れには気をつけてください。
5〜9月はサンセベリアの成長期です。この期間は、じゃんじゃん水を吸い上げます。春に植え替えれば、夏前には株が安定してくれますよ。
植え替え後の冷え込みには
4月から植え替えがOK、とはいえ、地域によってはまだまだ寒さが感じられる時期です。植え替え後の敏感な株は、冷えないように十分に注意してください。サンスベリアは根が冷えると株全体が弱ってしまいます。鉢の温度が10℃以下になるようでしたら、暖かい部屋に移し保温するようにしましょう。
肥料のやり方
4月以降、暖かくなる時期はサンスベリアが盛んに成長します。春から秋にかけて、緩行性の肥料(置き肥)をやりましょう。サンスベリアは夏に強い観葉植物です。夏でもぐんぐん成長しますので、真夏に施肥をしても大丈夫ですよ。
サンスベリアの株分け
大きく育ったサンスベリアは株分けが必要になってきます。ここでは、その株分けのタイミングをご紹介します。新しい鉢への植え替えは、先ほどのバキュラリスでご紹介した手順と同様です。
株分けのタイミング①根づまり
植え替えしたサンスベリアがさらに成長して、鉢が根でいっぱいになったとき、真冬以外の時期に株分けを行います。サンスベリアの根は空気が大好きです。植え替える際は、根を解いて1本ずつバラバラにしておきましょう。
株分けのタイミング②長くなり自立できない
一本一本がひょろひょろと長くなりすぎて、株分けすると自立できない場合があります。株が密集していると日が当たりにくくなり、徒長しやすくなるのです。紐で結わえたり、支柱を立てたりしてもよいですが、思い切って葉挿しをして鉢をリセットするのも一案です。5〜9月の成長期であれば、1〜2カ月で発根します。
天候の暖かい時期なら、挿し芽用の用土に挿すやり方でかまいません。少し涼しい時期では、水が冷たいと失敗することがあります。くれぐれも挿し芽を冷やさないように注意してくださいね。11月から3月までの間は、室内であっても発根までに時間がかかります。暖かい季節になるまで待ちましょう。
上手な葉挿しのやり方は以下のリンクをご覧ください。
最後に、サンセベリアの失敗でもっとも多い「冬越し」の注意点をまとめます。
画像:筆者撮影