「むかご」とは?その正体やオニドコロやニガカシュウとの見分け方を紹介!

「むかご」とは?その正体やオニドコロやニガカシュウとの見分け方を紹介!

栄養豊富なむかごの見分け方と正体に迫ります。ヤマノイモのむかごに似ていると噂の、オニドコロやニガカシュウには毒性があります。うっかり食べて苦い思いをしないためにも、葉っぱやつる、むかごの形などから見分け方のポイントをご紹介します。

記事の目次

  1. 1.「むかご」とは何か?
  2. 2.ヤマノイモ(自然薯)の見分け方
  3. 3.オニドコロの見分け方
  4. 4.ニガカシュウの見分け方
  5. 5.まとめ

「むかご」とは何か?

Photo by titanium22

むかごとは「栄養繁殖器官」のことで、特定の植物の名前ではありません。簡単にいうと種のように、むかごが土に落ちるとそこから根や芽を出して新しく植物として育ちます。むかごの付き方には2種類あります。葉っぱから形成され、小さな球根のような形になるものと、茎が大きくなり芋の形になるものです。

【例】にんにくの「むかご」

こちらはニンニクの球根タイプのむかごです。普段食べているのは、葉っぱより下にある根っこの部分ですが、葉が茂ると徐々に上にもう一つのニンニクがむかごとなって出現します!

むかごは食べられる?

ヤマノイモのむかごは食用として人気

その植物自体が食用可能な場合、むかごも食べられる可能性が高い種類と言っていいでしょう。食用として普通「むかご」という場合は、ヤマノイモ・ナガイモなどの芋類のむかごのことを言います。ヤマノイモは一般的にはヤマイモの呼び方で親しまれていますが、ヤマノイモが正式名称です。また別名「自然薯(じねんじょ)」とも呼ばれます。ヤマノイモを栽培品種として改良したものが、スーパーなどで売られているナガイモです。栄養価の高いヤマノイモやむかごには、昔から人気があります。

栄養価が高く強精効果も

ヤマノイモのむかごは、エネルギーが凝縮されているので小さくても栄養満点です。また、強精効果もあります。ヤマノイモ自体も胃に良いムチン、ビタミンB群、C、カリウムなどのミネラルや食物繊維をバランスよく含んでいるので健康食材として認知されています。消化酵素のジアスターゼは加熱すると効果が無くなってしまうので、ヤマノイモはすりおろしなどで生食することがおすすめです。そういった意味でもとろろ芋は理にかなっている食べ方です。

ヤマノイモ(自然薯)の見分け方

ヤマノイモ(自然薯)に似た植物は2種類あります。苦い味が特徴で毒性をもつオニドコロや関東から西に存在するニガカシュウです。うっかり食べてしまわないように、まずは食用可能なヤマノイモの特徴をご紹介します。

基本情報

  • ヤマノイモ科
  • 多年草
  • つる性でつるは「左巻き」
  • 白い小花をつける

見分け方のポイント

丸いむかごができる

ヤマノイモの食用となる芋の部分は、地面に対して垂直にできます。葉っぱは対生で、細長いハート形です。その葉の茎の近くに丸くて小さなジャガイモのようなむかごができます。このむかごにも毒性はありませんので食用可能です。また例外なく秋になると黄色く色づき、オレンジ色に変化します。葉の紅葉を確認して掘り起こしてみましょう。

オニドコロの見分け方

基本情報

  • ヤマノイモ科
  • 多年草
  • つる性でつるは「右巻き」
  • 淡い黄緑色の小花をつける

見分け方のポイント

むかごはできない

オニドコロは、ヒゲのように強い根っこが、びっしりと芋を囲んで生えるのが特徴です。そして芋の部分は、地面に対して平行にできます。葉っぱは互生で、丸みを帯びたハート形をしています。むかごはできません。秋よりも早くから色づき、黄ばむ程度で中には黄緑色っぽい葉もあります。そしてオニドコロには苦い味からも想像できるように、毒性があります。その毒により苦いので、一般的には食べませんがアク抜きをして食べる地域もあります。

ニガカシュウの見分け方

Photo by Dinesh Valke

基本情報

  • ヤマノイモ科
  • 多年草
  • つる性
  • 花は白から紫へと変化する

見分け方のポイント

イボのあるむかごができる

まず、ニガカシュウは生息地域が関東以西なので、それより東の地域では今のところ見かけることはありません。根は大きく円形をしています。葉っぱは互生で、丸みを帯びたハート形のため、オニドコロと似ている葉っぱの形です。違いは葉脈がくっきりしていて細い線まで浮き出ています。ニガカシュウには、イボのあるむかごができますが苦いので食用にはむきません。また、ほかの特徴としては、柄がうっすら赤紫色であったり、葉柄上部に縮れたヒダがあるのも見分けるポイントです。

まとめ

  • 葉は細長いハート形で、秋には黄色く色づいている

  • つるは左巻きで、柄に赤みやヒダがない

  • むかごの形は丸い芋状である

食べて美味しく、栄養豊富なヤマノイモ(自然薯)のむかごの見分け方は上のポイントを参考にしてみましょう。むかごがなり始めるのは9月からですが、成熟すると落ちやすいので花が咲く時期や秋になる前にほかのポイントも参考に一度目をつけておき、秋になったら本格的に探し始めましょう。また、芋の部分を食べる場合は葉が枯れた後に収穫すると味がのっていて美味しいです。ヤマノイモか迷ったら、オニドコロやニガカシュウの特徴と一致する部分がないかどうか観察して比較してくださいね。

比較表

  ヤマノイモ(自然薯) オニドコロ ニガカシュウ
むかご 丸い芋 できない 突起のある芋
地面に垂直 地面に平行 円形
つる 左巻き 右巻き -
葉の形 細長いハート 丸いハート 丸いハート
葉の付き方 対生 互生 互生
淡い黄緑 白→紫に変化
食用 不可(アク抜きで可) 不可

最後に、万が一食べて苦味があった場合はすぐに食用を中止しましょう。この3種類の見分け方をマスターしてヤマノイモのむかごを野生で見つけ、楽しんでみてはいかがでしょうか。

うちみる ゆに
ライター

うちみる ゆに

自給自足の為の家庭菜園を実践中。彩り豊かな畑にしたく、日々試行錯誤しています!わかりやすくてタメになる。そんな情報発信を心がけます。

関連記事

Article Ranking