トウモロコシの栽培方法:注意したいこと
トウモロコシは育てるにあたりいくつか注意することがあります。ここでは、注意点として病気や害虫などについて説明します。
病気
モザイク病
モザイク病は別名「ウイルス病」とも呼ばれている病気で、ウイルスが原因で感染する病気です。この病気にかかると、葉などにまだら模様などのモザイクが出てくるようになり、健康なものと病気のものの見分け方はこのモザイクで見分けます。感染源はアブラムイが一般的ですが、すでに病気に感染していた植物を切ったハサミに汁がついていた場合、他の植物をそのハサミで切ると病気に感染することがあるそうです。
モザイク病にかかると生育不良を起こします。治療法がない病気なので、病気にかかってしまった株は引っこ抜いて処分してください。
苗立ち枯れ病
発芽や芽出しのときに多湿にあうと苗が枯れる病気です。主に芽出し直後の苗が病気にかかり、そのまま枯れてしまいます。種子がすでにこの病気にかかっていることもあるそうです。種子が病気にかかっていた場合には、発芽や芽出しはせずに腐ってしまいます。薬剤で治療ができる病気ですが、発見時には枯れてしまっていることも多いため、この病気にかかってしまったら抜いて処分してください。
種子の段階で病気に感染していたら、芽出しや発芽する確率は低いので新しい種子をまいてくださいね。どの種子が感染しているかの見分け方はありません。
害虫
アワノメイガ
アワノメイガはトウモロコシ最大の天敵です。収穫したトウモロコシの皮をむいたら実を食べていたとうこともあります。アワノメイガは、雄穂が開花するころに雄穂の匂いに誘われてやってきて産卵します。卵がかえるとトウモロコシの茎から雌穂に入り込み食べてしまいます。アワノメイガの食害を防ぐためには、穂が出る前に農薬散布する、受粉後雄穂をすぐに切り取ってしまうという方法があります。
アワノメイガに実が食べられているかの見分け方はとってもかんたんです。皮をむいて穴が開いていたら虫がいます。
アブラムシ
モザイク病などの病気を運んでくる可能性があるアブラムシにも注意が必要です。多くの種類が存在し、植物の汁と吸うために集まってきます。多湿の環境にあると発生しやすくなります。アブラムシを発生させないためにも風通しのいいところに植えるようにしましょう。
トウモロコシの皮をむいたらアブラムシがびっしり!ということもあります。
1か所に違う品種を植えない
トウモロコシにはさまざまな品種があります。ですが、これらを同じ場所に植えてしまうと花粉が交雑してしまうことがあります。交雑してしまうと、本来持っていた特性が出なくなることがあるので注意が必要です。
トウモロコシの栽培方法:プランターでの栽培
トウモロコシは実はプランターでも栽培することができる植物です。ここでは、プランター栽培について紹介します。
プランターのサイズ
トウモロコシをプランターで育てる場合には、大きめのプランターで育てる必要があります。トウモロコシは根をまっすぐに伸ばしていく植物です。そのため、深さが60cm以上はあるプランターが望ましいです。1つのプランターに複数植える場合は、横の長さもそれなりに必要になってきます。
使用する用土
プランターで栽培する場合は、市販で販売されている培養土を使うのが望ましいです。赤玉土などを配合して土を作ることもできますが、市販されている培養土を使用した方がラクです。市販の培養土を使うさいは、肥料が入っているかを確認しておくこともポイントです。肥料が入っている土であれば、元肥となる肥料は与えなくても大丈夫です。
植える土作り
プランターを使用する場合は、まずは水はけをよくするためにプランターの底にゴロ石をいれます。その後、ウォータースペースを残し土を入れていきます。すでに肥料が入っている培養土であればこれで完成です。
種まきの時期と植え方
基本的には地植えのときとやり方は変わりません。いきなりプランターに種まきをするのではなく、ポットに種まきをしてからプランターへ移植するというやり方もあります。
ポットへ種まき
種まきする時期も地植えのときと同じです。地植えのときは1つの穴に2~3粒のトウモロコシの種をまきましたが、ポットで種まきを行う場合は1つのポットに2~3粒まくのがポイントです。種をまいたあとは鳥に食べられたり、気温が安定しなく発芽や芽出ししないこともあるので可能であれば家の中にいれてあげてください。その後、間引きもポットの中で行います。間引きした苗が元気そうであれば、開いているポットに植えてあげるのもいいかもしれません。
苗の植え方
プランターへの苗の植え方は、芽出し後本葉が2~3枚に育った時期に行います。土を入れたプランターに苗より少し大きな穴をあけ、その穴に苗を植えていきます。植えるときのポイントは、ポットからだしささいに根を崩さないことです。複数植える場合は株間を30cmあけて植えるようにしましょう。植え終わったら土をかけ、軽く土寄せをし、水をたっぷりを与えます。
プランター栽培の管理方法
間引き
プランターに植えた段階では、まだ2回目の間引きを行っていません。そのため、プランターに植えたあと2回目の間引きを行います。間引きのタイミングも地植えのときと同じです。
肥料・追肥
芽出し後本葉が6~8枚になった時期と雄穂がでてきた時期に追肥を行います。追肥の方法は、地植えのときと一緒で株元に与えるようにしましょう。
水やり
水やりは地植えのときと違い、注意が必要です。表面が乾いたら水をあげるのは変わりませんが、水切れを起こすのが早いです。ただし、与えすぎは根腐れにもつながりますので水切れを防ぐために1日に何回も水やりをするのではなく、1回の水やりでたっぷりと行うようにしましょう。
土寄せ
プランターでの植え方をした場合は、適宜時期を見て土寄せを行ってください。水をあげていると土が下がってくることがあるので、様子をみながら土寄せを行ってくださいね。また、ベランダなどで育てている場合には風で倒れてしまうこともあります。そのため、土寄せはしっかりと行いましょう。土寄せだけでは難しい場合は支柱を立てるのも一つの方法です。
受粉
プランターで育てる場合は、地植えで育てる場合よりも株数が少なくなりがちです。なので、しっかりと受粉を行いましょう。雄穂を切って、雌穂にこすりつけてください。
雌穂を取る
プランターでの植え方をした場合にも、雌穂を取るのを忘れないようにしましょう。一番上の雌穂を残してすべて取ってしまいます。ここまで、種まきから大体約2カ月の日数です。
収穫時期
収穫時期も地植えのときと変わりありません。もちろん、収穫できるトウモロコシの見分け方も地植えと変わりありません。鳥に食べられないように、収穫しましょう!
おいしいトウモロコシの見分け方
収穫したトウモロコシやお店で買ってきたトウモロコシがおいしいのか、気になるところですよね。ここでは、おいしいトウモロコシの見分け方を紹介します。
ヒゲでの見分け方
ヒゲがふさふさ
収穫した中に、ヒゲがふさふさしたトウモロコシがあるかもしれません。このヒゲ、トウモロコシの雌しべに当たる部分です。このヒゲがふさふさしていると、実がぎっしり詰まっているとうことになります。
ヒゲが湿っている
ヒゲが湿っているものは、新鮮な証拠です。逆に、ヒゲが乾燥してしまっているものは収穫してから時間がたってしまっているものです。なので、お店などで選ぶ場合はヒゲが湿っているものを選ぶようにしましょう。
重さでの見分け方
トウモロコシを収穫したとき、手に取ったときにずっしりと重みを感じるものがあると思います。その重みは実がしっかりとつまっている証拠です。お店で選ぶ際はぜひ手にとってみてくださいね。
切り口での見分け方
新鮮なものは、お尻の切り口が変色していないのが特徴です。つまり、日がたつにすれてこの切り口は黒ずんできます。選ぶ際は切り口が変色していないものを選ぶようにしましょう。
まとめ
夏に出回るトウモロコシは、プランターやお庭でも栽培できる植物の1つです。最終的には1株に1つのトウモロコシにしますが、その前に収穫したものはヤングコーンとして食べることができます。ぜひ、この機会にトウモロコシ栽培にチャレンジしてみてくださいね!
出典:写真AC