マロウの育て方①基本
マロウは、原産ヨーロッパにおいても日本においても、道端や原野で自生するほど丈夫な植物です。しかし、ご家庭などで観賞用にする場合は、大株になることも視野に入れて、育てる環境やお手入れなど、ガーデニングとしての育て方情報を手に入れておきましょう。
栽培環境
マロウは、日当たりと風通し、水はけのよい場所を好みます。日当たりが足りないと徒長しやすく、形の悪い伸び方をします。また、有機物の多い肥えた土壌を好みます。大株になるので、株間を約1m、深さを約30~40㎝以上は確保し、同時に支柱の用意もしておきましょう。
ボタニ子
植え付け前に、広く深く耕しておかないといけないわね!
用土
有機物の多い用土にするために、堆肥や腐葉土を用意しましょう。また、水はけのよい用土にするため、赤玉土や軽石をよく混ぜ込みましょう。割合としては、堆肥や腐葉土4と赤玉土4、軽石2程度でよいでしょう。
肥料と水やり
植え付けの際に、元肥として骨紛や緩効性の肥料を用土によく混ぜ込んでおきましょう。成長期となる秋や開花前の春に肥料を追加すると花の付きや花色がよくなります。水やりは、鉢植えの場合、よく土が乾いてから、地植えの場合には、根付いた後は、自然に任せる程度で問題ありません。
ボタ爺
夏場は、極端に土が乾かない程度で。冬場は、乾燥気味にする方がよいのじゃよ!
ボタニ子
肥料を与えすぎると伸びすぎて倒れやすくなるから注意が必要だよ!
病害虫
病害虫による被害はほとんどありませんが、ハマキムシやワタノメイガ、アブラムシによる葉の被害を受けることがあります。ハマキムシやワタノメイガは、幼虫が葉を使って巣を作り葉を食害していきます。アブラムシは、春の新芽を食害してしまいます。病害虫は見つけ次第、早急に対策しましょう。
植え付けよう!
マロウは、直根性で特に幼苗は移植を嫌うので、種から育てる場合には、直まきか大きく深い鉢でよく育ててから、定植するようにしましょう。定植に適した4~5月や9~10月に、株間80~100㎝程と深さ30㎝以上ある場所に、根を傷めないよう優しく植え付けて、水をたっぷりとあげて下さいね。
マロウには支柱が必要!
マロウは、株が生長するにつれ、高さが出てくるので家庭で栽培する場合には、30㎝程に伸びた頃に支柱を立てて、風や雨で倒れるのを防ぎましょう。支柱を立てることで、転倒を防ぐだけでなく、マロウの株を姿、形よく育てることができます。
マロウの育て方②お手入れ
マロウの基本的な育て方が分かったところで、次は、花をたくさん咲かせるための剪定や株の増やし方についてご紹介しましょう。マロウの株は、数年経つと株も花も小さくなり次第に枯れるので、それまでに株の更新作業をする必要があります。
剪定①開花に備えて
春や秋のマロウの生長が盛んな時期に、葉や枝が増え過ぎることがあります。そんな時は、清潔なハサミなどで、込み合った葉や枝を剪定して、風通しよく、また株全体によく日光が差し込むように整えましょう。さらに伸びすぎた茎は摘心をして、株丈を調節し、バランスよくたくさんの花が咲くようにします。
剪定②花の終わりに
咲き終わった後の花がらは、こまめに摘み取るようにしましょう。夏季後半の開花が全体的に終わった頃には、花茎を根元から切り戻して、新芽の生長を促しましょう。また、剪定をして、風通しをよくすることで、病害虫からの被害を防ぐ効果も得られます。
マロウの増やし方
マロウの増やし方は、基本的に春か秋に行う「株分け」と「種まき」の2種類がありますが、冬の寒さに耐えた株の根元付近から生えた脇芽を使って「挿し木(挿し芽)」で増やすことも可能です。
株分け
株分けは、株が大きく生長してから行います。株を深く掘り起こす必要があるので、地上部が枯れて落ち着いた9~10月頃に作業するとよいでしょう。1株に3~5つ程の新芽が付くようにハサミを使って、丁寧に株を切り割ります。植え付け後は、元株の育て方と同様です。
種まき
種まきは、春の3~4月か秋の9~10月に行いましょう。直根性であることに注意して、直まきか大きめの鉢かポットにまいて栽培します。そして、本葉が3~5枚になった頃に根を傷めないように定植しましょう。地植えにしている場合、こぼれ種で増えることもあります。
挿し木
挿し木は、冬越しした株の根元から出てきた脇芽を使います。脇芽が伸びてきた5~6月に、清潔なハサミなどで切り取り、切り口を1~2時間程水に浸し、挿し木用土や赤玉土(小粒)に切り口が痛まないよう優しく差し込んでから、たっぷり水をあげましょう。
ボタ爺
発根し、しっかりと根が伸びるまでは、光の入る日陰で水を切らさないよう毎日管理することが重要じゃ!
まとめ
- 1
- 2
出典:BOTANICA