アリアケスミレの特徴
アリアケスミレは、スミレ科の植物で本州から九州まで幅広い地域で生息する植物です。アリアケスミレとの見分け方が難しいといわれているシロスミレですが、アリアケスミレとシロスミレは別の種類の植物です。ただしアリアケスミレとシロスミレが別の種類であることが分かったのは比較的最近のことなので、専門家であっても見分けるのが難しい植物でもあります。
アリアケスミレは踏まれても枯れない
アリアケスミレはスミレ科の植物ですが、とにかく丈夫なのが特徴です。少しくらい手入れをしなくても育ちますし、踏まれたくらいで枯れることもありません。しかも日当たりが悪い場所でもよく育つので、子どもたちが走り回る児童公園などで芝生の代わりに植えられていることもあります。
アリアケスミレの花の特徴
アリアケスミレとシロスミレの見分け方が難しいといわれる理由の一つは、花の特徴にあります。アリアケスミレとシロスミレの花は白い色をしているのが特徴ですが、アリアケスミレとシロスミレの2種類を並べて比べてもほとんどその違いが分からず、初心者が花を見て見分けることは難しいです。
アリアケスミレの花の色
アリアケスミレの花の色の基本は「白い色」です。しかし、他の色が混じらない真っ白い花が咲くわけではありません。ベースとなるのは白色ですが、うすい紫色の線が入ります。これがアリアケスミレの花の色の基本ですが、変色射やすいのもアリアケスミレの花の特徴なので、花によっては濃い紫色の線が入ることもありますし、ベースとなる色が白いものより紫が強い花が咲くこともあります。
アリアケスミレの名前の由来は有明の空
アリアケスミレの花の色は、生育環境や気温などによって変色しやすいの特徴です。アリアケスミレといえば白い花をイメージするのですが、実際のアリアケスミレの花は変幻自在です。その様子から「有明の空の色のようによく色が変わる花」といわれるようになり、これがアリアケスミレの名前の由来になります。
アリアケスミレの開花時期
アリアケスミレは日本全国で見られる植物なので、地域の気候条件や栽培環境によっても開花時期にややずれがおこります。ただし平均すると4月~5月に開花時期を迎えるので、春の花に分類されます。
アリアケスミレとシロスミレの見分け方①葉の特徴で判断する
アリアケスミレとシロスミレは葉の長さに違いがあるため、見分け方のポイントになります。アリアケスミレの葉は、シロスミレの葉よりも長いです。そのため同じ白い花をつけていても、葉が長い場合はアリアケスミレ、葉が短い場合はシロスミレと判断します。
葉が伸びる方向にも特徴がある
アリアケスミレとシロスミレでは、葉が伸びる方向に違いがあります。アリアケスミレは斜め上方向または水平方向に延びる特徴がありますが、シロスミレはまっすぐ上に向かって葉が伸びます。
アリアケスミレとシロスミレの見分け方②茎の特徴で判断する
アリアケスミレとシロスミレでは、茎の特徴も違います。アリアケスミレは、地上茎をあまり伸ばしません。さらに地下茎も短いので、根も地下茎から少ししか伸びません。シロスミレは、茎の高さが15cmまで伸びます。ただしシロスミレでも生育環境によっては10cm未満しか育たないものもあるので、地上に伸びた茎の長さで見分けるのはかなり難しいです。
アリアケスミレとシロスミレの見分け方③分布域の特徴で判断する
アリアケスミレとシロスミレは分布域の違いがあるため、分布域の違いに注目するのが一般的な見分け方です。アリアケスミレの分布域は本州、四国、九州ですが、北海道では見られません。これに対してシロスミレの分布域は、北海道を含む本州中北部が中心です。ちなみにシロスミレによく似た植物が近畿以西で見られますが、これはシロスミレの変種のホソバシロスミレです。
アリアケスミレは高所では育たない
アリアケスミレとシロスミレのもう一つの見分け方としてよく知られているのが、咲いている場所の標高です。アリアケスミレは低地の湿った土などを好むため、都会のアスファルトの隙間や河川敷などでよく見かけます。ただし標高1000m以上の場所には生息しません。これに対してシロスミレは標高1000m以上の寒冷地を好む植物です。そのため低地で咲くのがアリアケスミレ、高地に咲くのがシロスミレと判断します。
まとめ
アリアケスミレはシロスミレと見た目の特徴がよく似ているため、見分け方が難しい植物です。でも分布域と葉の形に分かりやすい違いがあるので、この2つの特徴の違いに注目するとアリアケスミレとシロスミレを見分けることができます。
出典:写真AC