ノリウツギとは
ノリウツギは、アジサイの仲間です。しかし、アジサイとは少し違い、耐寒性と耐暑性に優れた四季咲き性の植物です。また、花の咲き方もアジサイとは異なります。管理がしやすく、初心者の方にもおすすめの植物です。ミナヅキやライムライト、ライムグリーンなどがよく知られている品種です。ドライフラワーでも人気を集めています。
ノリウツギの基本
ノリウツギの基礎的な情報を表にまとめました。
園芸分類 | 庭木、花木 |
別名 | ピラミッドアジサイ |
形態 | 低木 |
原産地 | 日本 |
開花期 | 7月~9月 |
草丈 | 2~3m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
ノリウツギの特徴
アジサイは6月~7月に開花期を迎えますが、ノリウツギは少し遅く7月~9月中旬に開花期を迎えます。そのため「夏のアジサイ」として楽しまれているようです。また、株がある程度成長し充実してくると、生育に必要な最低気温を保てれば1年間繰り返し花を咲かせることが可能です。
ノリウツギとミナヅキの違い
ノリウツギもミナヅキも同じ種類ですが、園芸品種にしたのがミナヅキです。ピラミッドアジサイとも呼ばれており、秋になると濃いピンクや赤色に変化していく特徴があります。園芸品種は、ミナヅキのほかに、ライムライトやライムグリーンなどの種類があります。ライムライトやライムグリーンなども、色の変化が楽しむことが可能です。
ノリウツギの育て方
耐寒性、耐暑性に強く、初心者の方でも育てやすいといわれているノリウツギですが、水やりの方法や管理の仕方を誤ると、枯れてしまう可能性があります。ノリウツギを長期間楽しむために、剪定方法や増やし方など正しいノリウツギの育て方を覚えておきましょう。
育て方①用土
庭植えの場合
庭植えの場合は、腐葉土や堆肥などを混ぜた土を作ってください。腐葉土や堆肥を混ぜ込むことによって、成長に必要な栄養分を補給でき、肥料としての役割も期待ができます。
鉢植えの場合
鉢植えの場合は、赤玉土と堆肥を混ぜ込んだ土を作ってください。赤玉土は肥料成分を含んでいませんが、水はけや通気性がアップさせ、成長に効果的な土を作れます。堆肥はバーク堆肥がおすすめです。
育て方②肥料
庭植えの場合
庭植えの場合、1月に肥料を与えます。緩効性肥料や有機肥料を使うのがよいでしょう。緩効性肥料は、他の肥料とは違い、ゆっくりと溶けていく性質で、効果が長続きするというメリットがあります。同様に、有機肥料も即効性はありませんが、効果が長続きするという点が同じです。
鉢植えの場合
鉢植えの場合3月に肥料を与えます。化成肥料や、緩効性肥料を使うのが最適です。化成肥料はにおいが少なく扱いやすいため、初心者の方にも使いやすい肥料です。
育て方③水やり
夏
夏は水切れを起こしやすい時期です。水切れを起こすと枯れてしまう可能性があるため、注意してください。夏場は土が乾燥しやすくこまめな水やりが欠かせません。朝と夜の2回、水やりを行ってください。
冬
ノリウツギは、冬になると休眠期に入るため、水やりは控えめにします。土の表面を確認し、乾燥していたら数日後に水を与えるといったやり方がよいでしょう。鉢植えの場合は、庭植えの場合より乾燥がしやすいため、水を与えるときは少し多めに与えてください。
育て方④管理場所
ノリウツギは風がよく通り、日当たりのよい場所を好みます。若干乾燥に強いですが、乾燥しすぎている場所は好まない植物です。夏場は葉焼けをおこしてしまう恐れがあるため、直射日光の当たらない場所に移動させるなどの工夫が必要です。
育て方⑤植え替え
ノリウツギを鉢植えで育てる場合は、2~3年に1度の割合で植え替えをしますい。11月~3月の間に植え替えを終わらせておくのがよいでしょう。根詰まりを起こさないために、鉢の底から根っこが飛び出だしていたら植え替えを行ってください。
ノリウツギの剪定方法
ノリウツギを剪定する方法には、強剪定と弱剪定があります。どちらで行っても問題はありません。剪定は見栄えをよくすることや、害虫や病などの予防の効果といったメリットがあります。ノリウツギを丈夫に育てるための剪定の仕方を紹介します。
剪定の仕方
強剪定
強剪定とは、多くの枝や芽を切り落とすやり方です。花の数がやや少なくなってしまいますが、大きい花房を見せてくれるというメリットがあります。雪がよく降る地域では、雪の重みで枝が折れてしまわないよう強剪定を行った方がよいでしょう。
弱剪定
弱剪定とは、芽を切り落とさず枝先のみ切り落とすやり方です。古い枝を残すため、そこから新しい枝が増えて花数が多くなるというメリットがあります。花数は多くなりますが、花房の大きさは少し小さめです。
剪定の時期
ノリウツギは、新しい芽が4月以降に出るため、開花期を終えてからから4月までに剪定を終わらせてください。遅くても、3月ごろには済ませておくのがよいでしょう。
ノリウツギの増やし方
初心者に育てやすく、見た目もかわいいノリウツギは、増やすことも可能です。ノリウツギは色も形もとてもきれいなため、ボリュームがあった方が華やかさを感じられます。ここでは、ノリウツギの増やし方を3種類紹介します。
増やし方は3種類
挿し木
ノリウツギの枝をカットし、土に挿す増やし方です。よく伸びた部分を10cmほどカットしてください。カットした部分を整えて用意した鉢に土を入れ、挿します。数日経つと、挿し木したものから根が生えてきます。安定するまで日当たりの強い場所に置くのは控えてください。
株分け
ノリウツギは年々大きくなり、根っこの数も増えていきます。株分けとは子株を親株から離し、分けて植えるやり方です。株分けをすることでノリウツギを増やすだけでなく、水はけをよくしたり、花付きをよくしたりするという効果が期待できます。
とり木
とり木とは、木の部分の皮を剥がし、根を生えさせるやり方です。まず、とり木を行う部分を決めて皮だけむきます。次に、皮をむいた部分をミズゴケで包み込み、さらにその上からビニール袋で覆います。ビニール袋は下のほうは弱めに、上のほうは強めに縛るようにしてください。1カ月ほどで根が生えてきます。
いつ行うといいか
ノリウツギを増やす方法3種類を紹介しましたが、3種類それぞれ行う時期は異なります。挿し木は3~4月、株分けは11月~3月、とり木は4月~5月に行うのがおすすめです。
ノリウツギの由来と花言葉
ドライフラワーとしても人気のノリウツギにも、名前の由来や花言葉があります。最後に、ノリウツギの名前の由来と花言葉を紹介します。
名前の由来
ノリウツギの樹皮からは、糊が出てきます。昔の人は、ノリウツギから出てくる糊を和紙の製造に利用していたことから「ノリウツギ」と呼ぶようになりました。茎が中空であることから「糊空木」と書いて「ノリウツギ」と読みます。
花言葉
ノリウツギの花言葉は「臨機応変」です。ほかにも「乙女の夢」「しとやかな恋人」などの花言葉があります。花言葉から、ノリウツギの白色から濃いピンクや赤色に変化する様子が想像できるでしょう。
まとめ
かわいらしいノリウツギは、枯れてしまった後もドライフラワーとしても楽しめます。育て方は決して難しくありません。ぜひ初心者の方も、どんどん増やして華やかさを演出したり、小さな花をポツポツ咲かせてみたりするなど、お庭を彩ってみましょう。
出典:写真AC