サフランとは?
サフランは地中海沿岸が原産の花です。地中海料理を鮮やかに色付けるためのスパイスとして重宝されてきました。背の低い球根植物で、うす紫のクロッカスのような花を咲かせます。花には真っ赤で長い雌しべがあり、この部分だけがスパイスとして使用されています。パエリア、ブイヤベースなどがとても鮮やかな色をしているのは、サフランの赤い雌しべで着色しているためです。
サフランの基本情報
名称 | サフラン |
科・属 | アヤメ科クロッカス属 |
形態 | 多年草 |
原産地 | 小アジア、地中海沿岸 |
草丈 | 10〜20cm |
開花時期 | 10月〜12月 |
サフランの特徴
球根植物
サフランは球根植物です。球根植物は草花のなかでは生命力が強い傾向がありますが、特にサフランは初心者の方にも育てやすい丈夫な植物です。暖かい時期は球根のみで休眠して過ごし、秋に発芽して春まで生育します。球根が園芸店などで販売されるのは夏ごろです。開花が終わると、球根は分球して増えていきます。
クロッカスに似た姿
サフランはクロッカス属の植物のため、姿形はクロッカスによく似ています。主な違いは雌しべの形状と、開花時期です。クロッカスは春、サフランは秋に咲きます。クロッカスは品種が豊富で雌しべの形状もさまざまですが、赤くて長い雌しべはサフラン特有のものです。
真っ赤な長い雌しべ
スパイスとして使用されるのは赤い雌しべの部分のみです。1つの花には1本の雌しべがあり、先端が3本に分かれています。収穫量がとても少なく貴重なため、スパイスのなかでは最も高価です。雌しべを赤く彩っている色素は「クロシン」と呼ばれるカロテノイドで、クチナシにも同じ成分が含まれます。「クロシン」は濃度が濃ければ赤く、薄めるほど黄色に近づきます。
サフランの花言葉
サフランの花言葉は十数種類もあり、「陽気」「楽しみ」「喜び」など、喜ばしい意味の言葉がとても多いようです。一方で「過度を慎め」などの戒めるような言葉もあります。喜ばしいことばかり多過ぎてもいけないのかもしれません。
サフランの育て方
育て方①球根の入手
球根の販売は早ければ7月ごろから始まります。傷みのない、大きくて重い球根を選びましょう。球根を詰めたセット商品には傷んだ球根が隠れていることがあるため、よく確認しましょう。小さすぎる球根は花芽分化ができておらず開花しないことがあります。サイズがよく分からなければ、「大球」「Lサイズ」といった表記のある商品を選びましょう。
育て方②植え付け
植え付けに適した時期は8月中旬〜9月中旬
猛暑が落ち着いた頃に植え付けを行います。植え付けは9月中旬くらいまでが適しています。適期を過ぎても植え付けずに置いていると葉が生えずに花だけが咲いてしまい、翌年分の栄養を取り入れるチャンスを逃してしまうため、早めに植えましょう。
水はけのよい肥沃な土を用意する
サフランは多湿を嫌うため、保水力と水はけのよさをあわせ持った土が適しています。市販の培養土を使用するか、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜたものに、堆肥(牛糞など)を少量加えたものを使用しましょう。地植えする場合はあらかじめ苦土石灰、堆肥を混ぜ、水はけのよい土壌を作っておきます。
球根植物の栽培には深さが必要のため、プランターに植える場合は5号以上、または球根用プランターなどの深さのあるものを用意しましょう。土に元肥が入っていない場合は、リンの割合が多い元肥用の緩効性肥料も用意します。
日当たりのよい場所を選ぶ
サフランは日光が好きです。日陰に植えても花は咲きますが、十分な光合成ができないため栄養を球根に送れず、翌年は花つきが悪くなってしまいます。できるだけ日当たりのよい場所を選びましょう。
植え付け方法
用意した土に球根2〜3個分の深さの穴を掘って球根を埋めます。球根の上に1〜2個分の空間があればちょうどよい程度です。球根の間隔を詰めすぎると栄養不足になってしまうため、地植えの場合は10cm程度の間隔を開けるのがおすすめです。プランター の場合でもあまり詰めすぎないように調整しましょう。1年限りの栽培の場合は、細かいことはあまり気にしなくても大丈夫です。植え付けてから数日経ち、土が乾燥していれば水やりを始めます。
出典:PhotoAC