風蘭(富貴蘭)の育て方
古典園芸品「富貴蘭」としての高級なイメージもある風蘭ですが、育て方は意外に簡単です。ここからは、育て方のポイントや注意点をご紹介します。
水やり
鉢植えの場合
水やりの頻度は、水ごけに植えている場合、暖かい時期は水ごけの表面が乾いてから1、2日後を目安に水やりをします。寒くなる冬の時期だけは、1、2週間に一度に回数を減らし、霧吹きで湿らせる程度に抑えます。冬は成長が鈍るため、水をやりすぎると根腐れの原因になってしまいます。
ヘゴ板や流木に着生させた場合
ヘゴ板などなにかに着生させている場合は、春から秋にかけて毎日水やりをします。冬は抑え気味に、しっかり乾いたのを確認してから、霧吹きで湿らせる程度の水やりで大丈夫です。冬でも凍る心配がないようなら、水ごけを付けて育てるのもオススメです。
日当たり
風蘭は、朝日に当てることでとてもよく育つため、朝日が当たるベランダのような外の環境でも育ってくれます。だからといって、朝以外の直射日光は葉焼けを起こす危険性があります。特に夏場は直射日光の当たらない場所や、遮光をすることが必要です。
増やし方
風蘭の株元から小さな子株がでてきたら、増やすチャンスです。しかし、焦りは禁物です。子株がある程度大きくなるまで待ってから、株分けで増やすことができます。子株ができたらぜひお試しください。
風蘭(富貴蘭)育て方注意点
蒸れに弱い
風蘭は、基本自然の雨と大気中の栄養分で育つため、乾燥にとても強く、手間のかからないのが特徴です。しかし、湿気にはとても弱く、鉢植えで水ごけに空洞をつくるのは蒸れ防止の意味もあります。育てる際には、乾燥気味に育てるようにしましょう。
寒さは苦手
風蘭は元来西日本などの暖かい地域が原産です。そのため、暑さにはとても強いですが、寒さはあまり得意ではありません。冬の季節は、冷たい北風を避けるようにして管理することが大切です。
冬には葉にシワがよることがある
風蘭は冬になると、葉にシワがよることがあります。「しまった!水切れだ!」と、ここで慌てて水やりをしてしまうと、根腐れしてしまう恐れがあります。この葉にシワがよる減少は、寒さを乗り越えるための風蘭の生理現象のようなもので、水切れではありません。水やりは乾いてからが風蘭の基本です。ある程度の乾燥には強い植物ですので、じっくり観察して、タイミングを図ることが大切です。
【豆知識】風蘭は高い場所のベランダでも元気に育つ!
風蘭は大きさが10cm~20cmと小型の植物です。一人暮らしのお部屋にも置きやすいサイズですし、水やりの頻度も少なく、育てやすいです。樹木の高い場所にも着生する植物のため、マンションなど高い建物のベランダでも元気に成長します。育て方の注意点さえ守れば、あらゆる場所で丈夫に育ってくれますよ。
風蘭(富貴蘭)の代表的な3種類
富貴殿(ふうきでん)
富貴蘭の代表格として有名なのが「富貴殿」です。葉の模様である緑と黄色の境界線がぼんやりしているのが特徴です。子株のときは黄色の葉ですが、大きくなるにつれ、葉の真ん中に緑の縞のラインが入ります。
金牡丹(きんぼたん)
金牡丹は新しい葉が黄色く、成長するにつれて緑、小豆色の班入りへと変化する品種です。成長の度合いで、黄色と緑が美しいグラデーションの葉になる見栄えの明るい富貴蘭です。根の先端がルビー色になるのも特徴の一つです。
朱天王(しゅてんのう)
赤花の代表格として有名なのが朱天王です。赤花といっても、花全体が赤いわけではなく、花茎や花びらの先端がほのかに赤や赤紫色をした品種です。白と淡い赤がとても上品で雅な雰囲気の富貴蘭です。
まとめ
小型なのに、可憐な花まで咲かせる風蘭。「花の咲く植物は難しいから」と諦めている方、一度風蘭を試してみてはいかがでしょうか?乾燥に強く、高層マンションのベランダでも育ってくれる意外に手軽で、丈夫な植物です。成長も遅いため、ゆっくりのんびり育つのを観察するのも楽しそうですね。
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出典:写真AC