ヒイラギモクセイの植栽の時期
ヒイラギモクセイの植栽にふさわしい時期は、春です。秋の9月から10月ころの時期にも植栽することができますが、ヒイラギモクセイは寒さに弱い植物です。霜が降りるようなところでは、そもそも育てるのが難しいでしょう。
まずは土壌を整える
ヒイラギモクセイを植え付ける前に、まずは土壌を樹木にとってよい環境に整えてあげましょう。土壌を整えるために必要なのが肥料です。肥料には、ゆっくりと効き始め、効果が長続きする緩効性肥料や遅効性肥料、すぐに効果があらわれるけれど、長続きしない即効性肥料があります。
理想の土壌とは?
植物にとって特に必要な栄養素は、チッ素とリン酸、カリウムです。他にカルシウムやマグネシウムなども必要です。これらが天然のものとして含まれているのが有機質肥料といい、緩効性肥料もしくは遅効性肥料になります。一方、必要な栄養素を化学合成したものが無機質肥料で、即効性のものから遅効性のものまであります。
主要な栄養素 | 主な働き |
チッ素 | 葉や根、茎の成長を助ける |
リン酸 | 花の成長を助ける |
カリウム | 根を丈夫にする |
ボタ爺
肥料の袋に「10-12-8」などと書かれているのは、チッ素10%、リン酸12%、カリウム8%の意味じゃ。
有機質肥料と無機質肥料の特徴
原料 | 即効性・緩効性・遅効性 | 肥料焼けの有無 | 特徴 | |
有機質肥料 | 菜種油のかすや草木、魚かすなど | 緩効性、遅効性 | 肥料焼けしない | 効果が出るのは、微生物の分解に頼るので、時間がかかる |
無機質肥料 | 必要な栄養素を化学合成したもの | 即効性のものから遅効性のものまである | 量を間違えると肥料焼けする | 無臭で扱いやすい |
ボタニ子
肥料焼けとは、肥料のやりすぎで根がだめになり、萎れてしまったり、枯れてしまったりすることだよ。
まずは緩効性肥料から
植え付け時期にあげる肥料は元肥と言います。ヒイラギモクセイの元肥は、植え付け時期の2~3週間前に、緩効性肥料を与えます。元肥は植え付けに使う土と混ぜて使いましょう。あるいは、はじめから緩効性肥料が混ぜてある培養土を使うという方法もあります。
寒肥しよう
庭木の育て方として大事になってくるのが、寒肥(かんごえ)を行うことです。植栽後、毎年1~2月の寒い時期に、緩効性肥料を与え、その後一年間の樹木の生長を促します。根が眠っている寒い季節は、ある程度の土の掘り起こしが可能なのと、根が活動を再開する春にむけて栄養を与える、しっかりとした管理を行う好機です。
置き肥や追肥は状況に応じて
置き肥とは、植え付けのときに固形の肥料を土の表面近くにおいておき、水やりと共に、徐々にしみこませる肥料のやりかたです。追肥とは、足りない栄養分を補うためにその都度与える肥料です。肥料はあげすぎると肥料焼けを起こし、まちがった育て方になってしまいます。あくまでも状況に応じてあげてください。
植栽のやり方
土壌が整ったら、ヒイラギモクセイの根よりも大きい穴を掘り、植え付けます。根付くまで、しっかり水も与えましょう。生垣にする場合は、30cmほどの間隔をあけて何本か植え付けていきます。根付くまでは生垣の両サイドに支柱が必要になります。両サイドの支柱と植え付けた枝とを、横に渡した支柱で、少し弱いかなと思うくらいの力で結いつけます。
ヒイラギモクセイの剪定
他の庭木でもそうですが、ヒイラギモクセイを育てるとき、重要になるのが剪定です。剪定と並行して、枯れ葉も取り除いてあげましょう。剪定をすることと枯れ葉を取り除くことで、害虫予防にもなります。また、ヒイラギモクセイの花を上手に咲かせたいのであれば、剪定の時期が大事になってきます。
剪定とは
剪定とは、伸びすぎた枝や不要な枝を切り、幹や主な枝の先端を切りつめ、木の形を整える作業のことです。さらに風通しや日当たりを良くし、他の枝に絡んだ枝や病気の枝を発見して、取り除いてあげることができます。剪定によって、健康な脇芽を増やし、花つきをよくできます。
ヒイラギモクセイの剪定のやりかた
基本は、毎年剪定を行い昨年剪定した部分まで切る、切り戻し剪定です。特に生垣の場合、ヒイラギモクセイは一年で10cm以上伸びるので、上のほうから始めます。ヒイラギモクセイは、芽吹く力が強い樹木で、ある程度の大きな剪定(強剪定)に耐えてくれます。カイガラムシの被害に遭ったとき、思い切って剪定してしまうのも一つの手段です。
花を楽しみたいときは剪定時期に注意
常緑樹の場合、剪定の時期は春か秋がお勧めです。しかし、ヒイラギモクセイの花をなるべく多く咲かせたい場合、花芽の成長を邪魔しないよう、早春に行うのがよいでしょう。花つきより生垣としての役割を重視するなら、木が成長する春から秋にかけて剪定してもかまいません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。普段何気なく目にしている生垣のヒイラギモクセイを、自分で育ててみると、格別な愛情がわきます。育てやすい植物なので、是非育ててみて、時には観賞用の花にもしてあげましょう。特徴的な棘のある葉と白い花は、なかなか見ごたえがありますよ。
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出典:写真AC