水栽培とは?
土を使わずに植物を育てる、水栽培という方法をご存じでしょうか。その名前の通り、水だけでさまざまな植物を簡単に栽培できます。その手軽さやインテリアとしても人気が高い水栽培のはじめ方と、簡単に挑戦できるおすすめの観葉植物を紹介していきましょう。
水栽培とハイドロカルチャーの違い
水栽培と同時にに取り上げられることの多い、ハイドロカルチャー。水栽培は水だけで植物を育てますが、ハイドロカルチャーは水と人工の土を使って栽培する方法です。人工土には高温焼いて乾燥させた粘土(ハイドロボール)やカラフルなゼリー状など、さまざまな形があります。
ボタニ子
「水耕栽培」という名前も聞きますが、水栽培との違いはあるの?
ボタ爺
水と液体肥料混ぜた溶液を使う栽培方法が、水耕栽培と呼ばれているよ。より植物が育ちやすいよう工夫する、一歩進んだ水栽培といえるね!
水栽培のメリット・デメリット
水栽培のメリット
水栽培は土を必要としないため、部屋の中だけですべての作業できます。天気や気温の影響も少なくてすみますし、土で汚れる心配もないためマンションにも向いた栽培法です。
水栽培のデメリット
デメリットというほどではありませんが、気をつけたい点は水温の変化です。室内でも日光などによって水の温度が上がってしまうと、植物が枯れてしまう原因にもなります。水栽培の際は水を清潔に保つことを心掛けましょう。
水栽培に適した植物
- 球根植物(ヒヤシンス、クロッカス、チューリップなど)
- 葉野菜やハーブ類(サニーレタス、カイワレ、ミント、バジルなど)
- 実のなる植物(イチゴ、トマトなど)
- 観葉植物や多肉植物(アイビー、パキラ、サボテンなど)
観葉植物におすすめの「水差し」
室内で育ちすぎてしまった観葉植物を剪定したとき、切り取った葉や茎を水に浸しておくと、新しい根や芽が出てきます。このような栽培方法を水差し(水挿し)といい、観葉植物を簡単に増やすことができる、おすすめの水栽培です。水栽培で育った観葉植物は、そのまま育ててもいいですし、水耕栽培や土栽培に切り替えることもできます。
水栽培のはじめ方
用意するもの
水栽培に必要なものは育てたい植物と水、そして入れ物となる容器です。容器は根の様子を観察しやすいため、プラスチック製やガラス製の花瓶などの透明なものがいいでしょう。水に加える液体肥料も用意できれば、植物が育ちやすくなります。
ボタニ子
ペットボトルで容器を手作りするのも手軽でいいね!
ハイドロカルチャーの場合
ハイドロカルチャーに挑戦する場合、水栽培に必要なものに加えて、ハイドロボールなどの人工土や植物を支えるための培地(ばいち)を用意します。専用の水耕栽培キットが1000円ほどから購入できるため、初めての方はキットを利用するのもおすすめです。
植え方
まずは花瓶や容器にきれいな水を入れましょう。液体肥料がある場合はここで適量を一緒に加えます。水の用意ができたら、植物を浸します。根が完全に水につかってしまうと根腐れの原因になってしまうので、根の3分の1くらいが水面から出るように調節してください。
水栽培のポイント
こまめに水を取り替える
清潔さを保つために、1日~3日おきには水を取り替えるようにします。特に暖かい季節は水の温度が上がりやすいので、水を替える頻度を増やしてください。水の量が多くなり過ぎないよう注意しましょう。
肥料を与える
水栽培には個体よりも、液体の肥料を使うのがおすすめです。既定の量を守ってご利用ください。肥料を与えすぎると、根焼けなど苗を弱らせてしまう原因になります。
置き場所に気を付ける
植物を置く場所によって、すぐに水の温度が上がってしまうのを防ぐことができます。直射日光を避け、レースカーテン越しくらいの明るい場所に置いてください。急激な温度変化も植物の成長を妨げます。気温が15℃~25℃くらいのところで育てるといいでしょう。
おすすめ観葉植物①ポトス
大きな葉っぱが特徴のつる性植物です。つるが育ってくると垂れ下がるため、雑貨といっしょに飾ってインテリアとして楽しむのもいいですね。育てやすく観葉植物としてもお馴染みです。
ポトスを育てるポイント
植え方
土栽培から水栽培へ切り替えるのは難しいので、育った部分を利用した水差しにしてみましょう。容器の5分の1ほど水を入れて、切り取ったポトスの茎を浸します。水を入れ過ぎないように気をつけてください。
注意すること
ポトスは寒い場所が苦手なので、15℃以下にならない場所に置くようにしてください。日光が少ないところでも大丈夫ですが、真っ暗な場所では光合成ができなくなります。
おすすめ観葉植物②サンスベリア
まっすぐに伸びた葉に独特な模様があり、その見た目から「トラノオ」とも呼ばれるサンスベリア。有害物質を吸収して、部屋の空気をきれいにする効果がある観葉植物です。
サンスベリアを育てるポイント
植え方
容器に水を1cmほど入れて葉を浸します。培地や人工土を使って葉を支えるようにすると、安定しますよ。水栽培ではサンスベリアの育ち方がゆっくりになるため、長く楽しめます。
注意すること
乾燥に強く虫もつきにくい植物ですが、水は毎日取り替えるようにしてください。日陰では育ちにくいため、明るい場所に置くようにしましょう。
おすすめ観葉植物③アロマティカス
ふっくらとした丸い葉に、白く柔らかい毛が生えている見た目が人気のハーブです。香りが強く、お茶や料理にも活用できますよ。
アロマティカスを育てるポイント
植え方
4月~6月頃の暖かい時期に、剪定した新しい芽を水挿しにします。枝の先端から10cmほどのところを、切り口が斜めになるように切り取ってください。
注意すること
アロマティカスも乾燥や虫にも強く、水栽培でも育てやすい植物です。暑い時期は水をこまめに替えましょう。風通しが良いところに置くのが、上手く育てるポイントです。
おすすめ観葉植物④パキラ
薄く艶のある葉が広がり、涼しげな雰囲気を持つ観葉植物です。洋室でも和室でも合わせやすく、部屋をおしゃれに彩ってくれます。
パキラを育てるポイント
植え方
パキラは葉や茎のどこを切っても育つほど強い植物です。剪定した葉を水に入れておけば、10日~15日ほどで、新しい芽が伸びてきます。
注意すること
毎日水替えをして、明るい場所に置きましょう。日陰でも育てられますが、その場合、一日に2、3時間ほど日光が当たる場所に出してあげてください。
おすすめ観葉植物⑤ガジュマル
肉厚でつるつるとした葉と、どっしりとした幹がユニークな形の植物です。「聖木」「多幸の木」とされるなど神秘的なイメージもありますね。
ガジュマルを育てるポイント
植え方
ハイドロカルチャーで育てるのがおすすめです。人工土に根腐れ防止剤を入れ、根の土をよく落とした株を植えてください。
注意すること
風通しが良く、明るい場所に置くようにしましょう。日光が好きな植物ですが、直射日光は避けてください。液肥を2週間に一度与えると、よく育ちます。
おすすめ観葉植物⑥サボテン
鋭いとげが特徴で、丸いものや細長いものなど、さまざまな形や種類を持つサボテン。観葉植物のアクセントにおすすめです。
サボテンを育てるポイント
植え方
土栽培で育てたサボテンを、根の半分ほど残して切り取ります。すぐに水に入れず、2~3日置いて乾燥させるのがコツです。
注意すること
水に入れる際は株が浸かってしまわないよう、水量に注意してください。日光が入る場所に置いておけば、2週間ほどで新しい根が伸びてきます。
まとめ
水栽培についてと水差しにおすすめの観葉植物をご紹介しました。お気に入りの花瓶やガラス容器を使って、あるいはペットボトルや栽培キットで手軽に、水栽培をインテリアに取り入れてみるのはいかかでしょうか。
引用:Pixabay