ポインセチアの手入れ②肥料
植物の成長には日光・水・肥料の三要素が欠かせません。ポインセチアの色づく冬は成長の休眠期なので肥料は与えませんが、春になり野外に鉢を出してからは忘れないように肥料を与えるようにしましょう。成長期の肥料を忘れてしまうと豊かに葉数が増えずに貧弱な株になってしまいます。
肥料を与える時期
植え替えの適期(5月~6月)に元肥を与え、その後は真夏を避けて液体肥料を10月いっぱい与えます。室内栽培の休眠期は肥料は与えません。
肥料の種類
前述のように、室内で鑑賞しているクリスマスからクリスマス後の季節は休眠期なので肥料を与えませんが、暖かくなり野外での栽培に切り替えるタイミングで切り戻しや植え替えを行います。赤い花(苞)が落ちて緑の葉が出てくると、成長期の合図ですのでその時から肥料を与え始めます。
元肥(もとごえ)
緩効性肥料の化成肥料を5月の植え替え時に元肥として、生育シーズン中は2か月に1度のペースで与えます。真夏は根が肥料あたりすることがあるので避けます。
液体肥料
観葉植物用の液体肥料を1000倍の濃度で月に1度与えます。肥料は薄すぎても、濃すぎても植物に負担を与えますから説明書の規定濃度を守りましょう。
ポインセチアの肥料
- 休眠期(12月~3月)は肥料を与えない
- 5月~6月の植え替え時に緩効性の元肥を与える
- 真夏を避けて液体肥料を追肥として月に1回与える
ポインセチアの手入れ③管理場所・温度
ポインセチアの管理で大切なことは寒さに弱い点があげられます。生育最低気温が7℃を切ると株が弱り、葉がちりちりになり0℃になると枯れてしまいます。冬の部屋でも暖房が切れる時間は注意が必要で冬越しがうまくいくかのポイントです。また春さきから夏越しのために株を蒸らさないようにすることも大切な点といえます。
ポインセチアの生育適温
原産国がメキシコのポインセチアの生育適温は20~30℃で元気に生育します。最低気温は7℃でそれ以下になると葉が散って枯れてしまいます。そのため日本では冬は室内で、暖房器具の風が当たらないように注意しながら温度管理をします。
ポインセチアの置き場所
11月中旬~4月上旬(クリスマスシーズンから春先まで)
夜間の温度が15℃を割るようになったら室内に取り込みます。ポインセチアは日当たりを好みますので、ガラス越しによく日が当たる場所を選んで置きましょう。ただ、窓の近くは夜間は温度が低くなるのでテーブルの上などが低温にならずによい場所といえます。寒がりだからといって暖房器具の近くは葉が乾燥しすぎるので避けましょう。
4月中旬~11月上旬(野外管理のシーズン)
春、遅霜の心配がなくなったら野外の管理にかえます。日当たりがよいと成長もよいのですが、梅雨時はあまり長雨に当たると根腐れの恐れがありますので梅雨のころは軒下がよいです。また盛夏のころは葉焼けをさせないような午前中だけよく日が当たる場所が適しています。
ポインセチアの管理 置き場所・温度
- 生育適温20~30℃ 最低気温は7℃
- 11~4月(休眠期)は室内の日当たりのよい場所で育てる
- 4~11月(成長期)は野外の日当たりがよく雨を避けられる場所で育てる
ポインセチアの手入れ④植え替えと増やし方
ポインセチアは越冬して野外の管理になる成長期に大きくなります。そのまま育てると立派な株になりますがあまり大きいと、室内に取り込んだときに扱いに困ります。そのため野外に出してから切り戻し剪定や植え替えで株をコンパクトにします。
植え替え・剪定
植え替えの仕方
クリスマスに求めたポインセチアは鉢が小さいことが多いので、ひと回り大きい鉢で植え替えをします。また最低2年に1度は植え替えをした方がよいでしょう。植え替えや切り戻しは5月~6月が最適ですが、夏に大きくなりすぎた場合は9月の半ば(短日処理まえ)までは行うことができます。
- 鉢から抜いて古い土を静かに落とす(折れやすいので注意が必要)
- ひと回り大きい鉢を用意して鉢底石を2cmくらい入れる
- ウォータースペースを鉢の縁から2cm位とる
- 観葉植物用の培養土を半分くらいまで入れて株を戻しながらすきまなく土を足す
- 水をたっぷりと与え1週間くらいは半日陰で管理する
剪定の仕方
夏にかけて大きくなるので、株の高さの半分程度切り戻しをするとよく、また古く傷んだ葉もカットしてあげると新しい葉がどんどん育ちます。カットして時に白い液がでるので注意しましょう!体質によってはかぶれることがありますので手袋を使用して作業をします。
増やし方
切り戻し剪定をしたり、刈り込んだときの枝を使って挿し木をして増やすことができます。10cm程度にカットした枝を、挿し木用の培養土や赤玉土にさしますと簡単に挿し木ができます。新しい葉が出てくるまでは乾燥させないように半日陰で管理しましょう。育ってきたら「植え替え」と同じように新しい培養土で育てます。
ポインセチアの手入れ⑤病害虫
高温を好むポインセチアは虫や病気の頻度も少なくありません。基本的には風通しをよくして、蒸れさせないようにすると病害虫の発生を減らすことができます。
害虫について
冬場の室内管理から春になり野外で育てますと、害虫の活動期でもあるので枝が込み合って風通しがわるいと虫がつくことがあります。アブラムシやカイガラムシといった葉から養分をすい、株を衰弱させる害虫には注意が必要です。アブラムシは野外で管理している季節は葉水で落とすことができます。
病気について
梅雨時の蒸れや冬の暖かい室内での管理で、葉が灰色になる灰かび病やスス病などが発生することがあります。いずれも風通しが悪かったり加湿状態になると発生しますが、ポインセチアは冬の室内で育てるために発生のリスクは高いです。切り戻し剪定などで枝すかしをして、必要以上に枝を込み合わせないことも予防になります。
まとめ
赤い花(苞)で、クリスマスムードにしてくれるポインセチアは冬の季節の室内の植物として欠かせない存在です。最低生育温度などを守ってあげると冬越しもできますので、また翌シーズンのクリスマスの季節に自分で色づきをさせる楽しみも味わえます。管理の仕方をしっかりとまとめましたので参考になさってくださいね。
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出典:BOTANICA