アスナロ(翌檜)を庭木として育てる方法
爽やかな木の香りや虫よけにもなることからアスナロは庭木や生垣に人気のある樹木です。山や森に多く生えているアスナロは生命力が強く、環境が変わってもぐんぐん育ちます。しかし、植える場所や剪定の仕方など育て方を間違えると大きくなりすぎて困ったことになります。どのような場所に植え、一番重要な剪定など管理の仕方、あすなろの木の庭木としての育て方を解説します。
植える場所
半日陰
アスナロは北日本の冷涼な山で多く育つ樹木です。このため庭木として育てるためには、半日陰になる湿気の多い場所に植えるとよいです。日当たりが良すぎると土や木が乾燥してしまい枯れてしまいます。植え付けは3月~4月に行い、しっかり根付くまで水をたっぷりあげる必要があります。ただし、根付いてからは水やりを減らし根腐れをしないように気をつけます。
害虫対策
虫に強い
アスナロは、殺菌作用を持っているため害虫や病気に強い樹木です。農薬を使用しなくても元気に成長するため、安全で環境にもいいと言えます。しかし、ハダニやサビ病にかかってしまった時は、殺虫剤などで駆除する必要があります。葉の表面に鉄さびのようなオレンジ色の斑点を見つけたら注意してください。このサビ病は「ボケ」「ナシ」などから発生しやすい病気です。感染しないようにこれらの植物から離して植える必要があります。
ボケ(木瓜)とナシ(梨)
可愛い花が魅力
ボケは庭木や生垣に鑑賞用に植えられることが多い樹木です。可愛いピンクや赤、白い花が魅力的で庭に華やかな印象を与えてくれます。ナシは白い可愛い花を咲かせ、秋には瑞々しい果実を実らせる樹木です。どちらも最も注意が必要なのがサビ病で、葉にオレンジ色の斑点ができた時は注意が必要です。人間には害はありませんが、他の植物に感染しないように殺菌剤を使って撃退します。
剪定
剪定は年1~2回
アスナロは、剪定はほとんど必要ありません。しかし、成長が早く葉が密集し過ぎると通気性が悪くなるため年1回~2回程度に剪定をするとよいです。あすなろの木の育て方として重要なのが剪定です。見た目が悪くならないように、少し内部の枝が透けて見える程度が丁度よいです。剪定の時期は梅雨の頃と秋が適切です。古い枝だけ切り形を整え風通しをよくするとしっかり育ちます。
ボタニ子
挿し木
アスナロは挿し木をして増やすこともできます。5月頃にまっすぐ伸びた枝を選び、先端から10cmほどの部分を切り落とします。切り落とした枝をポットやプランターの土に挿して肥料と水やりに注意しながら育てます。切り口から新しい根が生えて苗木が完成します。苗木が大きくなりポットが狭くなった時が植え替える時期です。
アスナロ(翌檜)の利用方法
アスナロは庭木として育てるだけではなく、木材の性質や爽やかな香りからさまざまな物に利用されています。まな板や入浴剤など日常よく使う身近なところにアスナロを利用した物があります。そこで、アスナロの魅力を活かした利用法をご紹介します。
木材の特徴
ヒノキチオール
アスナロの一番の特徴は「ヒノキチオール」を多く含んでいることです。実はヒノキよりも多いと言われています。このヒノキチオールは、樹木から取れる成分で雑菌や虫を寄せ付けない抗菌・防虫・防ダニの効果があり、建物や家具の木材として使われていると蚊やシロアリが近寄らなくなります。青森ヒバにはヒノキチオールが、ヒノキの10倍もふくまれています。
腐りにくい
日本の気候は高温多湿のため材木が腐りやすいです。しかし、アスナロは耐久性が高く湿気にも強いことから建築、特に仏閣や住の土台に使われます。特に「中尊寺金色堂」はアスナロを使った建築物として有名です。アスナロ木材は枯死しても中まで腐らないとも言われます。風呂桶やまな板などに使われているのも腐りにくいことが理由です。
香りの魅力
アロマ効果
ヒノキチオールはアスナロの独特な臭いを放つ成分です。ヒノキチオールに含まれる「αーピネン」という成分が人間の自律神経に作用し、ストレスを和らげたり、心を落ち着けリラックスさせる働きがあります。このため香りを活かしたアロマとして芳香剤や精油、またタンスの防虫剤に利用されています。
まとめ
まっすぐ大きく育つあすなろの木は、ヒノキに負けない強さを持った樹木です。育て方の重要なポイントは剪定です。大きくなりすぎないように風通しをよくして、上手に庭木として育てることで防虫効果やアロマ効果が期待できます。
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あすなろの木を育てる重要なポイントは「剪定」だよ!