ラベンダーの系統・品種とその見分け方をご紹介!ラバンディン系って?

ラベンダーの系統・品種とその見分け方をご紹介!ラバンディン系って?

ラバンディンって聞いたことはありますか?ラベンダーの代表的な品種の一つなんです。気品ある癒しの香り、製油としての効能、愛らしい花、植栽としての存在感。今回はラバンディンを中心にラベンダーの系統・品種を分類し、種類別に見分け方を説明していきます。

記事の目次

  1. 1.ハーブ界の女王・ラベンダー
  2. 2.ラベンダーの種類と見分け方
  3. 3.ラベンダーの代表格・ラバンディン
  4. 4.ラベンダーの用途
  5. 5.ラベンダーを栽培するにあたっての注意
  6. 6.まとめ

ハーブ界の女王・ラベンダー

ラベンダーってどんなハーブ?

ラベンダーはシソ科ラバンデュラ属の常緑性低木で、その名前はラテン語で洗うという意味の【labare】に由来しています。原産地は主に地中海沿岸地方で、その種類は28種に分類され、人々の暮らしの中に芳しい香りを提供し、植栽としての楽しみや、虫や疫病除け、精油の薬効を目的として活用されてきました。ことにローズマリーやセージと共に、イングリッシュガーデンには欠かせない存在です。

ラベンダーの歴史

ラベンダーと人間が関わってきた歴史は古く、古代ギリシア・ローマ時代には、沐浴の際に既にラベンダーの花が使用されていました。イギリスでは17~18世紀に芳香剤や虫除けとして使われ、日本では昭和12年に香料作物として輸入された後、北海道での栽培が盛んになりました。近代医学の発展と同時にラベンダーの薬としての役割は終わりましたが、人々を癒すという意味でのラベンダーの存在は、現代社会においても揺るぎないものでしょう。

ラベンダーの色

白や黄緑色といった珍しい品種のものもありますが、基本的なラベンダーの色はピンク色~紫色といったところでしょうか。紫色とはいっても赤味がかったものから青に近いものまで、その色幅は多彩です。

ラベンダーの種類と見分け方

ラベンダーは大きく分けて、次の5つの種類に分類されます。

特性 系統 品種例
暑さに強く寒さに弱い プテロストエカス系 ピナータラベンダー
寒さに強く暑さに弱い アングスティフォリア系 イングリッシュラベンダー
暑さ寒さとも苦手でない ラバンディン系 グロッソ
   〃 ストエカス系 ストエカス
   〃 デンタータ系 デンタータ

耐暑性、耐寒性別に分類しましたが、あくまでもラベンダーの枠内であって、基本的には地中海性気候をベースに考えていただけるとよいでしょう。

では、5つの種類の見分け方も含めて品種別に特徴をご説明します。

暑さに強く寒さに弱い品種

ピナータラベンダー【プテロストエカス系】

ピナータとは「羽のような」という意味で、別名タイリンレースラベンダーとも呼ばれます。香りはあまりよくないのですが、繊細な葉を見て楽しむタイプといったところでしょうか。ひょろりとした花茎と羽のような葉が風に揺られている姿は、なんとも愛らしくエレガントです。寒さに弱いのですが、氷点下にならない暖地でしたら戸外でも冬越しできます。

  • プテロストエカス系の見分け方は、葉に特徴的なレース状の切れ込みがあることです。

寒さに強く暑さに弱い品種

イングリッシュラベンダー【アングスティフォリア系】

イングリッシュラベンダーは、別名コモンラベンダーや真性ラベンダーとも呼ばれます。特徴としては、ラベンダーの中でも最も香りが良いとされ、品質の高い精油は高価に取引されています。それからイングリッシュラベンダーは花や香りのほかにも、茂みの美しさに定評があります。

  • イングリッシュラベンダーの見分け方は、線状の細い葉で、株全体が白い綿毛に覆われていることと、粒上の細かい花が穂に密についていることです。

暑さ寒さ、共に苦手としないタイプ

グロッソ【ラバンディン系】

グロッソは、ラバンディン系の中でも大きな品種の一つです。フランスの代表的な品種で横に広がる特徴があります。ダイナミックかつ優美なその姿は見る人を圧倒させることでしょう。精油の収穫量も多いため、商業用に広く栽培されています。

  • ラバンディン系の見分け方は、大株で茎がしっかりとしていることです。

ストエカスラベンダー【ストエカス系】

ストエカスラベンダーは、別名フレンチラベンダーやスパニッシュラベンダーとも呼ばれます。特徴としては、花穂の大きさが他のラベンダーよりも短く、花穂の上に1㎝ほどの苞葉(ほうよう)があることです。園芸店の店頭などで見かけることも多いのではないでしょうか。色の種類も豊富で松に似た香りがあり、観賞用に栽培されることが多いです。

  • ストエカス系の見分け方は、花穂の上部にうさぎの耳のような長い苞葉があることです。

デンタータラベンダー【デンタータ系】

デンタータとは「歯のような」という意味で、別名フリンジドラベンダーとも呼ばれます。香りは強くありませんが、四季咲きのため観賞用としての価値があります。初夏に花が一段落した時点で株の1/3ほどを剪定し、夏に向けて風通しを良くするため、枝をすかしておくとよいでしょう。

  • デンタータ系の見分け方は、葉先にくし状の切れ込みが入っていることです。

そのほかのラベンダー

ラベンダーには上記の種類のほかにも、いろいろな品種があります。

スパイクラベンダー

別名ヒロハラベンダーと呼ばれるスパイクラベンダーは、先端が細く尖っているのが特徴です。紫色の花は小さめで緑色のがくの方が目立ちます。すっきりとしたスパイシーな香りがあり、薬用としてやサシェなどにも使われます。

スイートラベンダー

スイートラベンダーは、デンタータラベンダーとスパイクラベンダーの交雑種です。デンタータラベンダーと同様に、葉の縁にノコギリ状の切れ込みが入ることがあります。花は小さめですが、甘い香りがします。

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ラベンダーの代表格・ラバンディン

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