ハウチワカエデとは?名前の由来や特徴を解説!紅葉の時期はいつ?

ハウチワカエデとは?名前の由来や特徴を解説!紅葉の時期はいつ?

ハウチワカエデとはどんな木でしょうか?紅葉の時期に大きな葉が色づくのが特徴ですが、花や果実も魅力的です。街路樹として植えられることもあるハウチワカエデがどんな木なのか、葉や花の特徴や紅葉のおすすめスポットを整理してご紹介します。


記事の目次

  1. 1.ハウチワカエデとは?
  2. 2.ハウチワカエデの名前の由来
  3. 3.ハウチワカエデの特徴
  4. 4.ハウチワカエデの紅葉と見どころ
  5. 5.まとめ

ハウチワカエデとは?

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ハウチワカエデの基本情報

Photo by peganum

名前 ハウチワカエデ、羽団扇楓、メイゲツカエデ
学名 Acer japonicum
分類 ムクロジ科 カエデ属
分布 北海道、本州(東北〜中国地方日本海側)、四国(剣山)

 

ハウチワカエデとはどんな木なのでしょうか?ハウチワカエデは日本の固有種で山地のブナ林の中に生える落葉のある高い木です。剪定不要で育成しやすいことから庭園樹、街路樹としても植えられることがあります。葉が大きいことと日当たりや生育状況によって紅葉の色が異なることから秋にはカラフルな景色を楽しむことができます。

ハウチワカエデの生息地

出典:写真AC

日本固有種とされるハウチワカエデは、寒冷に強く北海道から本州の日本海側に多く分布しています。野生のものはブナ林、山地の沢ぞい・谷間や谷間に続く斜面に生育することで知られています。関東地方(東京付近)でも生育し、標高1000m以上の高地に見られます。紅葉が美しいことから北海道では庭園によく植えられています。

ハウチワカエデの名前の由来

名前は葉の形に由来

出典:写真AC

漢字で書くと「羽団扇楓」です。「ハウチワ」は葉の形が鳥の羽根で作ったうちわ(天狗が持つ羽団扇)に似ていることから名づけられました。また、「カエデ」は葉の形がカエルの手に似ていることに由来しています。

学名と英語名の意味

ハウチワカエデの「Acer」はカエデ、「 japonicum」は日本の、を表します。「日本固有のカエデ」ということで学名は葉の特徴よりも日本固有種であることに重きをおいた名前になっていますね。英語名は「Fullmoon maple」で次に紹介する別名のメイゲツカエデを英訳した名前となっています。

別名「メイゲツカエデ」

出典:写真AC

漢字で書くと「名月楓」です。全体的に丸いことと、秋の名月の光で落葉し、紅葉も見られるという意味から名づけられました。葉が大きいことから紅葉の美しさが際立つため、メイゲツカエデと呼ばれるのにも納得ですね。

ハウチワカエデの特徴

花の形と大きさ

出典:写真AC

花は紅紫色で、雄花と両性花が混生した小さい花が10~15花ほどずつまとまって咲くのが特徴です。花弁・萼片(がくへん)ともに5枚あり、雄しべは8本あります。花冠は紅色で直径約1センチメートル、6~7mmの萼の色は暗い紅色で、花びらの色は淡い黄色です。花言葉は「大切な思い出」です。花言葉を見ると大切な人にプレゼントするのも心が和みよさそうですね。

開花時期

出典:写真AC

花は4~6月に咲きます。小さな花のまとまりは花序と呼ばれ、花序の中心から咲き始め、順々に側方の花が咲いていくのが特徴です。最初の花が咲いてから最後のつぼみが開くまでの期間は3週間~4週間とされています。実は7~9月に熟します。果実は長い翼のある実がプロペラのような形をしており、長さ2.5cmになる2個の分果からなります。熟すと2つに分かれてプロペラを回転させながら落ちるのが特徴です。

葉の大きさ

葉は直径10~13センチで、モミジとカエデの仲間の中では一番大きいです。葉柄は葉身の4分の1~2分の1の長さで、2~4cmになります。重量感がある大きさで、天狗の羽団扇に例えられるのにふさわしいですね。

葉の形

出典:写真AC

葉質はやや厚く、葉の形は手の平を広げたように9〜11に切れ込みが入り、全体に鋸歯があります。若葉は両面に白色の軟毛がありますが、成葉では裏面の主脈および脈腋に毛が残ります。類似のカエデと比較すると、①葉柄が葉身の半分以下と短い②葉柄が有毛③裂片の切れ込みが浅い、などの特徴があります。

木の幹

ハウチワカエデの樹皮は灰青色でなめらかな感触があります。老木になると、樹皮が不規則に剥がれてしまいます。高さ5~10m、直径20〜30mと大きく育ちます。枝は紅紫色や赤褐色で無毛で光沢があるのが特徴です。

ハウチワカエデの紅葉と見どころ

「紅葉」と「黄葉」の特徴

出典:写真AC

紅葉の色は赤がほとんどですが、気候・地理的条件などにより橙色や黄色に紅葉するものもあります。紅と黄の葉がハウチワカエデでは有名ですので、さっそく特徴を見ていきましょう。

紅葉

光合成で葉の中に作られた糖分が葉の中に溜まり、濃度が上がったところに日光が当たると、葉緑素「クロロフィル」が分解され化学反応が起こり「アントシアニン」という赤色の色素に変化します。この「アントシアニン」の量が増えてくると葉の表面が赤くなり紅葉となります。日光が良く当たる場合には葉が赤くなる紅葉となります。

黄葉

次に黄葉が見られる場合を見ていきましょう。黄色くなる場合は、葉に当たる太陽の光が少なくなり、気温が低くなると緑色の葉緑素の成分が徐々に壊れて、それまで隠れていた黄色の粒子「カロチノイド」が見えてきます。葉が黄色く変化するのは、「カロチノイド」という黄色い粒子が葉の表面に現れることによって起こります。日光が少なく、気温が低い場合には葉が黄色くなる黄葉となります。

紅葉のおすすめスポット

奥入瀬渓流(青森県)

出典:写真AC

赤や黄色に美しく色づく紅葉と黄葉の両方が見られるスポットとして知られています。見ごろは9月上旬になります。ハウチワカエデ以外にもヤマモミジ、カエルの手のひらのような形をしたオニイタヤの葉の色づきを楽しむことができます。

皇居東御苑二の丸庭園(東京)

出典:写真AC

広い皇居の敷地に続く穏やかな庭園の眺めとともに葉の色づきを楽しむことができます。見ごろは例年11月中旬から12月初旬です。他にも二の丸の雑木林では、コナラ、クヌギを中心に、モミジ、ハゼノキなどの中低木や、ムラサキシキブ、ウメモドキ、エゴノキなどが植えられており、複数の木の紅葉を満喫することができます。

中島公園(北海道)

出典:写真AC

札幌中心部にある自然豊かな公園です。見ごろは10月中旬~11月上旬です。地下鉄中島公園駅から公園に入る園路にイチョウ並木があるのも見どころの一つです。ハウチワカエデ、ヤマモミジ、イチョウの紅葉が見どころです。

まとめ

Photo by John Rusk

カエデはご存知の方が多いかもしれませんが、その中でも羽団扇に似た形のハウチワカエデがあることを今回の記事で知っていただけたのでないでしょうか。紅葉(黄葉)を見て楽しむだけでなく、「あれはハウチワカエデ?」と見つける楽しみも感じていただけるでしょう。街路樹にもあるとのことで、身近なところにハウチワカエデの木が植えられているかもしれませんね。生活の中でハウチワカエデの存在を見つけて秋を一層楽しんでみませんか。

匿名ライター
ライター

匿名ライター

植物に癒されています☆

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