コオニタビラコの食べ方
コオニタビラコは食用として食べられる植物です。鎮痛作用・解熱作用があると言われているのです。ここからは、コオニタビラコのおすすめの食べ方と作り方を2種類、また、保存方法も解説します。
春の七草粥
七草がゆの由来 その1
1つめの食べ方は「七草がゆ」です。七草がゆの歴史は、平安時代にさかのぼります。人日の節句である1月7日の朝に、冬場の寒い中で根強く育った生命力の高い植物を体に取り入れて、無病息災・邪気祓いをしていました。七草の種類は時代やその土地で取れるもので違いがありますが、根本から願うものは共通です。現在では、正月にお節料理を食べ過ぎて疲れた胃を休ませるために食べられています。
七草がゆの由来 その2
七草を摘むことを「子(ね)の日の遊び」といい、枕草子の中でも歌われています。七草の食べ方も特徴的です。前日の夜におまじないをするように、「七草なずな 七日の晩に 唐土の鳥が 日本の国に渡らぬ先に 七草なずなを 手で摘み入れて ほーととっと」と囃子歌を歌いながら、トントンと根や葉を刻んで準備をしたといわれています。
七草がゆの作り方
春の七草がゆには、7つの野菜・野草が入っています。「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロこれぞ七草」という歌を聴いたことはありませんか?簡単な作り方は以下の通りです。
- 春の七草を沸騰したお湯に入れてあく抜きをする
- 白米と3倍の量のお水を鍋(できれば土鍋)に入れ、煮立ったら弱火にして蓋をして10分煮る
- 塩と細かく刻んだ春の七草を入れてひと煮たちさせる
- 半分に切った焼餅を入れて完成
手軽にトライ!胃腸に優しい七草粥レシピ
炒め物・天ぷらとして
新芽のときの食べ方は、おかゆとして楽しめますが、葉が大きくなってきたら炒め物や天ぷらにするのもおすすめです。肉と一緒に炒めたり、油で揚げて塩などでシンプルにいただくとおいしいですよ。コオニタビラコはアクが強いですが、高温で揚げるとアクが抜けてしまいます。
コオニタビラコのレモンソテー
味付けはとてもシンプルで簡単に作れます。今日の一品にいかがでしょうか?
- コオニタビラコ、適度な大きさに切ったウィンナー、薄切りにしたレモンを炒める
- 塩・胡椒・日本酒で味付けをして完成
コオニタビラコのレモンソテー
コオニタビラコの保存方法
コオニタビラコは、あまり長く保存できません。泥を洗い流してから軽く湯がいて水気をしっかり絞り、冷凍で保存しましょう。使うときは解凍してすぐ使えます。約半月ほど保存できますが、なるべく早く使い切るようにしましょう。
コオニタビラコの育て方
近年は田んぼ自体が少なくなってきたせいか、あぜ道で見かけることが少なくなったコオニタビラコ。七草がゆの時期にスーパーでもよく販売されていますが、家庭菜園で愛情を持って育ててみるのもおすすめです。ここでは、コオニタビラコの育て方や、適した環境について詳しくお伝えします。
土の保湿力と日当たりが大切
コオニタビラコは、日当たりのよい湿地を好みます。家庭の中に小さな自然、いわゆる「ビオトープ」を作れば、そこで育てられます。使用する土は、田んぼの耕土下や河川敷の下層などで見られる粘土質の「荒木田土」が、保湿性がありおすすめです。この土は、土壁の荒壁土や瓦の棟にも使用される土です。なければ「赤玉土」でもよいでしょう。なるべく水を切らさないように、一年中湿地の状態にして育てます。
tumu-tumu ツムラの掲示板 コオニタビラコの簡単栽培法
まとめ
コオニタビラコは、他の植物と共に田んぼのあぜ道にそっと生息し、春には黄色い可愛い花を咲かせる植物です。昔から食用として食べられている野草であり、日本人にとって親しみ深い草です。今まで特に気にされなかった方も春の田植えの時期には、散歩でもしながら可愛い小さな花を探してみてはいかがでしょうか?七草がゆを食べるとき、特別な気持ちを持てるかもしれませんね。
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コオニタビラコは春の七草の一つとして有名ですよね(一番右)。
出典:写真AC