ポーチュラカとは
ポーチュラカは、南北アメリカを中心とした乾燥した土地に自生する、スベリヒユ科の植物です。一年草から多年草までさまざまな種類があります。色とりどりの小ぶりな花が愛らしく、日本には1990年の大阪花博をきっかけに普及しました。開花時期は初夏~秋口まで、花を長く楽しめるのも特徴のひとつです。
名前 | ポーチュラカ |
別名 | ハナスベリヒユ(花滑り莧) |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 一年草、二年草、多年草 |
原産地 | 南北アメリカほか |
開花の時期 | 5月~10月 |
花の色 | 赤、白、ピンク、黄色、紫、オレンジ色 |
暑さ / 寒さ | 強い / 弱い |
特徴 | 開花期間が長い |
名前の由来
ポーチュラカという花名はラテン語で入口という意味の「porta」が語源です。実が熟したときに口が開くことに由来しているとされています。和名の「ハナスベリヒユ」は「花滑り莧」と表記しますが、別の植物であるスベリヒユに似ていることと、花が咲くことからこの名前がつきました。ちなみに「ヒユ」は「ヒヨコ」のことで、小さくてかわいらしいという意味ですよ。
ポーチュラカの花言葉
ポーチュラカの花言葉は「いつでも元気」「可憐」「自然を愛する」です。特に「いつでも元気」という花言葉は、夏の暑さの中でもすくすく成長し、あざやかな花の姿を長く楽しめるポーチュラカにぴったりな花言葉ですね。
ポーチュラカの種類
花や葉の形にいろいろな種類があることも、ポーチュラカの魅力のひとつです。カラフルな花を楽しむことが多いですが、中には斑入りの葉の方を観賞する品種もありますよ。ポーチュラカの種類について、いくつか特徴を見ていきましょう。
ポーチュラカ・マジカルキューティー
ポーチュラカの中でも、雨に強い品種です。斑入りの葉が特徴的で、花と葉の両方を楽しめるので人気があります。どちらもあざやかなピンク色をしていて、葉は乾燥するにつれその色を濃くします。
ポーチュラカ・フェリーチェ
イタリアで品種改良されたポーチュラカで、フェリーチェ(Felice)はイタリア語で「幸福」を意味しています。花びらに縦じま模様が入るのが特徴の一重咲き種です。個性的な花姿は、ガーデニアにも非常に人気があります。
京ちゅらか
クリーム色やピンクイエローなど、めずらしい花色が多いのが京ちゅらかです。栽培している農家が少ないので、ほかの品種に比べると市場に出回っていることが少ないという特徴もあります。枝分かれしやすく、丸い形に仕立てやすい品種です。
ポーチュラカの寄せ植え
ポーチュラカは花が小ぶりで、草丈も10cm~20cmとちょうどよいサイズ感なので、寄せ植えにつかう花材としてもとても人気があります。花色のバリエーションが豊富なのでポーチュラカだけでもかわいらしい寄せ植えになりますし、同じ夏の花であるペチュニアやベゴニアなどと一緒に植えても素敵ですよ。
相性のよい花
それでは、夏の花壇を華やかに彩るポーチュラカとの寄せ植えにおすすめの花をご紹介しましょう。さんさんと輝く太陽によく映える、くっきりとした色の花が多いですね。
ペチュニア
目が覚めるような明るい花色が美しいペチュニアは、「花壇の女王」とも呼ばれていて、ガーデニングや花束、アレンジメントなどさまざまなシーンで大活躍の花です。使う花の色によって、涼しげな雰囲気も明るい雰囲気も演出できますよ。
アメリカンブルー
透きとおるような真っ青な花色が印象的なアメリカンブルーは、ポーチュラカと同じように、グランドカバーにもよく用いられます。ポーチュラカの中でも白っぽい色のものと合わせると、青と白のコントラストでさわやかな寄せ植えになりますよ。
ベゴニア
ベゴニアもガーデニング初心者向けの育てやすい多年草です。園芸品種がたいへん多いことも特徴で、センスと発想力次第でさまざまな寄せ植えを作れますよ。少しいびつなハート型の、つるりとした質感の葉も人気です。
マリーゴールド
ビタミンカラーが見ているだけで元気になれそうなマリーゴールドも、寄せ植えに使いやすい植物です。葉から出る香りに防虫効果があることから、コンパニオンプランツとしても親しまれていますよ。
サルビア
燃えるような緋色が美しいサルビアの花は、セージというハーブの仲間です。丈夫で育てやすいので、寄せ植えにも使いやすいでしょう。伸びた茎の先に花をつけるので、一緒に寄せ植えをする植物にはポーチュラカのように草丈の低い花がよく似合います。
ペンタス
星の形をした小さな花が、鞠のように集まって咲くかわいらしい花です。ポーチュラカと同じように初夏~秋まで花を楽しめる品種なので、寄せ植えとしても相性抜群です。ポーチュラカと合わせた場合は小ぶりな花どうしなので、大輪の花も一緒に植えるとよいでしょう。
千日紅
生花としてだけでなく、ドライフラワーとしても親しまれている草花です。名前の由来は、千日間ともいわれる長いあいだ花を咲かせる特徴にちなんでいます。控えめな花姿は、夏の花壇の名脇役となってくれるでしょう。ポーチュラカと合わせると、ポップな印象の寄せ植えに仕立てられますよ。
ボタニ子
続いて、ポーチュラカの育て方を紹介
ポーチュラカの育て方
ポーチュラカは真夏でも最小限の手入れですくすく育つので、ガーデニング初心者にもおすすめの花です。よく日の当たるところで育てましょう。育てる際にポイントとするべき点を、いくつか解説します。
ポーチュラカの育て方①栽培環境
ポーチュラカは日の当たる場所が好きです。水はけのよい土壌であればさらによく育つでしょう。西日のような少し強い日差しの当たるところでも問題なく育つので、植える場所には困りません。霜に当たると枯れてしまうので、鉢植えで多年草として育てる場合は、冬場は暖かい場所で管理してくださいね。
ポーチュラカの育て方②水やり・肥料
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらその都度たっぷり目に水やりをしてください。地植えの場合は自然の雨でほとんどまかなえます。あまり雨に強い品種ではありませんが、その分乾燥には強い植物です。肥料に関しても地植えの場合は不要です。鉢植えには緩効性の化成肥料や、液体肥料を施すと育ちがよいでしょう。
ポーチュラカの育て方③用土
水はけ・肥料持ちのよい土を好みます。専用の用土のほか、赤玉土と腐葉土、ピートモスを配合した用土でもよく育ちます。植え付けの際には、リン酸成分が多い緩効性化成肥料を一緒に施すとよいでしょう。
ポーチュラカの育て方④植え付け・植え替え
植え付けは5月~8月に行うのがおすすめです。秋に入ると成長が鈍るので、その前に植えて大きく育てておくのがポイントです。7月~9月の暑い時期に肥料を与えてもあまり成長しない場合は、根詰まりしている可能性があります。その場合はひと回り大きな鉢に植え替えてあげるとよいでしょう。
まとめ
「いつでも元気」という花言葉のとおり、はつらつとした花姿で元気をくれるポーチュラカは、とにかく暑さに強くて育てやすいのが魅力です。寄せ植えにしてもかわいらしく、地面を這うように育つ特徴からグランドカバーとしても大活躍します。小ぶりで愛らしい花をたくさん咲かせて、夏のガーデンをにぎやかに彩ってみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC