エリカとは
小花をたくさん咲かせるエリカは、世界中に約740種類あるとされています。一般的に流通しているジャノメエリカをはじめ、さまざまな形状の花を咲かせるため一見同じエリカ属に見えないかもしれません。基本的な種類は、高温多湿が苦手で耐寒性に優れたヨーロッパ系が十数種と、それ以外の耐暑性に優れて耐寒性も中程度といった南アフリカ系に分かれます。
基本情報
学名 | Erica |
別名・和名 | ヒース、ハイデ、ハナスギ |
園芸分類 | 庭木、花木 |
科・属名 | ツツジ科エリカ属 |
形態 | 低木 |
草丈・樹高 | 15~300cm(主に20~80cm) |
花の色 | 白、ピンク、赤、橙、黄 |
耐寒性 | 中~強 |
耐暑性 | 中~強 |
開花時期 | 種類による |
植える時期 | 蕾のある時期と開花時期を避ける |
用途 | 花壇、鉢植え、グランドカバー、ドライフラワー |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
名前の由来
エリカ
エリカ「Erica」の名前の由来には2つの説があります。
- 「ほうき」を意味するラテン語の「Eric」からきており、エリカ属の植物の柄でほうきを作ったことが由来という説
- 枝が折れる際に裂けたような形状になることから「裂ける、砕ける」を意味するギリシャ語の「ereike」が由来という説
ヒース・ハイデ
英語名のヒース「Heath」とドイツ名のハイデ「Heide」はどちらも荒野を意味します。これはエリカが荒野に自生していることが由来です。名前の語源から、小さな花でもたくましい植物だということがうかがえますね。
ハナスギ
日本での別名である「ハナスギ」は、花の咲いていない時期のエリカが、スギの木のように見えることからきています。針状で常緑の葉が集まったようすは、スギとよく似ています。
エリカの特徴
特徴①花
エリカの花の形は、壺状、ベル状、細長い筒状と多彩で、どれも多花性です。品種によっては枝葉が見えなくなるほどびっしりと花をつけます。日本で一般的に流通している品種は暑さを苦手とするものが多く、耐暑性に優れるジャノメエリカ以外は一年草扱いと考えたほうがよいでしょう。花冠は宿存性があり開花後もそのまま残るため、ドライフラワーにも向いています。
特徴②葉
ハナスギの別名どおり、エリカの葉は花のない時期は遠目にスギのように見えます。品種によってはゴールドなどの葉色もあり、カラーリーフとしても楽しめるのも魅力です。枝の性質は柔らかく折れやすい傾向があります。エリカは高温多湿を苦手とするものが多いのですが、極端に乾燥させると葉が落ちてしまうため、水切れのサインを見逃さないよう常に葉のようすを観察することが大切です。
特徴③花色
ピンク色の花色のイメージが強いエリカですが、白、赤、黄色、オレンジといった色の花もあります。スギのような葉ということで、クリスマスシーズンには、白いベルのようなスズランエリカや、薄紅色で筒状の花を咲かせるクリスマス・パレードといった品種がツリー仕立てにされて店頭に並びます。
特徴④開花時期
エリカの開花時期は種類によって違い、主に春咲き種、夏~秋咲き種、冬~春咲き種、不定期咲き種に分かれます。また植える時期に適しているのは春と秋の年2回ですが、蕾のついている時期や開花中を避けてください。
ボタニ子
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出典:写真AC