牡丹・芍薬は見分けるのが難しい!
牡丹と芍薬は、日本では昔から愛されており「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美人にたとえられているほどです。どちらもピンク、赤、黄、白、紫色の花を咲かせ、一重咲き、八重咲き、半八重咲きととても多彩です。近年では品種改良されたくさんの種類があり、見分けるのがさらに難しくなっています。
牡丹・芍薬の概要
牡丹とは
牡丹はボタン科ボタン属の落葉低木で、木の仲間です。原産国は中国北西部で、中国の国花でもあります。花言葉には「風格」「富貴」「恥じらい」などがあり、大輪の花を付けることから、昔から「花の王様」といわれ親しまれてきました。
芍薬とは
芍薬も同じくボタン科ボタン属ですが、大きく違うのは多年草で草のなかまです。原産国は中国やモンゴルなどの東アジアで、昔から多くの国の人に愛されてきた花です。花言葉には「はにかみ」「謙虚」「恥じらい」などがあります。牡丹に比べると花が少し小さく、近年では結婚式のブーケなどに使われています。
ボタ爺
ボタニ子
ピオニーといえば、上品な甘い香りで香水としても人気があるよね。
牡丹・芍薬の見分け方
見分け方①開花時期
牡丹は4月~5月に咲き、牡丹が満開を迎える時期の5月~6月に芍薬が咲き始めます。しかし、近年では気候変動や、品種改良されさまざまな種類があるため同じ時期に開花することも多いです。
ボタニ子
先に開花するのが牡丹って覚えればいいんだね。
ボタ爺
しかし牡丹には10月から1月ごろが開花時期の寒牡丹、冬牡丹もあるから気を付けるのじゃ。
見分け方②葉とつぼみ
葉の形やツヤを見る
牡丹と芍薬の違いがはっきりしているのが葉です。牡丹の葉はツヤはなく、ギザギザした切り込みが入ったような形をしています。芍薬の葉は細長いく少し丸みがおびている形で、厚くツヤがあるのが特徴です。葉の大きさは、牡丹の方がギザギザして広がっている分、芍薬よりも大きいです。
つぼみを見る
花が咲く前のつぼみも、それぞれ特徴があり見分けるポイントです。つぼみの先が少し尖がった形をしているのが牡丹です。それに対し芍薬は丸く、つぼみからは蜜が出てベタベタしています。
見分け方③木と草
牡丹は木・芍薬は草
牡丹は、落葉低木です。牡丹の枝を見ると茶色くなっているのもあり、木というのがわかります。成長すると1m~2mくらいの高さになり、枝分かれし横に広がりながら木の形を作ります。芍薬は、多年草です。春になると芽を出し、枝分かれせずにまっすぐに育ち、茎先に花を1つ付けるのが特徴です。牡丹と違い、50cm~60cmくらいまでしか大きくなりません。
見分け方④花の散り方
牡丹は1枚ずつ花びらが散ります。散り始めると花びらが次々と落ち、さきほどまであったはずの花がいつのまにかなくなっていることも珍しくありません。芍薬は椿と同じような散り方で、花がまるごとボトッと大胆に落ちるのが特徴です。牡丹も芍薬もあっというまに花の形が無くなることから、散る様子を「崩れる」と表現されることもあります。
見分け方⑤冬の越し方
牡丹は木のため、秋になると葉が落ち幹と枝だけになり冬を越し、春になると枝から新芽を出します。草である芍薬は根だけを残し地上に出ている葉や茎は全て枯れて、春には土から新芽が出ててきます。この時期は木と草の違いがはっきり出るため、見分けるのが簡単です。
まとめ
花だけを見ると見分け方がとても難しい牡丹と芍薬ですが、木と草という大きな違いがありました。茎や枝ぶり、新芽を出してから枯れるまでの様子を見ると特徴がはっきり出ているのがわかるでしょう。庭や公園などで見かけたら足を止め、牡丹なのか芍薬なのかを見分けてみる楽しみ方もよいのではないでしょうか。
英語圏では、牡丹も芍薬も「ピオニー」と呼ばれていて区別されていないんじゃ。