オトメギキョウ(ベルフラワー)はどんな花?
オトメギキョウ(別名:ベルフラワー)は、鮮やかな紫色の小花をたくさん咲かせます。横に広がりながら育つため、ほかの植物の足元を隠す効果があり、寄せ植えにも重宝されている植物です。この記事では、オトメギキョウの切り戻しと株分けを含めた育て方などについてご紹介します。
オトメギキョウ(ベルフラワー)の基本情報
学名 | Campanula portenschlagiana Schult |
科 | キキョウ科 |
属 | ホタルブクロ属(カンパニュラ属) |
和名 | オトメギキョウ(乙女桔梗) |
英名 | Dalmatian bellflower |
別名 | ベルフラワー、ダルメシアン カンパニュラ・ポルテンシュラギアナ |
分類 | 山野草、草花 |
形態 | 多年草 |
原産地 | クロアチア西部 |
草丈 | 10~15cm |
開花期 | 4月~7月(促成株は3月ごろから) |
花色 | 紫 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや弱い |
特徴
釣鐘形の小花
オトメギキョウの開花時期は、4月~7月です。3月頃から、促成栽培されたものが流通し始めます。花姿は釣鐘形をしていて、上向きに咲くのが特徴的です。枝先には数輪、紫色の2cmほどの小花を付け、一度にたくさんの花を咲かせます。また蕾がたくさん付くため、長く楽しめます。
横に伸びて広がる
草丈は10~15cmほどです。葉は、小さく濃い緑色でたくさん付けます。茎は根元から枝分かれするため横に広がり、直径30~40cmほどで全体的に盛り上がった形になります。
オトメギキョウの名前の由来
オトメギキョウの名前の由来は、花の形に由来しています。学名と和名の次のとおりです。
学名はラテン語で「釣鐘」
学名の由来は花姿からです。学名の「Campanula」は、ラテン語で「釣鐘」を意味します。「Campanula」は、「小さな鐘」を意味するラテン語の「campana」が語源です。
和名は桔梗から
19世紀前半に発見されたオトメギキョウは、日本では大正時代に桔梗に似た花として紹介されました。桔梗との違いは大きさで、小さくかわいらしいことから「オトメギキョウ(乙女桔梗)」と和名が付けられました。
オトメギキョウの花言葉
オトメギキョウの花言葉には、「感謝」「誠実」「不変」「楽しいおしゃべり」があります。花言葉の「感謝」は、花姿が教会や寺院の象徴とする釣鐘に似ており礼拝の感謝の祈りから付けられました。「誠実」の花言葉も清らかな花姿が由来します。
また「不変」の花言葉は、毎年変わらずにかわいらしい花を咲かせることが由来します。「楽しいおしゃべり」は、たくさんの小花が上向きに楽しく会話をしているような姿から、この花言葉が付けられました。
オトメギキョウ(ベルフラワー)の育て方
オトメギキョウは、耐暑性がやや弱いため夏場の管理に気をつける必要があります。しかし、耐寒性には強い植物で、北海道のような環境下でも栽培できます。育て方を知れば、初心者でも育てやすい植物です。
育て方①場所
日当たりがよく、湿気の少ない場所を好みます。できれば、午後は明るい日陰になる場所で管理しましょう。強い日差しにより葉が焼けずにすみ順調に成長するからです。また、長時間強い日差しに当たると、高温障害になる可能性があります。そのため、7月~9月上旬は遮光する必要があります。夏場は茂った葉を間引いて風通しをよくし、涼しい場所で管理しましょう。
育て方②用土
オトメギキョウは、水はけがよく保水力のある肥沃な中性~弱アルカリ性の用土を好みます。
鉢植えの場合
市販の山野草用培養土でも大丈夫です。自作で配合するのならば、軽石2:硬質鹿沼土(または日向土)4:桐生砂(または赤玉土)4の割合、もしくは等量を配合し混ぜます。いずれも小粒のものを使用しましょう。根と茎の境界線あたりから上は、花崗岩質の粗めの砂利で覆います。
鉢植えの用土の注意点
市販の山野草用培養土でも自作の用土でも、水でよく洗い、みじんを完全に抜いてから使用します。赤玉土を使う場合は、柔らかく細かい用土になるように、ふるいにかけましょう。
庭植えの場合
植え付ける2週間前に苦土石灰を混ぜておきましょう。腐葉土を混ぜて1週間後に、今度は腐葉土を混ぜて寝かせておきます。
育て方③植え付けと植え替え
時期
植え付けと植え替えの時期は、芽が出る直前にあたる2月~3月上旬に、1年に1回という頻度で行います。イメージとしては、春から初夏に植え付けをし、翌年の春に開花させます。
注意点
1本の太いゴボウ状の根は、キキョウ科の植物の特徴です。この太い根は、傷つけないように慎重に扱いましょう。
苗を鉢植えに植え付ける場合
植え付けの適期は、3月~4月と9月~10月頃です。鉢植えの場合、苗よりも一回り大きい鉢を用意します。植え付けた後は、明るい日陰で管理しましょう。
苗を庭植えに植え付ける場合
土作りをし、その2週間後に植え付けましょう。植え付けた後は、株元の表面に砂利を軽く被せます。そうすることで、水はけがよくなります。
植え替え
鉢植えの場合、根詰まりを防ぐために植え替えが1年に1度必要です。まず、一回り大きな鉢を用意します。用土は、植え付けたときと同じ土を使い、そこに緩効性肥料を混ぜ込みます。根を傷つけないように注意しながら、植え替えましょう。根付いて安定するまでは、日当たりがよく風通しよい場所で管理します。