中国の花といえば?
中国に「国花」はある?
「中国の花」と聞いて何の花を連想しますか?牡丹?蓮でしょうか?では、「中国の”国花”」は何でしょう?かつて中国では国花が定められた時代があったといわれますが、現在はさまざまな民族が暮らし、多様な文化を持つために国花を一つの花に絞ることが難しく、正式に国花が定められていません。
「国花に相応しい花」第1位は牡丹!
中国では今のところ国花が定められていないのですが、中国花協会が2019年7月、「国花に相応しい花」についての投票をオンラインで受け付けたところ、「牡丹」が第1位を獲得しました。その後中国花協会はこの結果をもとに、牡丹を国花とする案を国務院の関連部門へ報告し、全国人民代表大会(日本の国会に相当、年一回毎年3月頃開催)で正式に決定する予定としています。(2019年12月現在)
「国花候補」は梅や蓮、菊など
先のオンライン投票で中国の国花に相応しいとされた花には、第1位を獲得した牡丹をはじめ、バラ、蓮、梅、菊、蝋梅(ロウバイ)などがあります。
ボタニ子
ここからは「中国の国花」候補になった花を含め、中国で縁起がよい・おめでたいと喜ばれる花をご紹介します。
中国の花①牡丹
中国原産の百花の王!
牡丹は中国北西部を原産とする樹木で、大ぶりの花が特徴です。花色は赤やピンク、紫、黄色から複色のものまでさまざまです。古くから薬用として利用されてきましたが、のちに花の美しさを観賞するようになりました。中国ではおめでたい、縁起のよい花として愛される花です。
花言葉は「風格」「富貴」
牡丹の花言葉は「風格」「富貴」です。中国で牡丹の花は栄華富貴の象徴とされます。
中国の花②梅
中国原産の落葉高木
梅は中国原産の落葉高木で、遣唐使によって日本に持ち込まれたといわれます。まだ寒い冬の終わりから桜より先に花開き、春の香りを届けてくれる梅は、中国では「勇気」「希望」「新しい命」の象徴とされます。
花言葉は「高貴」「高潔」「忠実」など
梅の花全体の花言葉には多く、「高貴」「高潔」「忠実」「不屈の精神」「忍耐」です。これ以外に、花の色別の花言葉があり、赤は「優美」、白は「気品」「澄んだ心」、ピンクは「清らかさ」です。中国でも冬を耐え忍ぶ姿から梅は「清廉潔白」を意味します。
中国の花③桃
中国原産の落葉中高木
桃は中国原産の落葉中高木で、日本にはかなり古い時代に渡来したと考えられています。花期は梅の後の、桜とほぼ同じ時期で、ピンクや白の可憐な花が特徴です。
中国では不老長寿の象徴
中国で桃は不老長寿の象徴とされ、邪気を払う縁起物として年長者に贈ると喜ばれる花です。また桃の実は不老長寿の実として昔から食され、中国にはおめでたい席では桃の実をかたどった饅頭を食べる習慣があります。
花言葉は「私はあなたのとりこ」「天下無敵」「気立ての良さ」
桃の花には「私はあなたのとりこ」「天下無敵」「気立ての良さ」という花言葉があります。
中国の花④蝋梅(ロウバイ)
真冬に花開く、梅に似た黄色い花
蝋梅(ロウバイ)は梅の字がつきますが梅と近種ではありません。梅と同様に寒い時期に花が咲き、その花が何となく梅に似ていることからこの名がつけられたといわれます。日本には江戸時代頃に渡ってきたとされます。
甘い芳香が特徴
蝋梅は甘い香りが特徴で、12月〜2月の真冬に黄色の花を咲かせます。日本では、沈丁花(ジンチョウゲ)、梔子(クチナシ)、金木犀(キンモクセイ)の三大香木に蝋梅を加え、「四大香木」と呼びます。また、「雪中四友(せっちゅうしゆう)」という雪の中で咲く4種の花のうちの一つに数えられます。
花言葉は「慈愛」
蝋梅の花言葉は「慈愛」です。花の少ない寒い季節にそっと開花する奥ゆかしい様子に由来するといわれます。
次のページでは、桂花(キンモクセイ)、菊、蓮(ハス)、バラ(チャイナローズ)について、ご紹介します。
蝋梅の花