効果が期待できる?コンパニオンプランツとはどんなもの?
野菜にはそれぞれ特性というものがあり、その特性は野菜の種類によって変わってきます。相性によって野菜の生長が促進され、病気や害虫に悩むことも少なくなります。このように、育てたい野菜を助ける植物を「コンパニオンプランツ」といいます。スペースを有効に使うことができるので、限られた場所でやる家庭菜園におすすめです。
コンパニオンプランツの効果①害虫が寄ってこない
害虫は匂いを頼りにしていて、好きな匂いと嫌いな匂いがあります。コンパニオンプランツを近くに植えてあれば、その匂いを嫌う害虫が近寄りにくくなります。そのため、害虫除けとして植えるのもおすすめです。
コンパニオンプランツの効果②病気になりにくくなる
野菜たちにも様々な病気があります。ですが病気を防いでくれる植物を近くに植えておけば、病気になりにくくなります。
コンパニオンプランツの効果③野菜が元気になる
害虫が寄ってこなくなり、病気になりにくくなれば、野菜たちも元気いっぱいに育ってくれます。それだけではなく、異なる野菜を一緒に育てることで、草丈が高くなったり収穫できる量が増えたりなどの効果も出てきます。
養分を供給してくれることも
また、必要とする養分を分けてくれるような野菜もあるので、その野菜たちを共に植えることでより元気に野菜を育てられます。例えばマメ科の根にいる根粒菌は、空気中の窒素を固定して土壌を豊かにするなどの効果があり、野菜が元気になります。
おすすめ!コンパニオンプランツの組み合わせ
アブラナ科×キク科・セリ科
アブラナ科の野菜にはたくさんの害虫が近づいてきます。キク科やセリ科の野菜たちが近くに植えてあれば、その独特な香りで害虫を防ぐことができます。
アブラナ科 | キャベツ・白菜など |
キク科 | 春菊・レタス・ごぼうなど |
セリ科 | 人参など |
きゅうり×ニラ
ウリ科であるきゅうりにおすすめしたいのが、ネギやニラなどの香りの強い野菜です。ネギやニラの匂いは「つる割病」という病気を予防する効果があります。また、虫除けにも有効なので、きゅうりの根と近くなるように植えるのがポイントです。
トマト×にんにく
にんにくは、万能な野菜です。ほとんどの野菜と相性がいいので、混植して防虫する効果が期待できます。また、にんにくの根には拮抗細菌という微生物がいます。その微生物が、トマトの大敵である「立枯病」の病原菌を退治してくれます。
ナス×ネギ
ネギの匂いが害虫を遠ざける効果があります。また、ネギの根にいる菌のおかげで、ナスが病気になりにくくなります。
組み合わせを変えても効果が期待できる
主な野菜 | 一緒に植える野菜 |
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きゅうりやトマト、ナスに起こりがちな病気である「青枯病」や「立枯病」をネギ科の野菜たちの根にいる拮抗菌が防いでくれます。
イチゴ・ウリ科×にんにく
にんにくの匂いには強い抗菌力があります。イチゴやウリ科の野菜は、にんにくと混ぜて植えることで病気や害虫の被害を抑えられます。
きゅうり×ラディッシュ
きゅうりとラディッシュの組み合わせは、「ウリハムシ」という害虫を予防する効果があります。また、きゅうりは浅く根を張るので、ラディッシュがきゅうりの乾燥を防ぎます。
ゴーヤ×ニラ・ネギ
ゴーヤとネギ・ニラは、根にいる微生物が老廃物などを分解しあいます。そのおかげで共に根が活性化されます。また、生育促進や土壌被害も出にくくなる効果が期待できます。
さつまいも×赤しそ
さつまいもに赤しそをコンパニオンプランツすることで、赤しその過剰な肥料分をさつまいもが吸収します。そのため、さつまいものつるぼけを防いでくれます。また、赤しその葉色がさつまいもにつく害虫を防ぎます。
しょうが×里芋
しょうがと里芋は日陰と水分を好みます。好みの同じ野菜たちは、どちらかが優先されることが多いですが、単独で育てるよりも一緒に植える方が元気になります。
そら豆×こむぎ
マメ科のそら豆とこむぎの組み合わせは、バンカープランツという方法がおすすめです。バンカープランツを行うことで、そら豆が好きな「アブラムシ」などの害虫の天敵をこむぎが呼び込みます。そら豆にアブラムシはつきやすいので、バンカープランツでこむぎを一緒に植えると防虫効果が発揮され、そら豆の生長に役立ちます。
バンカープランツとはおとり植物のこと
バンカープランツとは、病気や害虫などの被害に遭いやすい植物を植えることで、育てたい植物への被害を抑える方法です。バンカープランツもコンパニオンプランツの一種で、害虫の被害対策にはとても有効な方法です。
キンレンカやヨモギもバンカープランツとして使える
バンカープランツにはこむぎのほかにもキンレンカやヨモギなどが用いられます。これらも害虫を呼び込み、ほかの野菜たちへの被害を軽減できます。ほかにもバンカープランツの方法はありますが、相性が悪いとほかの野菜にも被害が及ぶ可能性もあるので注意してください。
ボタニ子
ボタ爺
かわいそうな気もするが、被害を最小に防ぐための作戦じゃ…
玉ねぎ×クリムソンクローバー
クリムソンクローバーはマメ科の植物で、「アザミウマ」や「アブラムシ」などの害虫を引き受けてくれます。そして、クリムソンクローバーはアブラムシの天敵である「テントウムシ」を呼び寄せて捕食を促し、雑草予防や土を肥沃にする効果もあります。
とうもろこし×インゲン・枝豆
とうもろこしとインゲン・枝豆の組み合わせによって、害虫が寄り付かなくなります。インゲンと枝豆はマメ科の野菜なので、マメ科の根につく根粒菌が土を肥沃し、根につく菌根菌がリン酸などの養分を吸収しやすくする効果も期待できます。
ナス×パセリ
ナスとパセリは相性がよいです。パセリの香りは独特で、その香りがナスに害虫が近づくのを防止します。また、パセリはいらない水分を吸収してくれるので、ナスの水分吸収を安定させてくれます。
人参×枝豆
人参と枝豆の組み合わせは、人参の害虫「アゲハチョウ」と枝豆の「カメムシ」が近寄りにくくなり、双方の生育もサポートしてくれます。
ほうれん草×葉ネギ
ほうれん草と葉ネギは相性がとてもいいです。葉ネギがほうれん草の硝酸を軽減させてくれるので、ほうれん草のえぐみが少なくなり甘くなります。
トマト×バジル
トマトとバジルの相性はとてもよく、お互いで補い合うことができるほどです。バジルはトマトの余分な水分を吸い上げてくれる効果があり、トマトは葉がバジルの葉焼け防止になります。また、バジルには防虫効果があります。
ピーマン×落花生・ネギ・パセリ
ピーマン×落花生
落花生は、ピーマンを大きく元気に育てたいときにおすすめです。落花生はマメ科なので、根につく根粒菌により土壌を肥沃してくれます。また、落花生の根につく菌根菌がリン酸などの養分を吸収しやすくしてくれるため、ピーマンが大きく元気に育ちます。
ピーマン×ネギ
ピーマンとネギは相性がよく、ネギによって害虫忌避と病気の対策になります。また、ネギは成長しても草丈がピーマンの高さを超えることはないので、日照不足になることもありません。
ピーマン×パセリ
パセリはピーマンにつく害虫を寄せ付けなくする効果があります。また、パセリが成長してもピーマンの株元に広がるだけなので、ピーマンの株元を乾燥させてしまうのを防ぎます。パセリも半日陰によって生育が促進されて、お互いにメリットのある組み合わせです。
ゴーヤ×玉ねぎ・パッションフルーツ
ゴーヤ×玉ねぎ
ゴーヤと玉ねぎを一緒に植えると、玉ねぎの匂いが「アブラムシ」などの害虫を防ぎます。また、「つる割病」や「青枯病」などの病気を防いでくれる効果もあります。
ゴーヤ×パッションフルーツ
ゴーヤとパッションフルーツの相性はとてもよく、ゴーヤに寄りつく「アブラムシ」などの害虫をパッションフルーツが防いでくれます。また、ゴーヤとパッションフルーツを組み合わせることで、家庭菜園でも立派なグリーンカーテンを作ることができます。夏場の避暑対策としてもおすすめです。
スイカ×ネギ・とうもろこし
スイカ×ネギ
スイカもウリ科なので、きゅうりなどと同じくネギなどのネギ科と相性がいいです。病気や害虫を防止してくれます。ですが、小ネギなどの小さなネギ科の野菜はスイカに負けてしまうことがあるので、長ネギなど大ぶりなものを一緒に育てることをおすすめします。
スイカ×とうもろこし
スイカととうもろこしの組み合わせは、害虫が近寄りにくくなります。また、両方の生育がよくなる効果があるので、夏場の家庭菜園にぴったりの組み合わせです。
え〜!病気や害虫をわざと誘う方法なんてあるんだね!