ハゴロモジャスミンとは
かわいいピンクや赤系のつぼみと真っ白い小花が華やかで、甘い香りも楽しめるハゴロモジャスミンをご紹介します。中国茶のジャスミンティーの香りの素は、八重咲きの「茉莉花(マツリカ)」でとても香りが強いのが特徴です。
基本情報
科名/属名 | モクセイ科/ソケイ属 |
原産地/分類 | 中国/常緑多年草・つる植物 |
草丈/開花期 | 30cm〜3m/4〜5月 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
育てやすさ | ★★★☆☆ |
ハゴロモジャスミンの本来の開花時期は春ですが、つぼみつきのポット苗が秋にも出回るようになりました。観葉植物やカラーリーフとしても育てられます。上手な育て方や管理方法をチェックして、毎年春の花を咲かせましょう!
ハゴロモジャスミンの3つの特徴
ピンク〜赤系のつぼみと真っ白な小花のコントラストがかわいい、常緑性のつる植物がハゴロモジャスミンです。鉢花としても観葉植物としても育てられる、ハゴロモジャスミンの3つの特徴を詳しくご紹介していきます。
特徴①花と香りが楽しめる
花色は真っ白で5枚の花びらが星型に開きます。つぼみも花も小さいものですが、とにかく数をたくさんつけるのが特徴です。ハゴロモジャスミンの香りにはジャスミンティーの香りの素や、香水の原料になる香り成分が含まれています。特に夜になると強く香るのも特徴といえます。
特徴②葉が美しいつる植物
花だけでなくつる性のカラーリーフとして、寄せ植えの素材でも人気の高いハゴロモジャスミンです。常緑性の葉色が魅力的な斑入りの「ミルキーウェイ」や、明るいライムグリーンの葉色が特徴の「フィオナ・サンライズ」など品種も増えています。花が咲いた後も観葉植物のように葉色を楽しめるのも特徴です。
特徴③仕立て方が楽しめる
上の画像はタワー仕立てのハゴロモジャスミンです。鉢植えの仕立て方は、つる支柱に誘引する高さを出すタワーや、ボリュームを出す行灯仕立てがあります。地植え(庭植え)の仕立て方は、クライミング フェンスに誘引したり、立体的なオベリスクやアーチに誘引する方法もあります。幅広い仕立て方ができるのも特徴ですね。
ハゴロモジャスミンの育て方
伸びたつるにグリーンの葉が美しいハゴロモジャスミンを、枯れることなく上手に育てるコツを解説していきます。5つの項目に分けて解説していますが、特に重要なポイントは、水やりと日当たりです。具体的に見ていきましょう。
育て方①用土
ハゴロモジャスミンはやや乾燥を嫌うので、水ハケがよくて水持ちのよい用土がおすすめです。植え付けや植え替えには、お花の培養土を使いましょう。ブレンドする場合は、赤玉土や鹿沼土の小粒をメインに、腐葉土やpH調整済みのピートモスを混ぜ込みます。鉢植えの土の表面にカバー材を、地植え(庭植え)ではマルチングもおすすめです。
育て方②水やりと肥料
鉢植えのハゴロモジャスミンは、水切れで枯れることのないように気をつけましょう。新芽や花芽をたくさんつける春には、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。肥料は2月下旬~3月と花後の6月ごろに、有機質肥料を適量与えます。秋から冬の水やりの仕方は、量と頻度を控えて越冬させるのがポイントです。
育て方③日当たりと置き場所
ハゴロモジャスミンは庭植え(地植え)・ベランダ・室内の、日当たりのよい場所がおすすめです。暑さには強いですが、真夏は西日の当たらない場所がおすすめです。0℃以上を保てれば、屋外で越冬できます。冬も半日でいいので、しっかりと日の当たる場所に置きましょう。
育て方④植え付けと植え替え
つる性のハゴロモジャスミンは、根の張りも旺盛です。鉢植えは毎年植え替えて、根詰まりで枯れる前に根をリフレッシュさせましょう。基本は鉢のサイズを大きくしますが、大きくしたくない場合は根の整理をして、古い土を入れ替える方法もあります。植え替え時期は、花後の6月が適期です。
育て方⑤病気と害虫
丈夫で育てやすいハゴロモジャスミンですが、アブラムシ対策は必須です。植え付けや植え替え時期に殺虫剤を使って、予防しましょう。上の画像で紹介したスターガードは、苗底に適量をパラパラと撒くだけの顆粒タイプです。バラや野菜など、他の植物にも幅広く使えます。
ハゴロモジャスミンの管理方法
つるの動きを生かした寄せ植えにしてもかわいいハゴロモジャスミン。翌年もたくさんの花を咲かせるポイントは、秋冬の日当たりと温度の管理方法にあります。庭植えと鉢植え、それぞれをわかりやすく解説していきます。
庭植えで越冬させるコツ
ハゴロモジャスミンはつるの成長がストップする秋〜冬に、気温の低下を感じて翌春の花芽を作り始めます。0℃以上を保てれば、屋外の日当たりのよい場所で越冬させましょう。霜に当てると葉先や花芽を傷めてしまい、花が咲かなくなってしまう場合もあります。寒冷地では鉢上げして軒下や縁側を活用し、霜が降りる直前までは屋外の寒さにあてましょう。
鉢植えで冬越し
鉢植えのハゴロモジャスミンを暖かな室内で管理し続けると、花芽を作ることができません。花が終わったらベランダに置いて、日当たりを確保しつつ秋は寒さにも当てましょう。ハゴロモジャスミンは乾燥で枯れることがあるので、土の表面にカバー材をしき鉢皿に置きます。0℃以下にならないよう、寒さが厳しい時期は室内に取り込むのがおすすめです。
ハゴロモジャスミンの剪定
ハゴロモジャスミンのつるは2〜3m以上によく伸びるので、毎年の適度な剪定で美しい樹形を保ちましょう。剪定時期や剪定方法のポイントを押さえて、翌年もたくさんの花を咲かせましょう。
剪定の時期
ハゴロモジャスミンの剪定時期は、花後の6月が最適です。秋冬に花芽が作られるので、剪定で切り落としてしまわないように、花が終わったら早めに行います。遅くてもお盆までには、剪定を終わらせましょう。花が終わってからまたは剪定の後には、肥料を与えるのもポイントです。
間引き剪定
ハゴロモジャスミンの剪定は、丈を切り詰める強剪定ではなく、枝数を減らす間引き剪定が最適です。主となるつるのワキから出た枝を整理していきます。鉢植えの場合も一旦つるをほどいて、剪定して巻き直しましょう。環境に合うと生育も旺盛ですが、株が乱れてしまったら剪定枝を増やして、株を植え替えることもできます。
ハゴロモジャスミンの増やし方
剪定した枝を上手に活用して、挿し木(挿し芽)に挑戦してみましょう。剪定時期と挿し木できる時期がちょうど重なっているのもポイントです。自分で挿し木から育てたハゴロモジャスミンが花を咲かせると、かわいさもさらに増しますね!
挿し木(挿し芽)で増やす
【挿し木・挿し芽の仕方】
- 剪定枝の葉先ではなく中程のところを10cm前後にカットする
- 上の方に1〜2対の葉を残し、カットした枝を1時間ぐらい水につける
- 挿し芽・種まき用の用土に挿し、浸水または霧吹きで用土をしめらす
- 明るい日陰に置き、土を乾かさないように管理する
まとめ
かわいいつぼみと白い小花、甘い香りも楽しめるつる植物、ハゴロモジャスミンをご紹介しました。庭植えでアーチやオベリスク、鉢植えでタワーなど、立体的でおしゃれな仕立て方も自由に楽しめます。花と緑のある暮らしに、かわいい花ときれいな葉色のハゴロモジャスミンがおすすめです!
出典:写真AC