アルストロメリアとは
アルストロメリアは南米原産の球根植物です。種類・品種が非常に豊富で、原産地の南米には約60~100種類の自生種が分布しています。種類によって湿地帯、砂漠地帯、森林地帯と生育環境が異なっているため、同じ植物とは思えないほど性質が異なっているという特徴があります。花色が豊富で花もちもよいことから、切り花としての人気が高いです。
名前の由来
1753年、南米を旅行していたスウェーデンの植物学者カール・フォン・リンネが、ピンク色の美しい花を発見し、種を採集したのがきっかけです。リンネはこの花に、親友のクラース・アルストレーマー男爵にちなみ「アルストロメリア」という名前をつけました。その後、オランダで品種改良され、日本へは大正時代に渡来しています。
植物学者のリンネに対しても、薬草などの博物学標本を彼のために収集するなど、いろいろと支援しているんだ。
リンネが発見した花に、アルストレーマーの名前をつけたのは、自分を支えてくれた恩義に報いてのことだったのでしょう。
アルストロメリアの基本データ
学名 | Alstroemeria |
科名 | ユリズイセン科 |
属名 | ユリズイセン属(アルストロメリア属) |
別名 | ユリズイセン(百合水仙)、ユメユリソウ(夢百合草) インカノユリ |
原産地 | 南アメリカ |
草丈・樹高 | 30cm~1m |
開花時期 | 5月~7月 |
花色 | 赤、白、ピンク、黄、オレンジ、紫、複色 |
「インカノユリ」という別名は、ユリに似た花姿と、古代インカ帝国があったチリ原産の種類があることが由来だよ。
アルストロメリアの特徴
特徴①花もちがよい
アルストロメリアの大きな特徴は、花もちがよいことです。環境や品種にもよりますが、開花後5日~14日ほど咲き続けます。花色も豊富で、鮮やかな原色系から、淡く優しいパステルカラー、大人びたシックな色など、好みや状況に応じて選べるのも大きな特徴であり、魅力です。このため切り花やフラワーアレンジメントなどによく利用されています。
特徴②品種によって性質が違う
原産地にあるアルストロメリアの自生種は、種類によって生育環境が異なっています。このため、開花時期が異なるものもあれば、常緑性のもの、落葉性のもの、あるいはその中間と、種類や品種によって、性質が異なるという特徴があります。また、アルストロメリアは、花びらに縞模様が入る特徴で知られていますが、品種によっては縞模様がないものもあるため注意しましょう。
縞模様のない品種は「スポットレス」と呼ばれています。
特徴③葉が表裏逆
アルストロメリアには、葉が裏返しになるという珍しい特徴があります。茎から新芽が伸び、成長して葉となっていく過程で、付け根のところで反転するのです。このため、葉の裏面が上になり、葉の表面が下になるという珍しい現象が起きます。なぜ、このような現象が起きるのかは、現時点では不明です。今後の研究結果が待たれます。
余談だけど、日本原産のイネ科の植物ウラハグサ(裏葉草)も、同じように葉がねじれて表裏逆になるという特徴があるんだよ。
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アルストレーマー男爵はスウェーデンの実業家で、地元の科学者の支援を多く行っていました。