スカシユリの育て方
ここからはスカシユリの育て方を紹介します。日本原産のスカシユリは、ユリの中では比較的育てやすい品種です。特に地植えの場合は、栽培環境さえ合っていれば、それほど手間はかかりません。しかし育て方のポイントを抑えれば、さらに健やかに、美しく育てられるでしょう。
育て方のポイント①栽培環境
日当たりと風通しのよさが絶対条件
まずは栽培環境を、スカシユリの好みに整えましょう。日光を好むので、日当たりのよい場所であることは絶対条件です。ただし耐暑性が低く、特に土が高温になると球根が傷んでしまうので、風通しのよい場所であることも重要ポイントとなります。また、地植えの場合は何年も同じ場所に植えていると、連作障害を引き起こしてしまうので、数年に1回は植える場所を変えましょう。
日光を好むといっても、直射日光や西日のような強過ぎる日差しは苦手だから注意してね。
育て方のポイント②植え付け・植え替え
植え付けの適期は?
植え付けの適期は10月~11月です。植え付けが遅れると地温が低すぎて発根がうまくいかず、生育不良の原因となってしまうので、できるだけ早めに植え付けましょう。スカシユリの根は、茎の途中と球根下部の2カ所から生えてきます。この両方の根を充実させるために、スカシユリの球根は深植えにするのが基本です。鉢植えは球根の大きさの2倍~3倍、地植えは球根の大きさの3倍の深さになるように植え付けましょう。
植え替えの適期と周期は?
スカシユリは同じ場所に植えていると、連作障害を引き起こしてしまいます。そのため鉢植えも地植えも、2年~3年に1度のペースで植え替えする必要があります。適期は植え付けと同じ10月~11月です。鉢植えは新しい土で植え替えましょう。地植えの場合は違う場所に植え付けます。
土・用土は?
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スカシユリは水はけのよい土を好みます。鉢植えは市販の草花用培養土、またはユリ専用培養土でOKです。自分で土を作る場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂1で配合した土を使いましょう。スカシユリは酸性土壌が苦手なので、地植えの場合は植え付ける2週間前に地面を30cmのところまで耕し、苦土石灰を混ぜて中和させます。その後は腐葉土や堆肥を2割~3割混ぜ込んで、土を寝かせておきましょう。
育て方のポイント③水やり
地植えの場合は、植え付け直後に水を与えます。植え付けてから1カ月の間は、乾燥しないように水やりしましょう。その後は日照りが続く時期でもない限り、水やりする必要はありません。鉢植えは土の表面が乾いたら、水やりするのが基本です。スカシユリは球根植物ですが乾燥に弱いので、特に鉢植えの場合は、水切れしないように注意しましょう。
育て方のポイント④肥料
スカシユリは、あまり肥料を必要とする植物ではありません。植え付けてから発芽するまでは、肥料は与えなくても大丈夫です。地表に芽が出て生育期に入ったら、2カ月に1回のペースで緩効性固形肥料を与える、もしくは2週間に1回のペースで液体肥料を与えればOKです。肥料は8月まで与えます。スカシユリは肥料が多過ぎると枯れてしまうこともあるので、与え過ぎに注意しましょう。
育て方のポイント⑤剪定
花後の花がら摘みが基本です。枯れた花を放置していると、球根の養分を余計に消費してしまうばかりか、病気や害虫が発生する原因にもなるので、早急に除去しましょう。花がら摘みは花首から切り落とします。スカシユリは花が終わっても、茎や葉で光合成を行っています。この光合成で得た養分で球根を肥やすので、茎や葉は自然に枯れるまで、そのままにしておきましょう。
育て方のポイント⑥病気・害虫対策
注意すべき病気は?
百合の仲間はウィルス病に感染しています。普通にしていれば無害ですが、他のウィルスに感染すると、たちまち発病してしまうので注意が必要です。ウィルス病であるモザイク病や急性落葉病は治療できない上に、放置していると他の株に感染してしまいます。感染した株は球根ごと抜き取って焼却処分しましょう。植えていた場所も、しっかり消毒してくださいね。
注意すべき害虫は?
アブラムシに注意が必要です。アブラムシは植物の汁を吸って株を弱らせる害虫ですが、その際に他の植物が持っていたウィルスを感染させる可能性があります。アブラムシは発見次第捕殺が基本です。特につぼみや開花中の花についていた場合は、花ごと除去しましょう。予防策として、オルトラン粒剤をまいておくのもおすすめです。
まとめ
スカシユリは明るい花色と上向きに咲く花で、見る人に元気を与えてくれる素敵な花です。切り花やフラワーアレンジメントにも向いているので、自分好みの花束にして部屋に飾ることもできますよ。スカシユリを鉢植えや花壇に、切り花にと、さまざまな場面で活用して、初夏のお家を素敵に演出してくださいね。
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出典:写真AC