ポーチュラカの紹介
ポーチュラカは和名「ハナスベリヒユ」といい、中米が原産といわれる多年草です。かわいらしい花と育てやすさからとても人気があります。夏の暑さに強く、真夏でも元気に花を咲かせます。その様子から「いつも元気」という花言葉が付けられました。逆に、冬の寒さには弱いため日本ではほとんど冬越しすることはできず、一年草として扱われることが多い植物です。
学名 | portulaca |
和名 | ハナスベリヒユ |
分類 | スベリヒユ科スベリヒユ属 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
開花期 | 5月~10月 |
ポーチュラカの特徴
葉はヘラのような形状をしていて、多肉質です。葉や茎に水分を蓄えることができるので乾燥には強いです。病害虫にも強いため初心者でも育てやすい花です。地表を覆うように伸びるので、グランドカバーとしても利用されています。花は一日花で朝咲くと夕方にはしぼんでしまいますが、しぼんだ花の下にはもう次のつぼみが育っており、どんどん花を咲かせます。
花の種類が豊富
花色が豊富なのもポーチュラカの特徴です。赤・黄・白・オレンジ・ピンクなどの一重咲きがベーシックですが、品種改良によって八重咲きや絞りなどさまざまな種類が登場しています。葉を鑑賞できる品種もあります。
ベーシックなポーチュラカ
ベーシックなポーチュラカのお花畑です。優しい色あいの小さな花に癒されます。
八重咲き
八重咲きのポーチュラカです。まるでバラのようです。
縞模様
ポーチュラカ・フェリーチェというイタリアで作られた品種です。はっきりとした縞模様が特徴で、花びらがハート形のように見えます。
絞り咲き
単色が多いポーチュラカの中で絞り咲きはとても目を引きます。
マジカルキューティー
一見、別の植物のように見えますが、ポーチュラカの一種です。まだら入りでピンクがかった美しい葉が特徴です。花も咲かせます。
ポーチュラカの近縁種
マツバボタン
マツバボタンもポーチュラカと同じスベリヒユ科スベリヒユ属の植物です。花の形状や、乾燥や夏に強く寒さに弱い特徴がポーチュラカとそっくりです。唯一違うのは葉の形状で、ポーチュラカの葉がヘラのような形をしているのに対し、マツバボタンの葉は名前の通り松葉のような形をしています。
スベリヒユ
畑地などでよく見かける雑草のスベリヒユは、ポーチュラカやマツバボタンの原種ともいわれています。栄養価が高く、地域によっては山菜として食用されています。ゆでて食べると独特のぬめりがあることから、スベリヒユという名前になったということです。
ポーチュラカの育て方
ポーチュラカは地植え、鉢植えどちらでも育てることができます。水はけがよく日当たりと風通しの良い場所を選びましょう。苗から育てるのが一般的ですが、種も販売されています。
種からの育て方
ポーチュラカの発芽温度は20℃~25℃と高めです。地域にもよりますが、種まきには5月~6月が適しています。夏以降も発芽はしますが、株が大きくなって見ごろになる前に涼しくなり、育ちが鈍くなってしまいます。あまり遅い時期にならないうちに種まきを済ませましょう。
ポーチュラカの種まきの手順
- 育苗トレーに種まき用土を敷き、一粒ずつ種をまきます。
- 土はかぶせず、じょうろや霧吹きで優しく湿らせます。
- 日当たりのきつくない場所に置き、土が乾ききらないようにしましょう。
- 本葉が5枚程度になったら鉢や花壇に植え替えましょう。植え替え方は下記の「苗からの育て方」をご参照ください。
苗からの育て方
春になるとポーチュラカのポット苗が園芸店やホームセンターにたくさん並びます。苗で購入したほうが種から育てるより手間が少ないので、気軽に楽しみたい人にはおすすめです。また、苗には花色のガイドがついているので、花壇や寄せ植えのレイアウトの目安にもなります。苗の植え付けには5月~8月が適しています。
ポーチュラカに適した土は
ポーチュラカは過湿に弱いので、水はけのよいところに植え付けましょう。鉢やプランターに植えるのであれば、市販されている培養土で十分です。地植えの場合は植える前に水をまいて、水はけを確認しましょう。あまり水はけがよくないようであれば、2~3割ほど川砂や赤玉土を混ぜて水はけのよい土にします。
ポーチュラカの苗を植える手順
- 鉢やプランターに軽石を2~3cm入れ、上に用土を入れます。
- 鉢植え、地植えともに根鉢を崩さず、そのまま大体15cm程度の間隔で苗を置きます。鉢なら5号鉢に苗1本が目安です。
- 隙間に土を入れます。鉢植えの場合は緩効性の化学肥料を入れましょう。地植えの場合は必要ありません。
- 最後に水やりをします。根付いてしまえば乾燥には強いですが、根がきちんと張るまでは乾燥させすぎないようにしましょう。
ポーチュラカの剪定
ポーチュラカは枝の先端に花を咲かせます。枝は地面を這うようにしてどんどん伸びていきます。そのまま放っておくと地面に広がった枝ばかりになってしまい、徐々に花の付きも悪くなってしまいます。そうなることを避けるためにも、定期的に切り戻し剪定をする必要があります。
切り戻しのタイミングと方法
切り戻しは6月中旬~8月ごろに行います。枝の半分程度の長さを目安に、新芽が出ている部分の上を切りましょう。そうすることで新芽が成長し、新しく花をつけます。脇芽が増えることで平べったく広がっていた株も立ち上がってくるでしょう。その後も枝の伸び具合を見ながら1カ月に1回程度のペースで切り戻しをしてあげましょう。
花がたくさんついているタイミングですべて剪定してしまうのがさみしく感じるときは、枝ごとにタイミングをずらしても大丈夫です!
ポーチュラカの増やし方
ポーチュラカは切り戻しで剪定した枝を使って挿し木(挿し芽)をし、簡単に増やすことができます。手順は以下のようになります。
- 剪定した枝を5cm~10cmの長さにし、下部の葉を取ります。
- 育苗トレーや植木鉢に培養土を入れ、切り口を下にして差し込みます。
- 発根するまでこまめに水やりをし、本葉が出てきたら植え替えします。
ポーチュラカの冬越しは?
ポーチュラカは多年草なので、冬越しをして翌年も花を咲かせることができます。ただし寒さに弱く気温が10℃を下回ったり、霜が一度でも付いたりすると枯れてしまうので、地植えでの冬越しは不可能です。鉢植えにして、日の当たる温かい室内に置く必要があります。
挿し木にして冬越し
先ほどご紹介した挿し木での増やし方を活用して、冬前に剪定した挿し木を温かい環境に置き、冬越しをするという方法もあります。植え付けに適した季節になるまで室内で温かく過ごさせてあげましょう。
ポーチュラカの育て方における注意点
過湿に注意
ポーチュラカは乾燥気味の土地を好み、水をあげすぎると根腐れを起こしてしまいます。また、過湿はアブラムシを発生させる原因にもなります。地植えはよほど乾燥しない限り水やりは必要ありません。鉢植えの場合は、土が乾いたら水やりをしましょう。寄せ植えをする場合は、水やりの頻度が高い植物と一緒に植えることは避けましょう。
花が咲かない原因は
ポーチュラカの花が咲かない場合、原因としてまず考えられるのは日照不足です。ポーチュラカには日当たりがとても重要です。日の当たらない場所では花をつけにくくなりますし、天候の良くない日はつぼみを開きません。他に考えられる原因には、水やりのし過ぎによる根腐れや肥料の与えすぎがあります。
まとめ
ポーチュラカは育てやすいうえに、上手に管理すれば春から秋までの長い時期にわたって花を楽しむことができます。そして何より、他の花々が勢いを失ってしまいがちな猛暑でも元気よく庭を彩ってくれます。花言葉通り「いつも元気」なポーチュラカを育てて夏を乗り切る元気を分けてもらいましょう!
出典:写真AC