サフランの使い方について
生薬として使われるサフランですが、ハーブとしてスーパーのスパイスのコーナーで手に入れることができます。現在ではイランがサフランの生産と輸出の中心地となっており、世界の総生産量の約90%がイラン産です。日本では大分県竹田市で国内産の8割を生産しています。高価なため偽装品が出回っていますので、ISO規格などを参考に信頼のできるメーカーのものを購入するのがおすすめです。比較的高価ですが、スパイスですので使う量は少量です。以下に使い方をご紹介します。
①サフランを食べる
サフランは料理の黄色(黄金色)の色づけ、香りづけに使われます。ターメリックも黄色ですが、なんともいえない風味や香りは全く違います。それほど気になりませんが、食べると独特のほろ苦い風味があります。特に米や魚介類、乳製品と高相性で、パエリア、ブイヤベースなど、各国の人気メニューに使われています。 栄養、薬効を目的として薬膳にもよく使われます。
料理の際の注意
サフランの料理への使い方には注意点がひとつあります。
サフランの成分「クロシン(クロセチン)」は水溶性で油に溶けにくい性質なので、パエリアなどの場合にはあらかじめ水(または湯)につけて色と香りと味を十分に出して、いっしょに使うようにします。煮込み料理などには直接加えて色を引き出します。 栄養分と色は水に出てしまいますが、色が出たあとのサフランは、そのまま用いて食べることもできます。お好みで取り除いてもよいです。
レシピ(1)サフランのソース
とても簡単なサフランの使い方です。サフランを少量の湯で溶かしたものとはちみつを混ぜたソースをヨーグルトやアイスクリームにかけて食べると一手間加えたデザートになります。まとめて作って冷蔵庫で保存しておくことも可能です。
レシピ(2)サフランライス
サフランで色づけした風味豊かなライスです。料理へのとても簡単な使い方です。魚介類を使った料理に合います。また、インド料理ではサフランライスとカレーの組み合わせで食べることは定番です。
<材料>
サフラン ひとつまみ
米 3合
水 650cc
<つくり方>
サフランを650ccの水に入れて色出しをします(最低20分)。洗米してざるにあげておいた米といっしょに炊飯器にいれ、普通に炊きます。カレーや魚介類の煮込みなどと食べるのがおすすめです。
レシピ(3)スペインの伝統料理パエリア
サフランといえばパエリア。いろいろな具材とお米を炊き上げるパエリアはサフランのきれいな黄色と風味を楽しむことができ、見た目が豪華に仕上がり、パーティ料理にも最適です。
レシピ(4)南仏の郷土料理ブイヤベース
白身の魚とカニ、えび、貝などを煮込み、トマトやサフランで色と香りをつけたスープ料理です。もともとは漁師が商品価値のない魚を食べるために作られた料理だと言われています。栄養価が高く風邪などにも効果があることから、薬膳鍋ともいえます。世界三大スープの一つとされています。
②サフランを飲む
サフランを料理で食べるよりも簡単な使い方はサフランを飲むことです。サフランティー、サフラン茶とよばれるものです。 風邪気味のとき、寝つきの悪いときにおすすめです。
サフラン茶(サフランティー)(1)
<材料1杯分>
サフラン0.2g(ひとつまみ)
熱湯150 ml
よく乾燥したサフランをカップに入れ、熱湯を注ぎ、数分待ち橙色に色が変わると飲みごろサフランティーの出来あがりです。
サフラン紅茶(サフランティー)(2)
<材料1杯分>
紅茶1杯分 サフラン 数本
一番簡単なサフランティーです。ティーバックなどでいれた紅茶にサフランを数本浮かべるだけです。 中国茶などでもよいです。
サフランティーミルク
寒い夜におすすめのホットミルク+サフランティーです。栄養価の高い牛乳にサフランの効能がプラスされるので、風邪気味のときにおすすめです。味も飲みやすいです。
<材料>
牛乳 1カップ(200ml)
サフラン ひとつまみ
水 大さじ1
砂糖 小さじ1
はちみつ入りアイスサフランティー
冷たく冷やして飲むサフランティーです。レモンやオレンジを加えるとサフランの効能に、ビタミンCも加わって、栄養的にも風邪症状にもおすすめです。
<材料>
サフラン 0.2g
お湯 大さじ2
はちみつ 1カップ(200ml)
冷水 1ℓ(1000ml)
オレンジ 一口大に切ったもの5〜6切れ
レモン汁 小さじ2
<つくり方>
サフランを大さじ2のお湯に浸します(最低20分)。はちみつと冷水を加え、よくかき混ぜます。お好みでオレンジ、レモン汁などを加えて出来上がり。
③サフランの保存
密閉容器に入れ、乾燥した光のあたらないところに保存します。サフランは非常に劣化しやすいスパイスであるため、直射日光に当てたり、長時間空気中に放置したりすると、サフラン独特の香りが失われ品質が劣化するため注意が必要です。容器の臭いを吸収しやすいので、清潔な容器で臭いがないか確認するとよいです。適切な保存をすれば2年はもちます。高価なスパイスですので、ていねいに保存することがおすすめです。
まとめ
世界一高価なスパイスの王様サフランの効能と使い方
- 貴重なため高価なスパイスです
- 「クロシン」「サフラナール」「ピクロクロシン」などが主な成分
- 婦人病、鎮静、鎮痛、美肌に効能
- 体をあたため発汗を促す効能
- 記憶障害の改善
- 妊婦、授乳中の人は摂取をしないようにする
- 黄色成分は水溶性なので水につけて色と香りをだしてから使う
- 料理の風味づけやお茶に使うのがおすすめです
- 空気に触れないように乾燥した冷暗所で保存
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出典:写真AC