ストレプトカーパスとは
蘭のような小さな花を咲かせるストレプトカーパスは、ガーデニング初心者の方にも育てやすい品種です。手入れをすることで、毎年綺麗な花を楽しめるでしょう。どのような品種なのか特徴をご紹介します。
ストレプトカーパスの基本情報
科属名 | イワタバコ科ストレプトカーパス属 |
形態 | 多年草 |
原産地 | アジア、アフリカ、マダガスカル |
草丈 | 20cm~30cm |
開花期 | 5月~10月 |
花色 | 紫、白、赤、ピンク |
耐暑性 | 弱い |
耐寒性 | やや弱い |
草丈が30cm程までしか育たないため、庭植よりも鉢植えの方が適性はあります。花色は紫が主ですが、品種によっては白や赤、ピンク色もあり、一緒に植えることで華やかな雰囲気に見えるでしょう。
ストレプトカーパスの花言葉
ストレプトカーパスの花言葉には「ささやきに耳を傾けて」「信頼にこたえる」「真実」があります。「ささやきに耳を傾けて」は風に揺れる花の様子から、「信頼にこたえる」はその開花期の長さから、それぞれ生まれた言葉といわれています。大切な人に贈るにふさわしい花言葉ですね。
ストレプトカーパスの品種
ストレプトカーパスは130品種ほどあり、そのほとんどが葉がロゼット状のタイプと、茎が立つタイプに分けられます。葉がロゼット状のタイプは園芸品種も多く、花の色や大きさも豊富です。ここでは130品種のなかでも人気の3品種をご紹介します。
サクソルム
サクソルムは茎が立つタイプのなかでも代表的な品種です。多肉植物のような厚みのある葉をつける点に特徴があります。花の色は濃淡のある青や紫などさまざまです。開花期が終わった後も葉は残るため、観葉植物としても充分に楽しめます。
クリスタルアイス
クリスタルアイスはロゼットタイプのなかでも特に人気のある品種で、白色の花に青の縞模様が特徴です。葉は大きく生い茂っており、葉脈が目立ちます。花の色と相まって上品な印象を与える品種です。鉢植えだけでなく釣り鉢に植えて室内で楽しむと、部屋に落ち着いた雰囲気を漂わせるでしょう。
レクシー
ロゼットタイプのレクシーは初期に発見された品種で、多くの園芸品種の元となっています。長さが30cm程度の葉を放射状に伸ばす特徴があり、白い花の中心には濃い紫の筋が入ります。
ストレプトカーパスの育て方
ストレプトカーパスは開花期が長く華やかであることから、人目につくことの多い玄関などを置き場にするのがぴったりです。育て方はそう難しくないため、いくつかの点に注意し元気な花を咲かせてください。
ストレプトカーパスの育て方①用土
水はけがよく清潔な用土を準備しましょう。ピートモス:バーミキュライト:パーライトを1:1:1の割合で混ぜます。市販の用土を使用する場合は、同じイワタバコ科で育て方の似ているセントポーリア用の用土を使用するとよいでしょう。どちらの場合も鉢底に鉢底石を敷き、通気性や排水性を確保します。
ストレプトカーパスの育て方②植え付け時期
植え付け時期はストレプトカーパスの苗が流通し始める3月中旬、または9月中旬ころがよいでしょう。庭植えにはあまり適していないため、鉢を用意し植え付けてください。その際に深植えしないよう注意が必要です。
ストレプトカーパスの育て方③置き場所
春と秋は、やわらかい日差しの当たる置き場所を選びましょう。暗い場所や、あまり日に当たらせずにいると、花付きが悪くなり株も弱まります。夏は直射日光の当たらない風通しのよい半日陰に、冬は日当たりのよい室内を、それぞれ置き場所としてください。冷暖房器具の風が当たらないよう、また、高温や乾燥にも注意が必要です。5℃以上で越冬できるため、室内の温度や日当たりには気を配りましょう。
ストレプトカーパスの育て方④水やり
開花期は用土の表面が乾いたら水やりを行いましょう。しかし、夏は水を吸収しにくくなり、冬は成長がゆっくりとなることから、水やりを行いすぎると根腐れをおこします。そのため、用土は乾き気味に管理する必要があります。ある程度の湿度を好むため、多湿となる時期以外は1週間に1回を目安として葉水をすることも重要です。
ストレプトカーパスの育て方⑤肥料
春と秋に2000倍に薄めた液体肥料を、1カ月に2~3回与えましょう。夏と冬は成長がゆっくりのため、肥料は与えないようにしてください。日当たりがよく葉も健康的であるにもかかわらず花付きが悪い場合には、やや濃いめの液体肥料を与えるとよいでしょう。
ストレプトカーパスの植え替え方法
ストレプトカーパスは根の成長が早く、根詰まりを起こしやすい品種です。根詰まりを起こすと成長が悪くなり花が枯れますので、2年に1回は植え替えを行ってください。植え替える場合は一回り大きい鉢を用意し、春か秋に行うのが適切です。また、植え替える際は古い土を落とす、根が傷んでいればカットするなどの手入れも必要です。同時に株分けも行えます。
ストレプトカーパスの増やし方
ストレプトカーパスの増やし方は、一般的な方法である挿し木、肉厚な葉を持つ品種であれば行える葉挿し、植え替えと同時に行える株分けの3通りあります。それぞれの品種や成長の具合に応じた方法を選んでください。
ストレプトカーパスの増やし方①挿し木
挿し木は5月~7月頃に行いましょう。元気のある茎を10cm程度切り取り、鹿沼土やバーミキュライト、挿し木用の用土などの清潔な用土に挿します。根付くまではたっぷりと水やりを行い、根付けば時期に合わせて、先述した水やりの方法で管理してください。
ストレプトカーパスの増やし方②葉挿し
葉挿しは最も簡単な増やし方ですが、肉厚な葉でないと行えないため注意が必要です。6月~7月頃に成長した葉を摘み、乾いた用土の上に置いておきます。数日で根が生えるため、用土に挿しましょう。芽が出ると葉は枯れますが、無理に取ろうとせず自然に取れるまで待ちます。
ストレプトカーパスの増やし方③株分け
株分けは9月頃までに行うようにしましょう。気温が15℃を下回る環境では枯れる可能性が高くなります。株の根を傷つけないよう2株に分けてください。3株以上であると、枯れる可能性があります。多く増やしたい場合は他の方法を検討しましょう。
ストレプトカーパスがかかりやすい病気
葉や茎が生い茂り風通しが悪くなると、カイガラムシが発生します。成長具合に応じて剪定を行うことで防げます。発生した場合には拭き取りましょう。また、空気の乾燥が続くことでハダニが発生します。先述した通り、1週間に1回の葉水を行うことで防げます。発生した場合は水をかけて洗い流しましょう。
ストレプトカーパスの剪定・手入れ方法
通気性や日当たりの確保、カイガラムシの発生予防のために茎や葉の剪定を行いましょう。同時に挿し木や葉挿しも行えますね。また、ストレプトカーパスには花がら摘みといった手入れが必要不可欠です。花がらを放っておくと、カビの発生や花数が減る原因となります。花が終わるたびにこまめに摘み取るよう心がけましょう。
まとめ
ストレプトカーパスは育て方が難しい植物ではありません。日当たりは育てるうえで大切なポイントでした。夏は直射日光に注意しましょう。窓際などに置き、レースカーテン越しの日光があるとよいですね。ガーデニングに興味のある方はぜひチャレンジしてみてくださいね。
出典:写真AC