メランポジュームとは?
メランポジュームは中央アメリカからメキシコにかけて分布する春まきの一年草です。高温多湿に強く、暑くても元気に花を咲かせるので夏の花というイメージがありますが、春から晩秋までと長期間に渡り咲き続けます。手間をかけなくてもきれいな姿を維持してくれる、忙しいガーデナーにとって貴重な植物で、夏の花壇や寄せ植え、単品での鉢植えなどにも向いています。
メランポジュームの基本データ
学名 | Melampodium divaricatum |
英名 | Gold medallion flower, Million gold, Black foots |
別名 | メランポジウム、メランポディウム |
科名 | キク科 |
属名 | メランポジウム属 |
原産地 | 中央アメリカ、メキシコ |
分類 | 春まき一年草 |
草丈 | 20~80cm |
開花時期 | 5~11月 |
花色 | 黄色 |
メランポジュームの特徴①観賞期間が長い
メランポジュームは気温が上がってくる5月頃から咲き始め、上手に育てれば霜が降りる頃まで咲き続けます。真夏の高温下でも元気で、かわいい花を次々に咲かせます。明るいグリーンの葉もきれいで、さまざまな色の花とも合わせやすく、花壇やコンテナなどの寄せ植えにも利用できます。
メランポジュームの特徴②丈夫で手間いらず
とにかく丈夫で肥料もあまり必要とせず、病気や害虫の心配もほとんどないので、植物を初めて育てるから不安がある、という方にもおすすめです。花が咲き終わると次々に新芽が伸び、見ごろを終えた花を隠しながら新しい花を咲かせるので、花がら摘みをしなくてもきれいです。こんもりときれいにまとまりながら、どんどん成長してくれます。ですので、不安がることはなにもありませんよ。
メランポジュームの花言葉
「元気」
輝く太陽のようなかわいい小花をおよそ半年間も咲かせます。他の植物は休みがちな真夏にも株いっぱいに花をつける姿は、見ているだけで元気を与えてくれます。そんな様子から「元気」という花言葉がつけられました。
「小さな親切」
小花がぎっしりで花数が多いととてもきれいですが、反面、真夏の炎天下での花がら摘みはなかなかつらいものです。その作業をしなくても自分で美しい姿を保ってくれるというのは、私たちにとってはとてもありがたいこと。そのような性質から「小さな親切」という花言葉がつけられました。
「あなたはかわいい」
かわいいメランポジュームにぴったりな花言葉です。「あなたはかわいい」というメッセージを込めて、大切な女性へのプレゼントとしてもおすすめです。
メランポジュームの育て方
メランポジュームは初心者の方でも育てやすいとても丈夫な植物です。基本的には手間いらずといってもいいくらいですが、メランポジュームをより美しく、健康的に育てるためのポイントや注意点をご紹介します。
メランポジュームの育て方①育てる環境
風通しがよい、日なた~明るい日陰を好みます。花付きをよくするには日なたが適していますが、真夏の強すぎる日ざしや極端な乾燥を避けることができる、明るい日陰程度の場所でもよく育ちます。地植えの場合は、日当たりに加え、水はけのよい場所を選びましょう。
メランポジュームの育て方②水やり
花期も長く生育旺盛なメランポジュームは乾燥に注意が必要です。鉢植えは、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるくらいたっぷり与えます。庭植えは、雨が降らない日が続いたり、真夏の極端に乾燥するときにしっかりと水やりをしてください。葉が丸まってしんなりしてきたら水切れのサインです。とくに、乾燥しがちな日なたの鉢植えは水切れしやすいため、こまめに観察しましょう。
メランポジュームの育て方③追肥
鉢植えは、5~10月に緩効性肥料を施すか、薄めの液体肥料を2週間に1度のペースで与えます。葉の色が薄くなったら肥料切れのサインなので、よく観察しているとタイミングがわかってきます。庭植えは、しっかり土づくりをして元肥を施しておけば、追肥は必要ありません。肥料が多すぎると間延びしたり、葉ばかりが茂って花付きが悪くなることがあるので注意しましょう。
メランポジュームの育て方④用土
水はけがよい栄養豊富な土を好みます。自分で配合するなら、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂2、をよく混ぜ合わせるか、川砂の代わりに酸度調整済みのピートモスを利用してもよいでしょう。市販の草花用の培養土も手軽でおすすめです。地植えの場合は、庭土に完熟腐葉土や完熟たい肥をよく混ぜ込みます。
メランポジュームの育て方⑤植え付け
5~7月頃が植え付けの適期です。寒さに弱いので、暖かい日が安定して続くようになってから植え付けます。鉢植えなら一株当たり6号(直径18cm)くらいの鉢を用意し、地植えなら株間は20cmほど開けます。花付きをよくするためにリン酸が多く配合された緩効性肥料を元肥として与えると、その後の生育がよくなります。
メランポジュームの増やし方
種の採取
園芸店やホームセンター、インターネットなどでも種を入手できますが、自分で育てた株から種を採取する場合は、花がらをそのまま残して種がしっかり熟すまで待ちます。花がらが茶色く、花芯が黒くなったら種を取り出し、紙の封筒などに入れ、風通しがよく直射日光が当たらない涼しい場所で保管します。
種まき
5月頃、発芽適温の20度を超える日が続くようになってから種をまきます。育苗箱や育苗ポットなどの底が浅い容器に土を入れて種をまき、種が隠れる程度に土をかぶせます。その後、土が乾燥しないように水やりを続けると、10日~1週間ほどで発芽します。元気な芽を残して間引き、本葉が2~3枚になったらポットや鉢に植え替えます。また、育てる場所に直接種をまき、元気な芽を残して間引いてそのまま育てることも可能です。
メランポジューム栽培で注意したい病気・害虫
アブラムシ
病気にかかることはほとんどありませんが、春先にアブラムシが発生することがあります。いつの間にか新芽やつぼみにぎっしり群がり吸汁します。生育が衰える上に、ウイルスを媒介したりすす病を誘発する場合もあるので、被害が拡大する前に対処しましょう。アブラムシは窒素成分を好むので、被害が気になるときは窒素の配合が少なめの肥料に切り替え、日光を良く当て、風通しよく育ててあげましょう。
ハダニ
真夏の気温が高く乾燥した時期に、ハダニが発生することがあります。葉の裏に寄生して吸汁するため、葉緑素が抜けて葉が白っぽくかすれたような色になります。放置すると生育が衰え落葉し、枯れてしまう場合もあるので、見つけ次第対処しましょう。ハダニは水が苦手なので、葉の裏にこまめに水をスプレーすることで予防できます。
まとめ
メランポジュームは丈夫で手間がかからず、かわいい花は春から晩秋まで咲き続け、長期間に渡り楽しませてくれます。また、放任でも自然にこんもりと形よくまとまり、何より花がらつみをしなくてもきれいな姿をキープしてくれるという優秀な植物です。初心者の方も、忙しくてなかなかお庭のお手入れに手が回らないという方も、ぜひメランポジュームをお庭に取り入れてみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC