竜血樹とは?
「竜血樹(リュウケツジュ)」は、キジカクシ科ドラセナ属の常緑高木です。成木は乾燥した過酷な環境を生き抜くために進化し、竜を思わせる独特な姿をしています。加えて、幹を切ると血のような赤い樹液を流すことから、和名で「竜血樹」、英名では「dagon’s blood tree」と名付けられました。寿命は数百年から数千年以上にも及ぶ、長寿の樹でもあります。
あの不思議な姿にはちゃんとした理由があったんだね!
竜血樹の種類
竜血樹には主に「ドラセナ・ドラコ」と「ドラセナ・シナバリ」の2種類があります。成木はどちらもボトルを逆さにしたような個性的な樹形が特徴です。ボトルツリーとも呼ばれます。それぞれ葉の付き方が少し異なり、ドラセナ・ドラコはブロッコリー、ドラセナ・シナバリはキノコにたとえられることも。不思議なこの2種類の、それぞれの特徴や生息地についてご紹介します。
ドラセナ・ドラコ
ドラセナ・ドラコの生息地は、大西洋上にあるカナリア諸島です。多くの種類があるドラセナ属の中で最も大型で、樹高20mにもなります。観葉植物として販売されているのも主にドラセナ・ドラコですが、成長がとても遅く、生息地にあるようなサイズになるまでには1000年はかかるともいわれています。そう簡単にボトルツリーになることはないのでご安心くださいね。
竜血樹「ドラセナ・ドラコ」の基本データ
学名 | Dracaena draco |
園芸分類 | 常緑高木 |
科名 | キジカクシ科 |
属名 | ドラセナ属 |
生息地 | カナリア諸島 |
樹高 | 20m |
ドラセナ・シナバリ
ドラセナ・シナバリは、インド洋上にあるソコトラ諸島にだけ自生する固有種で、現在は絶滅危惧種に指定されています。ソコトラ島からの持ち出しが禁じられているため、日本ではほとんど出回ることがない希少種です。ごくまれに販売されていることもありますが、小さなものでも1株数万円と、かなり高額になります。
竜血樹「ドラセナ・シナバリ」の基本データ
学名 | Dracaena cinnabari |
園芸分類 | 常緑高木 |
科名 | キジカクシ科 |
属名 | ドラセナ属 |
生息地 | ソコトラ島 |
樹高 | 6m |
竜血の効能と利用
「竜血」と呼ばれる竜血樹の樹液は毒々しい色をしていますが、実は古代ローマ時代から、鎮痛や止血などの効能がある薬用品として重宝されてきました。また、バイオリンや家具に塗るニスの色付けやインクの原料にも利用され、中世には魔術や錬金術にも用いられたそうです。中東の商人たちの間では「赤い金」と呼ばれ、高額で取引されたといいます。
竜血に毒はないから、小さなお子様やペットがいるご家庭でも、安心して育てられますよ!
竜血樹の育て方
ここからは、主に観葉植物として入手しやすいドラセナ・ドラコを中心にご紹介します。観葉植物として育てられる苗木の姿は、太い幹から先が尖った剣のようなシルバーグリーンの葉を広げ、シャープでスタイリッシュな印象です。太い幹の部分の長さでサイズ感や全体の印象が大きく変わるので、置く場所に合わせて好みのスタイルを選んでみてください。
竜血樹の育て方①:入手方法
希少種【ドラセナ ドラコ/H60cm】7号鉢仕立観葉植物 幸福の木 長寿の木 青みがかったシルバーグリーンの葉竜血樹(リュウケツジュ)Dracaena draco e-RAN パラオではありません 条件付送料無料
参考価格: 7,040円
主に種子か苗での購入となりますが、竜血樹は一般の園芸店やホームセンターなどで販売されることはあまりありません。そのため、インターネット通販を利用すると入手しやすいでしょう。特に希少種を扱う専門店や、観葉植物の専門店などでは適切に管理されているため、状態の良いものに出会える可能性が高くなります。
おしゃれな鉢に入れられて、サイズによって7,000円から50,000円ほどで販売されているよ!
手間はかかるけど種子ならもっとお手頃で、10粒あたり1,000円前後で手に入れることもできます!
竜血樹の育て方②:育てる場所
真夏以外は、室内の日当たりと風通しが良い場所で育てましょう。真夏の直射日光は葉焼けの原因になるので、レースのカーテン越しなどの明るい場所が最適です。寒さは苦手なので、冬は温度を5度以上に保つと安心です。冬でも5度を下回らない温かい場所では、地植えすることもできます。
竜血樹の育て方③:水やり
5月~9月頃の生育期は、土の表面が乾いてから、鉢の底から水が染み出るくらいたっぷりと与えます。もともと乾燥した環境に自生している植物なので、常に湿った状態にならないように、土の乾燥を確認してから水を与えることがポイントです。特に休眠期である冬場は、乾いてから数日たってからの水やりで十分でしょう。定期的な葉水も効果的です。
竜血樹の育て方④:土と肥料
観葉植物として室内で育てるには、一般的に販売されている観葉植物用の土など、通気性や排水性に優れたものが最適です。肥料は、竜血樹が成長する春から秋にかけて、緩効性化成肥料を与えましょう。
竜血樹の育て方⑤:種子から育てる方法
まず、種子の殻が固いので、発芽を促進させるためにやすりかカッターで傷をつけます。その際、中身にまで傷をつけないように注意が必要です。12時間~48時間ほど水に浸けてから赤玉土などに蒔き、水切れに注意しながら管理します。発芽には3週間から3カ月ほどかかるため、竜血樹との根気比べとなりそうですが、発芽したときの喜びはひとしおでしょう。
竜血樹の育て方⑥:病害虫
病気にかかることはほとんどありません。害虫に関しては、極端に環境が悪かったりすると、まれにカイガラムシやハダニが付くことがあります。しかし、室内に置く観葉植物への薬剤散布は極力控えたいもの。適切な環境で適切な管理を心がけ、定期的な葉水で予防しましょう。
まとめ
竜血樹は、幹を切ると赤い樹液が流れるという、少し怖い特徴を持っています。一方で、「竜」の名が付き寿命が長く、「幸福」「幸せな恋」「永遠の愛」という花言葉を持つ、縁起の良い観葉植物でもあるのです。自宅で楽しむのはもちろん、お祝い事の贈り物にも好まれています。大切に育てた竜血樹を切る勇気はありませんが、本物の赤い「竜血」にはちょっと興味が湧いてしまいますね。
ほとんど雨が降らない環境だから、茂らせた葉で霧の水分を集めて潤し、自分の足元に影を作ることで乾燥を防ぎながら生きてきたのよ。