アスクレピアスとはどんな植物?
アスクレピアス(トウワタ)は、南北アメリカや熱帯アフリカを中心に200種類以上が分布する多年性の草花です。赤や黄色、オレンジの鮮やかな花を咲かせ、日本では園芸用に親しまれています。そこで、アスクレピアスとはどのような植物か?色鮮やかな花の特徴や、品種による育て方の違いについて詳しく解説します。
基本情報
学名 | Asclepias |
科名 | ガガイモ科、またはキョウチクトウ科 |
属名 | トウワタ属 |
和名 | トウワタ(唐綿) |
原産地 | 南北アメリカ、熱帯アフリカ、アジア |
草丈 | 60~150cm程度 |
開花期 | 6~10月 |
花色 | 赤、オレンジ、黄、白、紫 |
名前の由来
アスクレピアスの名前の由来は諸説ありますが、ギリシャ神話の医学の神「アスクレピオス」にちなんで名付けられた説が有力です。また別名を「トウワタ(唐綿)」といいます。これは花が咲いた後に果実から綿毛のついた種が出てくることに由来しています。
アスクレピアスの特徴
アスクレピアスは草丈が1m前後で葉も多く生長します。赤やオレンジの鮮やかな花色と、濃い緑色の葉は野性的で華やかな印象があります。夏から秋にかけて長く楽しめるため、元気な庭を演出するのにぴったりな草花といえるのではないでしょうか?そこで、アスクレピアスの花や種の様子など特徴について解説します。
花
アスクレピアスは6~10月の暑い季節になると、茎の先端に羽根つきの羽のような形をした花を咲かせます。花径は1cmほどの小さいもので、一つの花序には10~25個の小花がつきます。赤・オレンジ・黄色の花をたくさん咲かせるため庭に明るさをもたらしてくれますね。
種
花が咲いた後に尖った細長い果実ができ、この果実が熟すと中から白い綿毛がついた種が出てきます。この綿毛は柔らかく光沢があり「冠毛(かんもう)」と呼ばれます。絹糸のように美しい綿毛から、トウワタと呼ばれるようになったそうです。
ボタニ子
ふわふわした毛が、たんぽぽの綿毛みたいね!
ボタ爺
たんぽぽの綿毛も「冠毛」というんじゃよ。
毒性
茎を傷つけると白い汁が分泌されますが、この白い汁には強い毒性があるため注意が必要になります。乳牛など家畜が誤って食べた場合、中毒を起こし乳が毒化してしまうそうです。剪定や切り花にするときは、白い汁が手に付かないように手袋をはめたほうがよいでしょう。
アスクレピアスの人気品種
日本で主に栽培されている品種は、メキシコや南アメリカ原産の「アスクレピアス・クラサヴィカ種」と北アメリカ原産の「アスクレピアス・ツベロサ種」になります。クラサヴィカ種は寒さに弱いため日本では一年草として扱われています。ツベロサ種は寒さに強いため関東より西側では冬越しが可能です。
アスクレピアス・クラサヴィカ
クラサヴィカは「クラサオ島の」という意味があり、西インド諸島のクラサオ島が原産地のため付けられた名前です。寒さに弱い特徴があり、7℃以下では耐えられないため、春に種をまき一年草扱いされています。鮮やかな赤とオレンジの2色花が華やかな印象を与えますね。品種改良されたものには、黄色やオレンジの単色の花もあります。
アスクレピアス・ツベロサ
ツベロサは和名を「ヤナギトウワタ」といい、葉が細長く柳のような形をしているため、この名前が付けられたそうです。オレンジや黄色の単色花が美しく素敵ですね。水揚げがよいので、切り花に利用されることが多いです。また、寒さに強いため冬越しできる特徴があります。
アスクレピアス・シリアカ
北アメリカ原産のシリアカは和名を「オオトウワタ」といいます。茎は枝別れせず真っすぐ伸びて60~90cmほどに生長します。花の色が暗紫色のため、他の品種に比べると華やかさに欠けます。小花を毬のように丸く咲かせる特徴があります。
次のページでは、アスクレピアスの育て方をご紹介します。
出典:写真AC