ゲラニウム(高性種)の管理方法
ここからは、ゲラニウムの植え替えや切り戻し剪定などの管理方法について、またゲラニウムが咲かない場合の対処法もあわせてご紹介します。
植え替え
ゲラニウムの高性種は草丈が40cm以上になる種類も多く、適した環境であれば株も大きく育つため定期的な植え替えが必要です。植え替えの時期は、植え付け時期と同じく、2月中旬頃から3月、もしくは9月中旬頃から10月が適しています。
地植えの場合
地植えの場合、植え付けたら3年~5年に1回を目安に植え替えを行います。株が大きく成長し混みあってきた頃がタイミングです。株を傷つけないよう掘り起こしたら、傷んでいる根や細い根は切り落とします。庭土も鹿沼土や軽石を新しく混ぜてから植え替えましょう。
ボタニ子
株をコンパクトにしたい場合には、植え替え時に根元を切り分けて株分けもできますよ!
鉢植えの場合
鉢植えの場合は、2年に1回が目安です。株の成長が早いものは根詰まりを起こしやすいです。成長に合わせて定期的に植え替えを行いましょう。植え替えの際は、一回り大きい鉢に植え替えるか、株分けでコンパクトサイズにして同じ大きさの鉢に植え替えます。土は必ず新しい土を使うようにしましょう。
ボタニ子
地植えも鉢植えも、植え替え時に緩効性の肥料を適量混ぜておきましょう
切り戻し剪定
ゲラニウムの高性種は草丈があるものが多く、成長すると株が乱れやすいため定期的に切り戻しの剪定作業が必要です。また、咲き終わった花はそのままにせず、花茎から切り戻し剪定すると再び開花してきます。花後をそのままにしておくと、新芽や次に開花する花に栄養がいかず成長を妨げてしまいます。終わった花はなるべく早めに剪定しましょう。
- 切り戻し剪定作業は、切り口が乾燥しやすい晴れた日の午前中が適しています
- 切り口が湿ったままだと病気になりやすいです。湿度の高い日は切り戻し剪定は控えましょう
夏越しのポイント
ゲラニウムは夏の暑さが苦手です。夏越しさせるポイントは「とにかく日に当てすぎないようにすること」です。鉢植えであれば、風通しのよい明るい日陰で夏越しさせます。地植えで日が当たる場所に植えてしまっている場合は、市販の遮光ネットや日よけグッズを利用して夏越しさせましょう。夏越しがうまくいくと秋に再び開花し始めることもあります。
花がある程度咲き終わったら、草丈の半分くらいの高さで切り戻し剪定しましょう。風通しがよくなり夏越ししやすくなります!
冬期間の育て方
耐寒性が強いゲラニウムは越冬が可能で、寒さにより枯れることはほとんどありません。地植えは、冬前に枯れている部分を含めて短く切り戻してそのまま越冬させます。鉢植えも屋外であれば同じように短く切り戻して越冬させます。室内に取り込む場合は枯れている部分を取り除き、水やりは控えめで乾燥気味に育てましょう。
種類によって、地上に出ている部分が全部枯れるものと、枯れずに常緑のままのものがあります
ゲラニウムが咲かない
ゲラニウムの花が咲かない主な原因の1つが根詰まりです。根詰まりすると枯れてしまう可能性が高まります。花が咲かない場合には根の状態を確認する意味で植え替えてみましょう。また、地植えの場合は夏越しで根が弱ってしまった可能性があります。夏越しで弱った場合は回復が難しいですが、半日陰で様子をみましょう。
株分けする方法もあり
ゲラニウムは芽数が増えすぎることで、株がひ弱になったり花つきが悪くなったりしやすい植物です。株分けすることで芽数を減らすことができ、株が元気になります。
ゲラニウム(高性種)の増やし方
ゲラニウムの増やし方には主に挿し木と株分けの2つの方法があります。増やし方のポイントとともに、挿し木での増やし方と株分けでの増やし方に分けて解説していきます。
増やし方のポイント
- 挿し木と株分けで増やせる
- 挿し木も株分けも植え替え時期に行う
- 挿し穂は花が咲いていない元気な茎を選ぶ
- 株分けは古い土を落とし傷んだ根は処理する
- 地植えの場合日の当たり過ぎない場所に植える
- 植え付け後は水をたっぷり与える
挿し木での増やし方
挿し木で増やす場合はまず挿し穂を作ります。花の咲いていない元気な茎の先端を10cm程度の長さで切り口が斜めになるように切り、2時間~3時間水につけておきます。鉢やポットに挿し木や種まき用の培養土を入れ挿したら、水をたっぷり与え日陰で管理します。発根したら鉢や花壇に植え替えます。
ボタニ子
挿し穂の切り口に発根促進剤を塗ると発根しやすいですよ
株分けでの増やし方
株分けでの増やし方は挿し木で増やすより簡単です。掘り起こした株は古い土や傷んでいる根などをていねいに取り除いたら、自然に分かれている部分で切り分けます。地植えも鉢植えも、新しい土に植え替えます。植え替え後は水をたっぷり与えてください。
ゲラニウム(高性種)に多い病害虫
かかりやすい病気
病気にかかりにくい植物ではありますが、うどんこ病がかかりやすい病気と言われています。うどんこ病はカビが生える病気で、若い葉や茎が病気にかかりやすく、表面に粉をまぶしたような白い模様がでる症状です。放っておくと株が弱り花つきも悪くなり重度の場合では枯れてしまいます。うどんこ病専用の殺菌剤を散布しましょう。
気をつけたい害虫
アブラムシとナメクジ被害には注意が必要です。アブラムシは繁殖力が高く新芽や茎、葉にびっしりついて、アリをおびき寄せる分泌物を出す厄介な害虫です。見つけ次第増える前に専用の薬剤を散布しましょう。また、ナメクジは夜間に花や新芽を食い荒らしてしまう害虫です。夜間に観察し見つけ次第駆除します。ナメクジ対策用の薬剤を撒いておくのもよいでしょう。
まとめ
耐寒性が強く丈夫で、特に寒冷地では植えっぱなしでもよく育つため、初心者にも育てやすい植物です。花色が鮮やかでパッと目を引く青色や、柔らかいピンク色で可憐なタイプなど種類がとにかく豊富です。どんな植物ともあわせやすい自然な感じがとても魅力的な植物です。
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出典:写真AC