麦茶とは
麦茶はミネラルウォーターの代わりとして、たくさんの人に飲まれている飲み物です。では麦茶は一体どんな材料から作られているのでしょうか?また、いつ頃から私たちの生活に欠かせない飲み物になったのでしょうか?ここでは麦茶の材料や歴史など、麦茶の基本情報をお伝えしていきます。
麦茶の原料は大麦
麦茶の原料は「大麦」であり、現代では主に六条大麦が使われています。11月ごろに種まきを行い、翌年の6月ごろには収穫を迎えます。冬の寒さに耐え強い麦を育てるために行う「麦踏み」は、俳句の季語にもなっておりご存じの方も多いのではないでしょうか?初夏に穫れたての大麦をばい煎して水出しした麦茶は格別です。
麦茶の歴史
豊臣秀吉も飲んでいた?!
麦茶の原料となる「大麦」は、紀元前2~3世紀ごろに日本に伝来したと言われています。今の麦茶の元となる「麦湯」が誕生したのは平安~室町時代であり、貴族や武士の間で親しまれていました。かの有名な豊臣秀吉も愛飲していたといわれています。
庶民の飲み物になったのは明治から
庶民に親しまれるようになったのは江戸時代からで、「麦湯売り」という屋台で飲むスタイルが流行したそうです。家庭で一般的に水分補給として飲み始めたのは明治からで、その飲みやすさから瞬く間に広まったといわれています。
水分補給としての麦茶の効果
お食事の時に喉を潤したり、汗をかいた時にミネラルウォーター代わりとして飲まれている「麦茶」。ただ飲みやすいだけでなく、体に優しいプラスの効果があります。ここでは、体に優しい「4つの効果」を詳しくお伝えします。
ノンカフェインで飲みすぎても安心
ほとんどのお茶は「カフェイン」が含まれています。カフェインには利尿作用があり、飲みすぎると排出量が吸収量より多くなるため、脱水症状を起こす可能性があります。しかし、麦茶にはカフェインが含まれていないので、利尿作用の心配がなく飲みすぎても安心です。夏場の水分補給や妊婦さんも安心して飲むことができます。
カリウムが豊富で水分補給に最適
麦茶には「カリウム」が豊富に含まれています。カリウムは5大栄養素ミネラルの一種であり、食べ物の消化や吸収、筋肉や神経伝達に必要な「酵素」を元気にする効果があり、私たちの体に欠かせない栄養素です。麦茶はミネラルウォーター代わりとして普段の生活に取り入れることができます。
ポリフェノールで抗酸化作用がある
麦茶には、ポリフェノールの一種である「カテコール」「ゲンチシン酸」が含まれています。ポリフェノールには体の老化現象の元である「活性酸素」を抑制する作用があり、3大疾病の「ガン」「脳卒中」「心筋梗塞」のほか、生活習慣病である「糖尿病」にも効果があるといわれています。
夏場の水分補給で血液がサラサラに
麦茶の香ばしい香りの成分である「アルキルピラジン」には、血液の巡りをよくする作用があるとされています。夏場に汗をかくと水分が不足し血液もドロドロになりますが、ミネラルウォーター代わりに麦茶を飲むことで血液がサラサラになり、脳梗塞の発症を抑える効果があります。
麦茶と他のお茶との比較
お茶には、麦茶以外にも多くの種類があります。ここからは、それぞれのお茶の特徴と麦茶との違いを詳しく見ていきましょう。
麦茶と緑茶との違い
緑茶は茶葉を発酵させず作ったお茶で生葉の成分をそのまま残しています。ポリフェノールの一種であり、緑茶の渋みの元である「タンニン」を豊富に含み、活性酸素を抑制する効果があるほか、殺菌効果があり、虫歯や食中毒予防にもなります。麦茶と違い、カフェインが含まれています。
麦茶とウーロン茶との違い
ウーロン茶は中国発祥で、茶葉を発酵させて作ったお茶です。ウーロン茶には特有のポリフェノールが含まれており、脂肪の吸収を抑えて分解する作用があるため、ダイエット効果があり脂っこい食べ物と一緒に飲むとよいとされています。また、麦茶は火照った体を冷ますのに対し、ウーロン茶は体を温める効果があり、冷え性対策にもなります。
麦茶とほうじ茶との違い
ほうじ茶は、緑茶をばい煎して作っています。他のお茶と比べるとカフェインが少なく、ばい煎の過程でできる「ピラジン」や「テアニン」という成分により独特の香りとリラックス効果があります。麦茶と違い「カテキン」が含まれていて抗酸化作用や強い殺菌効果があります。
麦茶のおいしいいれ方
麦茶のいれ方は、パックと丸粒によって違います。ここでは具体的な麦茶のいれ方をお伝えします。お好みによって量や煮出し時間を調整して、あなた好みの麦茶を作ってみましょう。
パック麦茶のいれ方
パックの麦茶をおいしく作るコツは、水を沸騰させて火を止めてからパックを入れることです。
- ホットの場合、1Lの水を沸騰させる
- 火を止めてパック1袋(10g)を入れ、10分置く
- アイスの場合は、1Lの水にパック1袋を瓶に入れ、1~2時間冷蔵庫で置く
丸粒麦茶のいれ方
丸粒麦茶の場合は、煮出す時間と粒を取り出すタイミングが大切です。
- 水1.5Lに丸粒麦茶30gを入れる
- 3分煮出して火を止め、30分置く
- 茶こしでこす
まとめ
麦茶は、昔から日本人にとって馴染み深い飲み物であり、栄養面においてもノンカフェインでカリウムが豊富に含まれています。普段の水分補給はもちろん、夏場の汗をかいた時にも安心して飲むことができる麦茶を毎日の生活に取り入れて、体に優しい麦茶ライフを送りましょう。
出典:写真AC