ニューサイランとは?
ニューサイランは、鋭く細長い葉を放射状にひろげた観葉植物です。品種も多く葉の色が豊富なことから、庭の寄せ植えや鉢植えのアクセントに用いられることが多いです。またアレンジも楽しめるため生け花やフラワーアレンジメントにもよく利用されています。そこで、ニューサイランとはどのような植物か、その特徴や品種、利用法について詳しく解説します。
基本情報
学名 | phormium |
科名 | リュウゼツラン科 |
属名 | フォルミウム属(マオラン属) |
別名 | マオラン |
原産地 | ニュージーランド、オーストラリア |
分類 | 常緑多年草 |
耐寒性 | やや弱い(-5℃以上) |
耐暑性 | 強い |
常緑多年草
ニュージーランド原産
ニューサイランはニュージーランドとオーストラリア領のノーフォーク島に自生している常緑多年草です。「フォルミウム・テナックス」と「フォルミウム・クッキアヌム」という2種類、および両種の交雑種も合わせてニューサイランと呼びます。
漢字表記
新西蘭
ニューサイランは明治時代に、観賞用ではなく葉の繊維を採るために輸入されました。漢字では「新西蘭・入西蘭」と書くことが多いです。または別名のマオランから「真麻蘭」とも書きます。
ニューサイランの特徴
ニューサイランは花よりも葉が印象的で、地面から伸びた細長い葉は堂々として存在感があります。ニュージーランドでは特徴を生かし、経済を支える重要植物として扱われています。しかし、日本ではその美しい葉姿を楽しむために庭園に植えたり、生け花に利用されたりすることが多いです。
葉
茎はなく、地面から硬く鋭い葉を放射状に広げます。ニュージーランドでは布繊維の原料として栽培されています。赤・紫・銅葉・黄色やクリーム色の斑入り葉など、カラーバリエーションが豊富です。一年中葉を広げる常緑性のため日本では観葉植物として人気があります。
花
目立たない花
ニューサイランの花は、6~7月になると株の間から花茎を1~5mほど長く伸ばして大人しい花を咲かせます。赤い花が主流ですが、オレンジや黄色い花も見られます。花は筒状で分枝した花序にたくさん付きますが、あまり目立たない控え目な花です。ただし、めったに咲かないともいわれ、見ることができるのは稀です。
ニューサイランの種類と品種
ニューサイランにはテナックス種と、近縁種のクッキアヌム種の2つの種類があります。品種改良によって多くの園芸品種が販売されていて、さまざまな葉の色や大きさを見ながら、お気に入りの品種を見つけてみるのもおもしろいですね。
人気のある品種
フォルミウム・テナックス
ニューサイランの原種で、まっすぐ大きく立つ葉が特徴です。葉は青葉、花はやや暗めの赤色をしており、草丈は人間よりも大きく力強い姿をしています。ニュージーランド麻とも呼ばれ繊維作物として栽培されています。
フォルミウム・クッキアヌム
草丈は2m以下でテナックスより全体的に小さい種類です。葉は細く薄い形をしており、黄色い小さい花を咲かせる違いがあります。また、色鮮やかな葉色をした園芸品種はクッキアヌムを改良して作られています。
フォルミウム・レインボークイーン
ニューサイランの中でも、赤い葉にピンクの縁取りのある「レインボークイーン」は特に人気のある種類です。日に当たるとグラデーションに輝いて見え、草丈も1mと小さいため、鉢植えにしてお部屋のインテリアに飾ると素敵ですね。
イエローウェーブ
イエローウェーブは、濃い緑色にクリーム色の斑入りの葉が特徴です。爽やかな色合いが涼しげな印象を与えますね。他の花を活かすことができるため、寄せ植えや生け花によく使われます。
ニューサイランの利用法とは?
ニューサイランは、ニュージーランドでは布繊維として利用されていますが、日本では、庭園に観賞用として植えられたり、生け花やフラワーアレンジメントに利用されたりしています。固くしっかりした葉をアレンジして、自分流のおもしろい飾り方を楽しむことができます。
利用法
格子状に編む
ニュージーランドでは丈夫な葉から繊維を採り、織物やマット、漁網として使う他、花茎は筏(いかだ)にして利用されています。固く平面の葉は格子状に編むとより一層強くなり、花かごやコースターなどに利用することができます。
生け花
葉を折り曲げたり、裂いて形を変えたりとアレンジがしやすいため、生け花やフラワーアレンジメントに利用されています。長い草丈を活かして立体感を出しおもしろい飾り方ができますね。フラワーアレンジメントでは葉をリボンのように結ぶ飾り方もあります。
まとめ
ニューサイランは、葉の色と形で存在感を与える植物です。すらっとした葉姿は美しく、他の花々をそっと支えてくれるような気がしませんか?育て方も簡単で一年中、庭に彩りを与えてくれますよ。豊富なカラーバリエーションを活かし、生け花やフラワーアレンジメントなどさまざまな飾り方を楽しむことができますよ。
出典:写真AC