アスナロ(翌檜)とは?庭木としての特徴や育て方をご紹介!

アスナロ(翌檜)とは?庭木としての特徴や育て方をご紹介!

アスナロ(翌檜)はヒノキによく似た樹木です。アスナロは青森ヒバとも呼ばれます。ヒノキ科のため花粉症の人には辛いですが、殺菌効果や爽やかな香りが特徴で、剪定をし庭木として育てることができます。あすなろの木の名前の由来や意味、花言葉や育て方を解説します。

記事の目次

  1. 1.アスナロ(翌檜)とはどんな植物?
  2. 2.アスナロ(翌檜)の名前の由来や意味は?
  3. 3.アスナロ(翌檜)の花言葉
  4. 4.アスナロ(翌檜)の変種
  5. 5.アスナロ(翌檜)を庭木として育てる方法
  6. 6.アスナロ(翌檜)の利用方法
  7. 7.まとめ

アスナロ(翌檜)とはどんな植物?

「あすなろの木」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?アスナロ(翌檜)は、ヒノキ(檜)のように独特な爽やかな香りがあり丈夫な材質をもつことが特徴で、さまざまな物に利用されている便利な樹木です。「ヒバ」や「クマサキ」「アテ」など地方によって異なる名前で呼ばれています。あすなろの木は防虫効果やまっすぐ天に向かって伸びる様子から庭木として人気があります。そこで、あすなろの木とは、どのような樹木なのか?その名前の意味や由来、庭木としての育て方から剪定の仕方、利用の仕方について解説します。

アスナロ(翌檜)の基本情報

分類 ヒノキ科アスナロ属
学名 Thujopsis dolabrata
別名 ヒバ・アテ・クマサキ・ツガルヒノキ
分布 本州・四国・九州
成長 遅い
樹高 5m~30m

アスナロ(翌檜)の特徴

ヒノキ科の常緑針葉樹

アスナロは、日本で古くから親しまれているヒノキ科アスナロ属の常緑針葉樹の植物です。湿気の多い冷涼な山に多く5m以上高く成長する樹木です。手入れをせず自然のまま育ったアスナロは30mと見上げるほど高く成長します。樹形はてっぺんが尖った円錐形になります。上空から見るとアスナロの三角帽子が連なっているように見えます。ヒノキ科に属するため、花粉症の人は花粉が飛ぶ季節は注意が必要になります。

ヒノキ(檜)との違い

アスナロの葉っぱは、うろこ状の小さい葉でヒノキよりも幅があり厚みがあるため見分けることができます。表側は緑の光沢があり、裏側は「気孔帯」と呼ばれる白色の模様があります。白色の模様の形に丸みがあるのがアスナロ、線状になっているのがヒノキです。この気孔帯が他のヒバ類と見分ける特徴になります。また、樹皮は黒褐色で縦に長く剥がれます。

花粉

花は小さく黄緑色で、葉っぱの先に1つ付け4月~5月頃に開花します。雌雄同株のため、すべてのアスナロから花粉が飛び散ることが特徴です。10月頃には角のある1.5cmほどの球形の実を細枝の先に1つ付けます。自然の中に生えているアスナロは極寒の吹雪の中で花粉の交配が行われます。花粉は数十キロ先まで飛び強い繁殖力があり、黄色い花粉が飛ぶ様子は目で見ることができます。

匂い

アスナロにはヒノキと同じように強い匂いがあることが大きな特徴です。この匂いのため、あすなろの木に近づくとすぐに分かります。この匂いには消臭や害虫予防の効果があり、家具やまな板、風呂桶などに使われています。また、木の独特な匂いにはリフレッシュ効果もあると言われ、芳香剤やアロマオイルにも利用されています。

アスナロ(翌檜)の名前の由来や意味は?

アスナロと聞くと、何かの名前を省略したように聞こえませんか?アスナロの名前の意味を知ると、身の回りにある「あすなろ」と付けられた福祉施設や学童施設の意味がよくわかります。なぜアスナロと呼ばれるようになったのか、名前の由来や意味、地域によって異なる名前について説明します。

名前の由来

明日はヒノキになろう

Photo bymnasoni14

アスナロの名前の由来「明日にはヒノキになろう」という意味から名付けられた説が有力です。これは、枕草子の「何の心ありてあすはひのき(明日は桧)とつけけむと」いう一節からからきているようです。「ヒノキに似ているが材質がヒノキより劣る、明日はヒノキになってやろう」という意味になります。このため、漢字では「明日檜」「翌檜」と書きます。

名前の意味

アスナロは、その由来の通り徐々に力強くたくましく育っていく様子から未来への願いが込められた名前です。未来を見据えて努力し希望を持つ意味があると考えられていますが、他にも、葉が厚いヒノキや高貴なヒノキという意味もあると言われています。未来に希望を持つ意味から、福祉施設や学童施設の記念樹として植えられることもあります。

アスナロの別名

アスナロには別名がいろいろあり、地方によって異なります。青森県は「ヒバ」、秋田県は「ツルガヒノキ」、岩手県と山形県は「クマサキ」、石川県と富山県は「アテ」、新潟県佐渡島は「アテビ」と、さまざまな呼び方がされています。中でも青森ヒバは日本の三大美林として有名です。

アスナロ(翌檜)の花言葉

アスナロの花言葉は「永遠の憧れ」「不滅・不死」「変わらない友情」です。どれも未来を見据えた強い言葉です。アスナロの名前の由来を考えると「明日にはヒノキになろう」という、ヒノキになれると信じて伸びようとしている前向きな意思を感じる花言葉です。アスナロの花が咲く5月に新生活を始めた若い人に贈りたい言葉です。

アスナロ(翌檜)の変種

アスナロには日本三大美林として有名な青森ヒバの他、身近な場所に植えられている低木のヒメアスナロがあります。どちらも独特な香りと防虫性を活かした使い方をされています。特に青森ヒバは木片を「ヒバチップス」として商品化され、日常の生活に簡単で気軽にる使えるようになっています。

青森ヒバ

日本三大美林の一つ

北海道から東北地方、佐渡島に分布しているアスナロの変種に「ヒノキアスナロ」があります。このヒノキアスナロは津軽半島の天然純林が有名で「青森ヒバ」と呼ばれています。青森ヒバは、木曽ヒノキと秋田スギとともに日本三大美林として有名です。アスナロに比べて鱗状の葉っぱの幅が広く厚いこと、球果が丸く角がないことが特徴です。育て方が難しいため人工的に植えるとすぐに枯れてしまいます。

ヒメアスナロ(姫翌檜)

庭木用のアスナロ

アスナロを庭木用に改良した変種に「ヒメアスナロ(姫翌檜)」があります。公園の石垣や庭の花壇など日常生活で目にすることが多いのがヒメアスナロです。「姫」のように小さく1~2mほどの高さの木に成長します。主幹が無く低木で枝が密集した半球形の樹形が特徴で、剪定もしやすい低木のため路地や公園など身近な場所に植えられています。

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アスナロ(翌檜)を庭木として育てる方法

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