ブタナ(豚菜)とは?名前の由来やタンポポとの違いなど特徴をご紹介!

ブタナ(豚菜)とは?名前の由来やタンポポとの違いなど特徴をご紹介!

ブタナをご存知ですか?開花時期はタンポポの終わった初夏から秋頃までです。道端や河川敷、空き地などで見かけます。タンポポによく似ていて間違えやすいのですが、見分け方にいくつかポイントがあります!今回はタンポポモドキとも呼ばれるブタナについてまとめます。

記事の目次

  1. 1.ブタナ(豚菜)とは?
  2. 2.ブタナ(豚菜)の特徴
  3. 3.ブタナ(豚菜)の名前の由来
  4. 4.ブタナ(豚菜)の花言葉
  5. 5.タンポポとの違いは?
  6. 6.ブタナ(豚菜)に関する問題点
  7. 7.ブタナ(豚菜)の防除方法
  8. 8.まとめ

ブタナ(豚菜)とは?

タンポポに似た黄色い花を咲かせる山野草

出典:写真AC
 

花がタンポポによく似ているため「タンポポモドキ」の名前も

ブタナはタンポポと同じキク科の野草ですが、エゾコウゾリナ属に分類される多年草です。花がタンポポに似ているため、「タンポポモドキ」とも呼ばれます。道端や河川敷、空き地などに生息し、雑草として駆除の対象にもなります。

ヨーロッパ原産で日本には昭和初期に渡ってきた

昭和8年に北海道で発見され、「タンポポモドキ」と命名

ブタナはヨーロッパを原産とします。日本では昭和8年に北海道で初めて発見され、「タンポポモドキ」と命名されました。その翌年に六甲山で発見されて「ブタナ」と名付けられ、今ではこのブタナのほうが一般的な呼び名になっています。

ブタナ(豚菜)の特徴

ギザギザの葉っぱが根元にだけ生える

出典:写真AC

縁がギザギザの「根生葉(ロゼット)」を持つ

ブタナにはタンポポ同様に、縁にギザギザのある葉っぱがあります。ブタナの葉っぱは地面に貼りつくような形で生えるのが特徴です。また、葉っぱの裏表には毛がびっしりと生えています。

ボタニ子

ボタニ子

ブタナのように根の際から生える葉っぱを「根生葉(こんせいよう)」や「根出葉(こんしゅつよう)」、「ロゼット」と呼びます。

空き地や河川敷、道端に生息し、繁殖力が強い

根生葉(ロゼット)で厳しい環境でも成長を続ける

ブタナは空き地や河川敷の斜面、道端など、やせ地でも成長を続けます。ロゼットは地面にぴったりとくっつく形で生えるので、人や動物の踏みつけに強く、刈り込みなど一般的な除草方法ではブタナの除去が難しいともいわれます。

開花時期は6月~9月頃

タンポポの季節が終わった初夏から秋にかけて開花

ブタナの開花時期は6月~9月頃で、ちょうどタンポポの季節が終わる頃から咲き始めます。草丈は50cm~60cmほどで、一見ひょろ長いタンポポかと思われがちですが、よく見ると、ブタナは茎が枝分かれして、複数の花序をつけます。花は黄色で直径3cmほどの大きさです。

ブタナより一回り小さい仲間に「ヒメブタナ」も

ブタナに近い種類の仲間に「ヒメブタナ」があります。花はブタナより一回り小さめの直径1cm~2cmほどで、開花時期はブタナより一足早い4月~5月頃です。
 

種と根茎で増える

タンポポ同様に種が綿毛で風に運ばれる

ブタナは繁殖力が強く、種と根茎で増えます。種はタンポポと同じように綿毛で風に運ばれて生息地を広げます。ブタナの種は基本的に休眠せず、ほとんどの場合、花後にできた種が運ばれてすぐに発芽するといわれます。

ロゼットのまま越冬する

冬越しのため、栄養を根っこに貯蔵しやすいメリットが

ブタナは花後にできた種が期間をあけず発芽し、ロゼットの状態で越冬します。ロゼットは地面に貼りつくように放射線状に広がって、冬の間も地面の熱で葉っぱの温度を上げて光合成を活発にし、栄養を根っこに貯蔵できるメリットがあります。また、人や動物に踏みつけられたり、刈り取られたりする危険を回避できるのも利点とされます。(参考:日本植物生理学会「みんなのひろば 植物Q&A」)

若葉は食用も可能とされる

葉や根っこなど部位によってさまざまな利用方法が

ブタナは全ての部分が食用可能とされます。原産地であるヨーロッパではハーブとして親しまれています。ブタナの若葉は特に食べやすく、サラダやおひたしとしても利用されます。根っこはタンポポ同様、コーヒーの代わりとしてハーブティーにして飲用します。(参考:ウィキペディア「ブタナ」)

一部の生き物には毒にもなる

馬など一部の動物にとってブタナは禁忌

ブタナは馬をはじめとする一部の動物に対して毒性があるとされ、該当する動物の放牧地からは除去の必要があります。

ブタナ(豚菜)基本情報

  • 科・属名:キク科エゾコウゾリナ属
  • 学名:Hypochaeris radicata
  • 園芸分類:多年草 
  • 分布:ヨーロッパ原産
  • 別名:タンポポモドキ
  • 開花時期:6月~9月 
  • 花色:黄 
  • 草丈:50cm~60cm
  • 生育地:道端、河川敷の斜面、空き地など
  • 花言葉:最後の恋

ブタナ(豚菜)の名前の由来

なぜブタナと呼ばれるの?

出典:写真AC

由来はフランス語の「Salade de pore(豚のサラダ)」を和訳したことから

ブタナは漢字で「豚菜」と書きます。豚が好んでこの雑草を食べたため、フランス語で「Salade de pore(豚のサラダ)」と呼ばれ、それをそのまま和訳したことが「ブタナ」の名前の由来とされます。

ブタナ(豚菜)の花言葉

花言葉は「最後の恋」

出典:写真AC

ブタナは「最後の恋」というロマンティックな花言葉を持ちます。

ボタニ子

ボタニ子

続いて、タンポポとの違いをご紹介

タンポポとの違いは?

ブタナとタンポポの見分け方①葉っぱの形の違い

どちらも葉縁に切れ込みがあるが、ブタナはなだらかでタンポポは鋭い

出典:写真AC

ブタナもタンポポも葉っぱの縁にギザギザの切れ込みがありますが、ブタナはこの切れ込みがなだらかなのに対し、タンポポは鋭い点に違いがあります。

ブタナとタンポポの見分け方②葉っぱ表面の毛の有無による違い

ブタナは葉っぱにびっしりと毛が生えるが、タンポポにはない

ブタナの葉っぱは裏表ともにびっしりと毛が生えていますが、タンポポにはほとんどありません。

ブタナとタンポポの見分け方③一本の茎に複数の花をつけるかどうか

ブタナは茎が枝分かれして複数の花をつけるが、タンポポは一本の茎に花はひとつだけ

茎が枝分かれして複数の花をつけるところがブタナの特徴で、タンポポとの大きな違いです。タンポポは一本の茎に花は一つしかつけません。

ブタナ(豚菜)に関する問題点

出典:写真AC

ロゼット状の葉は刈っても駆除しにくい

ブタナは可愛い花を咲かせますが、雑草として駆除の対象にもなります。繁殖力が強く、時には密集して折り重なるように生えるので駆除が難しい雑草です。一般的な草刈りの方法では、ブタナの茎の途中から上部は刈り取られますが、根生葉(ロゼット)がそのまま残るため、またすぐに伸びてしまいます。

日本固有種を駆逐してしまう恐れも

外来生物法で要注意外来生物に指定される

ブタナはもともと穀物用飼料に紛れて日本へ入ったと考えられています。厳しい環境下でも繁殖力が強く、日本固有種を駆逐してしまう恐れのある「要注意外来生物」に指定されています。

ブタナ(豚菜)の防除方法

刈り込みはより丁寧に、花茎を取り除くのがポイント

出典:写真AC

ブタナは繁殖力が強いために、ゴルフコースなどにとっては、芝を駆逐する迷惑な雑草として防除が必要になる場合もあります。ざっと刈り込みを行っただけでは、ブタナは茎が長く、肝心の根元に栄養が残るのでまたすぐに伸びてしまいます。刈り込みはより丁寧に、根元から取り除く必要があります。また、種子ができると風で運ばれてたちまち繁殖地を広げるので、花茎を取り除くことも種の形成を抑えるのに有効です。

徹底的に駆除が必要なら芝用除草剤を

芝を枯らさずに、ブタナを含めた雑草を駆除するには、除草剤を使用することになります。さまざまな種類が出回っていますので、目的に合ったものかどうか確認し、希釈濃度などに注意しましょう。

芝用除草剤 デスティニーWDG 100g

参考価格: 14,056円

出典: 楽天
楽天14,056円

まとめ

出典:写真AC

ぱっと見るとタンポポと間違いやすいブタナ。その繁殖力は強く、要注意外来生物に指定されるほど。芝などを枯らしてしまう恐れもあり、必要な場合は早めの対応がおすすめです。とはいえ、タンポポよりほんの少し濃い黄色の花はとても可愛いらしく、季節を感じさせてくれます。タンポポの季節が終わる頃にちょうどブタナを楽しめますので、ブタナの咲く川沿いをお散歩コースに選んでみてはいかがですか?

harumama
ライター

harumama

ガーデニングは初心者でよく失敗しますが、花が好きで庭にあれこれ種をまいています。最近は野菜にも手を出し始め、今年はミニトマトとゴーヤーのリベンジを狙っています!小学生の息子も土いじりが大好きなようで、先日苔玉を一緒に作りました。植物の生長が毎日のちいさな楽しみになれば、と思っています。

関連記事

Article Ranking