ブラキカムとは？種類や花言葉＆上手な手入れの仕方など育て方を解説！

ブラキカムは、オセアニア地域原産のキク科の多年草、または一年草です。小さなコスモスのような可憐な花を早春から初冬まで咲かせます。開花時期が長く、寄せ植えなどによく使われる人気の花です。

ブラキカムは、学名の「Brachyscome」を日本語化した名前です。日本ではブラキカムで流通していますが読み方がいくつかあり、「ブラキカメ」「ブラキコメ」「ブラキスコメ」と呼ばれることがあります。Brachyscomeはギリシャ語で、「短い（Brachy）毛束（come）」の意味で、種の冠毛が短いことに由来します。

花や葉の形がコスモスに似ていることから「宿根ヒメコスモス」「ヒメコスモス」の別名があります。草丈はコスモスとは大きく異なり、せいぜい30cmほどの小さな草花です。

英語圏では「スワンリバーデイジー（Swan river daisy）」とも呼ばれています。一年草の種類ブラキカム・イベリディフォリアの自生地の1つ、オーストラリア（パース）のスワン川周辺にちなんでいます。多年草の品種には、「ロックデイジー」「ロッキーデイジー（岩や石のある乾いた地に生育するので）」、または「グラス（草）デイジー」の愛称があります。

中心に黄色い管状花（筒状花）が集まり、花びらのような舌状花が周りに広がります。舌状花の花色は、薄い藤色、紫、青、ピンク、白などですが、濃いピンクや黄色の園芸品種も誕生しています。ほとんどは直径1cm弱～2cm程度の小さな花です。

茎はたおやかで、葉は繊細です。園芸品種の中には「チェリッシュ」のように葉も大きめで茎がしっかりしてる種類もあります。

高温多湿には弱いので、梅雨頃に刈り込みをして、夏越しさせます。半耐寒性で、積雪のない地域なら冬越しできます。

ブラキカムはオセアニア地域に60～80種類が分布しているといわれます。その中で、一年草のイベリディフォリア（iberidifolia）系と、多年草のアングスティフォリア（angustifolia）系、ムルティフィダ（multifida）系の3種類の栽培が盛んです。市場に出回っている品種のほとんどは、これらを交配させた種類です。（上の写真はムルティフィダ。）

ブラキカム・チェリッシュは、アングスティフォリア系のハイブリッド品種で多年草になります。花壇を彩る濃いピンクの花色が人気の品種です。しっかりしていて直立した茎と、葉幅が広いのが特徴で、夏に蒸れにくく育てやすい種類です。チェリッシュには「大切にする」「かわいがる」という意味があります。

ブラキカム・姫小菊は、アングスティフォリア系の品種で夏越しさせやすい多年草です。葉幅はチェリッシュに比べるとやや小さめです。花付きがよく、花色は紫色の他に、赤紫、ピンク色などがあります。

ブラキカム・マウブ・ディライトもアングスティフォリア系の品種です。花付きがよく、株がこんもり繁って丸い形にまとまりやすいのが特徴です。

ブラキカム・パープルステムは、パープルステムの名前通り、黒紫色のシックな茎（ステム）が特徴の品種です。多年草で、挿し木や株分けで増やすのに適しています。

ブラキカム・ブラスコ・バイオレットは、直径3～4cmの花を咲かせます。ブラキカムの中では大輪の花と言えるでしょう。葉もやや幅広で、株分けしやすい多年草です。

ブラキカム・イベリディフォリアは、オーストラリア西海岸に分布する一年草です。ブルースターやブラボー・ブルーなどの園芸品種がありますが、単に「ブラキカム（一年草）」として売られていることもあります。繊細で自然な姿が人気です。多年草のアングスティフォリア系に比べると多湿に弱い性質があり、夏前に必ず切り戻し（刈り込み）して夏越しさせます。